実名報道「遺族の気持ちを反映して」女子高生殺害、裁判で実名を選択した遺族が指摘

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2017年12月01日 18:53  弁護士ドットコム

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東京都江戸川区のアパートで2015年、高校3年の岩瀬加奈さん(当時17歳)を殺害し現金を奪ったなどとして、強盗殺人と強盗強姦未遂の罪に問われたアルバイト先の元同僚、青木正裕被告人の控訴審判決が12月1日、東京高裁であった。栃木力裁判長は、無期懲役とした1審東京地裁判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。


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青木被告人は「無期懲役だと謝罪ができなくなる」などと述べ、有期刑を求めていた。判決後、加奈さんの遺族が東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見し、「判決が変わらないのは確信していたが、反省していない態度は納得ができない」と訴えた。


●被害者実名報道「遺族の気持ちをもっと反映して」

裁判では、青木被告人が強姦未遂罪にも問われていたため、法廷で加奈さんの名前を出さずに匿名にすることも可能だったが、家族は1審から名前を出すことを希望した。


これについて姉・咲貴さんは、「どちらもメリットデメリットがあり、それは自分で選択するもの。今回私たちが実名で裁判をしたということで、今後被害者家族に『選択できる』ということが伝わればいいなと思う」と話した。


母・裕見子さんは被害者遺族の立場から、マスコミによる被害者の実名報道についても触れた。


事件発生当初、遺族に確認もなく住む地域や名前が公表されたことを振り返り、「最初の段階で実名や写真の掲載について、私たちに確認をして頂いていなかった。その後裁判を実名ですると公表したら(マスコミが)『なぜですか』と聞いてくるのはおかしなことだなと思った」と率直な思いを語った。


また、「遺族が(実名報道を)望んでいないというニュースも目にした」と神奈川県座間市のアパート一室から9人の遺体が見つかった事件に触れ、「報道の自由は正しく報道することだと思う。遺族の気持ちももっともっと反映していただきたい」と要望した。


●「事件を忘れないでほしい」

加奈さんは事件に巻き込まれていなければ、先月20歳の誕生日を迎えているはずだった。


父・正史さんは「(青木被告人が)控訴棄却され不服そうな顔をしているのを見ると、悔しくて許せない気持ち。(加奈さんには)なんて伝えようかなと迷いますね」と厳しい表情で語った。


裕見子さんは「なんの落ち度もない女子高生が、真面目に生きてきてもこんな事件に巻き込まれるということを高校生や娘と同じ年代の子には伝えたい。被害に遭わないようにすること、そして決して加害者になってはいけないことをずっと伝えていきたい」と涙を流した。


(弁護士ドットコムニュース)


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  • 無期懲役は終身刑ではないので、いつかは刑期が満了するし、謝罪する心はいつ、どこだってできる。単なる言いがかり。
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