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今月16日、『第68回NHK紅白歌合戦』の出場歌手が発表された。引退前最後の出演が期待されていた安室奈美恵の名前はなく、また、事前に出場内定が噂されていた小沢健二や桑田佳祐の名も出場者リストにはなかった。
そんなことから早くも目玉歌手不在の心配をされている紅白だが、今年も相変わらずいつも通りの部分があった。
それは、ジャニーズの扱いである。NHKとジャニーズの間で約束された規定路線通り、白組の司会が昨年の相葉雅紀に続いて嵐の二宮和也に決定した問題については先日、お伝えしたが、出場歌手も圧倒的な数になった。
TOKIO、嵐、Sexy Zone、関ジャニ∞といったメンツに加え、今年でCDデビュー10周年を迎えたHey! Say! JUMPが初出場となった。昨年出場したV6とKinKi Kidsの名が消えたものの、それでもジャニーズ事務所所属の歌手はまだ5組もいる。
SMAP、TOKIO、V6、嵐、Sexy Zone、関ジャニ∞に加え、その年にデビュー35周年を迎えていた近藤真彦がまさかのトリを務めた2015年は、白組出演者26組のうち7組をジャニーズが占める異常事態となった。それに比べれば今回の5組はまだ「マシ」になったといえるが、それでも「私物化」のそしりを免れることはできないだろう。
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先週発売された「週刊文春」(文藝春秋)17年11月16日号では、毎年恒例の「「紅白歌合戦」大アンケート 「出てほしい」「出てほしくない」歌手」が掲載されていたが、その「「紅白に出てほしくない」ワースト30」で、嵐は3位、TOKIOは8位、Sexy Zoneは13位、そしてHey! Say! JUMPにいたってはまだ一度も出たことがないのに22位に名を連ねている。紅白に出場したことのない歌手でワースト30にランクインしたのはHey! Say! JUMPだけである。
こういったアンケート結果になった理由として、「週刊文春」の記事ではこんな読者の声が紹介されている。
「ジャニーズだからといって、枠が多すぎて他の歌手が少なすぎる」
「司会、トリ、『ふるさと』の合唱と番組を私物化しすぎ。TOKIO、V6、Sexy Zoneはいらないでしょう」
「ヒットしないのにジャニーズだからと毎年出てるのが腹立たしい。和田アキ子が出なくなったんだから、TOKIOやV6も出るのを止めるべき」
紅白出場には同一のプロダクションやレコード会社に偏らないよう上限「枠」があることは巷間よく知られているが、ジャニーズのように5枠もとっているところは他にない。
百歩譲って枠に入っているすべてのジャニーズのグループが世間的な人気を得ているのであれば理解できるが、嵐と関ジャニ∞はともかくとして、Sexy ZoneとHey! Say! JUMPははっきり言って微妙だし、TOKIOも歌手としては疑問符がつく。特に、Hey! Say! JUMPは藤島ジュリー景子副社長のお気に入りグループであり、ゴリ押しの感はいなめない。
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ジャニーズと同じくよく指摘されるのがアミューズだが、今回のアミューズ枠は星野源、Perfume、福山雅治、SEKAI NO OWARIの4組。ツッコミようのないメンツであるうえ、また、それにより、ONE OK ROCK、BABYMETAL、ポルノグラフィティといった出場してもおかしくない歌手が選に漏れている。
事務所ではなくレコード会社だがやはり出演者の多いエイベックス枠は、三代目J Soul Brothers、E-girls、そして今回が初めての出場となる三浦大知。これまで紅白には7回出場しているAAAは今年も東京ドームを含んだ全国ツアーを成功させているが三浦大知が入ったためなのか選考漏れ。ほかにはAKB48、乃木坂46、欅坂46の秋元康プロデュース3枠くらいで、ジャニーズ事務所の5枠はやはり突出している。
かつての紅白では同一事務所からの出演者は上限2枠までとされていて、ジャニーズ枠も長らく2枠だった。ところが、ジャニーズは2009年に嵐を初出場させたタイミングで4枠に拡大させる。その後、なし崩し的にどんどん出演数を増やしていった。この背後には、かつて制作統括を務めていた柴崎哲也プロデューサーの事務所べったりの体質があったといわれるが、こうした癒着体質は今年も相変わらずだ。
ジャニーズとべったりくっついて、その意向を丸飲みしているのはテレビ局全体にいえることだが、NHKは民放よりもはるかに公共性が高い。そのような組織が露骨に特定のプロダクションとの癒着を見せるのはどう考えてもおかしいだろう。
(編集部)
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