■子どもに罪悪感がわいたとき
ダブル不倫は、どちらも久しぶりの恋愛感情に舞い上がってしまうことがある。
「私はそもそも恋愛経験が少なくて、さらに親戚の紹介で結婚したので、仕事関係の人と不倫に陥ったときははしゃぎたくなるような気持ちがある一方で、罪悪感にさいなまれていました。でも、自分の恋心に負けてしまった」
|
|
マナミさん(43歳)は3歳年上の男性と恋に落ちた。体の奥からわき起こってくる熱情を自分でも持て余したこともある。
「夫にウソをつき、子どもを見てもらうために自分の親にウソをつき、さらに子どもにもウソをつく。つらいけど、それがまた背徳感を増して恋が輝く。そんな気がしていました。
|
|
だが1年たったとき、パート先からいったん家に戻って夕食の支度をし、彼に会うために出かけようと口紅を塗っていると背後から息子がじっと見ていることに鏡の中で気づいた。
「ドキッとしました。当時、小学校6年生だった息子の目が何もかもわかっているよと言いたげで。その日は彼に会ってもどうしても息子のことが気になり、すぐに帰宅しました。それ以来、彼に会う気がなくなりました」
子どもへの罪悪感は、母親の暴走を止める唯一のものかもしれない。
|
|
■彼が病気になって……
女は現実的な動物である。愛があればとロマンチックなことを言っても、やはり現実がすべて。
「本当に申し訳ないんですが、彼ができなくなってしまったんです。糖尿病みたいで。できなくても彼はホテルに行きたがるし、『抱き合っているだけでもいい』と言うんですが、私は生身の女ですからね、抱き合っているだけでは物足りない」
ひどいと言われてもしかたがないけど……と前置きをして、アヤノさん(46歳)は話してくれた。夫とは長年のセックスレス。だからこそ。彼と3年も続いた。「できなくなった」彼と茶飲み友達のような関係を続けるつもりはなかった。
「できなくなった彼に、したいと言うのも酷な話ですからね。やはり家庭が大事だから、あなたとは終わりにしましょうときれいに別れました」
別れて1年、彼女は新たな恋をしていると首をすくめた。