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『水道橋博士のメルマ旬報』過去の傑作選シリーズ 〜ある日のマッハスピード豪速球ガン太〜(vol.4)

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2018年03月27日 17:13  BOOK STAND

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 芸人・水道橋博士が編集長を務める、たぶん日本最大のメールマガジン『水道橋博士のメルマ旬報』。

 過去の傑作選企画として、かつて水道橋博士の運転手も務め、現在、気鋭の芸人として活躍中のマッハスピード豪速球ガン太さんによる連載『ハカセードライバー』から、僕が大好きな原稿を無料公開でお届けします。是非、お手すきの時に一読ください。(編集担当/原カントくん)

※vol.1、vol.2、vol.3はこちら。

*****
■2014年11月25日

本日NHK『あさいち』出演の為、博士の家に6時50分に到着するよう5時に起床。
私事ではあるのですが前日も営業の為5時起きなど朝の早い日が続いていてメッチャクチャ眠い・・がしかし、ツイッターを見てみるとすでに5時に博士が起床ツイートをしていた・・眠がっている場合じゃない、自分も頑張ろうと思い自転車で出発。
 
まあ今日は10時まで『あさいち』(NHKの番組)があって、次の仕事が19時からだから時間がたっぷり空くスケジュールだ、その間に仮眠などをすれば問題は無いか・・などと今日の空き時間の使い方の算段を立てながら自転車をこぐと博士の家へ到着。

「おはようございます!」
「おへす、今日さ「あさいち」終わったらマッサージ行くから。」と博士。
「はい、麻布のマッサージですね。」

マッサージなら1時間で終わるから、時間はたっぷりある。全然休めるぞ・・
 
「うん、そんでその後、低山を登りに行こう!」
 
低山?・・
(レギュラーのNHKラジオ『すっぴん』で次のゲストが低山登山家の方の為、低山に登っておかなければという事らしい。)
※ここで言う低山とは、50メートル未満くらいの山
 
博士は、『すっぴん』で毎週用意されるゲストが何の部類の方であろうとその事、その人についてしっかり下調べしたり作品を見たり読んだりしてから本番に臨まないと気が済みません、作家の方や芸能人の方ならその方の作品を見たり読み漁ると言うアプローチで臨めるのですが、たまにそう言ったアプローチが効かない変わった専門家の方がゲストの時が大変です。例えばチーズの大会世界一の方がゲストの時は本だけを読んでも語れないという事で一週間チーズのみ食べ続けるという体験のアプローチで臨んだりします。
他にもパンケーキ専門家の方がゲストの時はパンケーキを一週間食べつづけた事もあります。

低山登山家が来るのなら低山に登る・・それは博士にとって当たり前の事なのですがしかし、今日は勘弁して欲しい・・休む時間が無くなってします。
しかし、ボクはハカセードライバー!博士が行くと言ったら行くしかないのだ。
まあ言っても低山だ、一山登るのに5分も掛からない一山登って帰ってもまだ休む時間はあるだろう。

「低山ですか!イイですね!!行きましょう!!!」
NHKに向かう途中「眠い、くない!眠くない!」「疲れた・・てない!疲れてない!」を連呼する博士(ボクの前では「疲れた」「眠い」の言葉を発さないルールが博士の中である。)
どうやら相当お疲れのようだ・・この調子なら低山登山の話はまた後日と、流れるかもしれないな・・。
NHKに到着Nマネージャーと共に楽屋入りをする。
楽屋入りをするや否や「今日低山に行くんだ!」と博士がNマネージャーに伝える。
どうやら話が流れることはないようだ・・。
「そうなんですか!何個の山行くんですか?」とNマネ。
 
すると少し考えてから博士「んー、三山かな!」
  
三山・・?しまったー!!何て言う事だ・・勝手に一山だと思いこんでいたのだ!だって山だし・・山登りって普通一日一山でしょう・・何となく一日一山だと思い込むじゃないですか・・山って響きが良く無い・・一日三山登るって会話が普通無い物だから・・でも考えてみれば一山登るのに5〜10分、一日に何山も行けるのが低山登山の醍醐味でもあるのだ・・。
移動時間も含めて考えるとボクの空き時間で体力回復作戦は大分厳しいものになってきた・・。

Nマネージャーと相談をして、麻布からどの山を辿っていけば効率良く家に帰りながら低山に登っていけるか低山ガイドを読みながら考える。
『あさいち』の生放送中も考える・・考えているうちにある作戦を思いついた!
 
「そうだ!何となく二山にしてしまおう・・。」
 
"何となく二山作戦"を思いついた!"何となく二山作戦"とは、博士が神経を使う生放送を終えた後の「どの山行くか決まった?」と言う質問に対し何となく二山しか答えずに二山しか行かない事にしてしまおうと言う作戦である!
だって博士の雰囲気的に多分二山でも三山でもどっちでもいい感じがあったし、神経を使う生放送終了後である、そんな細かい事はどうでも良くなっているはずだ!何となくこの作戦はいける気がする!
 
生放送終了後・・博士が「山決まった!?」と聞いて来たので

「はい、池田山と箱根山に決めましたどうでしょうか?・・」と当たり前の様に2つだけ答えました(この作戦のコツは当たり前の様に言う事である。)
 
「うん、そこにしよう。」
YES!!作戦大成功だ!!これで、30分ほど空き時間が増える!!

しかし!そう思うか否や、この安堵した気持ちを引き裂くように大きい声が室内にこだました。
「ええ!?千駄ヶ谷富士には行かないんですか!?」
Nマネだった・・しまった、敵は近くに居た!Nマネとは三山の認識で話していた・・。
「ん?ああ、そこも行こう!」
こうしてボクの"何となく二山作戦"は失敗に終わった・・。
 
予定通りマッサージ後、低山に向かう。
 
最初の低山は『池田山』紅葉や東京とは思えない孤立した自然が凄く綺麗だ!綺麗すぎてテンションが上がる
「写真をバンバン撮れ!」と博士に言われるがまま、景色をバンバン撮りながら登山をしていると途中携帯の天気予報を見て「今日は天気大荒れになるらしい」と博士がおっしゃった。
そこでまた閃光のように作戦を思いついた!
 
その作戦とは"天気が荒れるの恐いから山2つにしませんか作戦"だ!
"天気が荒れるの恐いから山2つにしませんか作戦"とは「天気が荒れるの恐いから山2つにしませんか?」と良い感じで博士に提案する作戦だ。
「天気荒れるんですねー・・あ、博士・・天気が荒れるの恐いから山2つにしませんか?」
「・・うん、そうだねそうしよう。」
YES!作戦大成功だ!これでボクの休息は約束される!こうなったらさっさと次なる目的地へ!
次の山は『千駄ヶ谷富士』ここは『鳩森神社』の中にある小っちゃい山で頂上がすぐ見える。
博士が登り下からのアングルやその逆や色々の写真を撮りまくる!一個のアングルを撮るたびにお互い近づき写真を確認して「いいね!!」だの何だのやっている・・傍から見たら、何の二人組なのだろう?と不思議なはずだ。
 
その時、風で落ち葉が"ブワッ"と落ちてきた・・すると「今だ!!撮ってくれとってくれ!!!」と博士が異常に興奮した!
どうやら落ち葉が舞う中に自分がいる構図の写真が撮りたかったらしいのだが、ボクのカメラ機動が遅く上手く撮れなかった・・博士が凄く残念そうにしている・・。
 
この辺から博士「すごい!きれいだ!!」とか「たのしいねー!」とか、変な方向にいきなり走り出すなどの子供っぽい言動をし始める・・あなたの大先輩と二人っきりの状況で急に子供の様になられたら・・少し想像してください?戸惑いますよね・・ボクも一緒です・・結構どうしていいか分かりません。
しばらく戸惑っていると、この行動は博士のご次男『あきら君』(4歳)の言動は無限で面白いから自ら『あきら君』になるという遊びという事でした。
理由を聞いても、どうしていいか分からない事には変わりありません・・子供として接っしてボケに乗るべきか、ボケとしてとらえてツッコむべきか。

結局「出たなーあきらー」とか小さい声で言うのが精いっぱいだ・・。
そんなこんなで『千駄ヶ谷富士』登山は終了した・・二山の登山が終了し家に帰れる!時間を見るとまだ家に帰り少し休める時間だ!
さっさと車へ戻ろう!と歩いていると、途中道にある区が設置している地図を指差し博士が「お、おおお!?こっこれは!?」と何やら興奮しています?
近づき地図の指をさしているところを見てみるとそこには"オーマン国大使館"という記載が・・。

「お、オーマン国大使館だって!ガン太!オーマン国!これを言うならオマーン国だよな!?これ!」とテンションはブチ上げ状態に!
「本当だ間違っていますね。」と反応すると
「違う!!これは間違ってるんじゃない!俺には分かる!これはわざとやっているぞ!区の役員が悪ノリで作ったに違いない!!」
と熱弁です・・んな馬鹿な、と一瞬思いましたが、確かに"オマーン"を"オーマン"と間違えている事に気が付かないだろうか?何だか男の役員が2人位で任せられた地図造りの合間に生まれたワルノリを想像した方がしっくりくる・・わざとかも知れない・・。

車に戻っても「オーマンコク、オーマンコク」ずっと言っている博士。
「オーマンコクだよ!おかしいよ、お前も言いたくなるだろう?オーマンコク!」
「は、はい・・オーマンコク大使館。」
「ははは!そうだろう!言いたいだろう!そうだ、ママにもこのことを伝えよう!」
 何故か奥様に電話をかけ始める博士!?
「もしもし、ママ?今ね渋谷区の地図にね、オマーン国じゃなくてオーマン国ってのがあって、分かる?おーマンコく大使館だよ?」
 かすかに受話器から漏れ聞こえてくる奥様の声・・
「何!?それだけ?」"ガチャ"
「・・あれ?切られちゃった。」
速攻切られてしまったようだ・・そりゃそうだわざわざ電話で伝えることでは無い「何色のパンツ穿いているの?」のイタズラ電話みたいだ・・。
まあ何はともあれ、博士の家に向かおうと思っていると、博士が「よし、次は戸山公園の箱根山だな!」と言った・・。
!?・・何という事でしょう"オーマン国"事件で忘れてしまったのか?さっき「天気が荒れるの恐いから山2つにしませんか?」と話し合った事が無かった事になっています・・。
「行きます・・?」
「うん、何で?行くよ!」
「・・はい、向かいます。」
またしてもボクの作戦は失敗で終わった!!
 
『戸山公園』に到着。
快調に歩きはじめる博士・・ボクはすごく疲れてきた・・何故博士はこんなにも元気なのだ・・『戸山公園』の中に『箱根山』はあるという事だったので公園内を歩いていればすぐに見つかるだろうと思い何となく歩いてみる。
 
しばらく歩いた所で一向に山が見えてこないので公園全体の地図を見てみると、実はこの『戸山公園』恐ろしいほど広いことが判明しました!今いる所は入り口でかなり遠い所に『箱根山』はあるようだ。
・・ああ、遠いし行き方も良く分からない・・しんどい・・。
20分くらい歩くと、車を停めた駐車場の方へ戻って来てしまった?
ヤバい・・全然たどり着かない交番があったので道を尋ねてみる。
「箱根山はどう行けばいいですか?」
「あー歩きだと結構遠いですよ。」
『戸山公園』の『箱根山』なのに『戸山公園』近くの交番で聞いたら「歩きでは遠い」と言われた!意味が分からない!最悪だ!
と思ったが・・またボクの脳裏に作戦を閃いた!
・・この20分歩いた時点でまだまだ遠い事実を知ったのだ・・博士も諦めようと言うかもしれない!
よし!"キツイッすね、どうします?顔作戦"だ!
"キツイッすね、どうします?顔作戦"とは表情だけで行きたいのは山々だけども、
もうキツイッすね・・どうします?と言う顔をするという作戦である!
 
交番から出たところで博士に"キツイッすね?どうします?"と言う表情を向ける。
・・こっちを見てくれない・・「フー」と息を吐いて注意をこっちに向けてみる。
(この作戦のコツは決して声は発さない事だ。表情や雰囲気だけで。)
こっちを見て博士が一言。
「良し、行こう!」
 
作戦は失敗に終わった・・再び歩き始める。
 
そしてスタートから小一時間、ようやく箱根山に到着・・まさか低山登山に遭難と言う概念が存在するとは・・低山遭難を経験した・・。
 
登り始めれば早いのが低山登山、あっという間に登頂を果たし下山。

下山途中また突風が吹いて葉っぱがバラバラと落ちてきた・・するとそれに反応をして博士がその舞う葉っぱ目がけて走って行きました!
 そして両手を広げて
「うがあーーーーーーーー!!」
「あああああうあああううあああーーーーーーー!!!」
突然叫びだしました!?
何だ!?あきら君ごっこの続きか!?いや、それともどうも違うようだ・・・博士が表現しようとしている事がよくわからない、分からないが今回こそカメラに抑えなければ!!夢中でシャッターを切った!!
 
「がああああああぁぁぁぁ・・・どう?撮れた?」 
 
写真を確認しましたが、カメラの性能上、上手く落ち葉まで撮れていない。
 
「あーー惜しいなー完全に超能力だったのに、俺が手をあげたら木の葉が落ちてきたのに!」
?・・ボク的には舞い落ちる木の葉に博士が走ってったように見えたのだが、とにかく博士が木の葉を超能力で降らしている設定のようだ・・あのけたたましい叫び声は能力を使う時に出てしまう声だったようです。
 
「『AKIRA』の「鉄男」みたいだったでしょう!?」と博士。
 
何と!!これも一種のAKIRA君ゴッコだったようだ!!
そしてまた長い距離を歩き車に戻る。
車に着いた所で、思わず「ふうーー・・」と疲れため息が出てしまった。
「どうした?」と博士・・
「つ、疲れましたー。」と正直に言った。
「俺もっメッッッチャ、疲れたよー!!!もう三つ目の山何てチョー行きたくなかったもん!!」
何?博士も行きたく無かったのか!?
「え!?じゃあ何で二つで帰らなかったんですかー?」
 
「うん・・何かお前が嫌がってる気がしてさ・・三山行く事にしたんだ。」
 
・・何と言う事でしょうボクの浅ましい考えは全部見透かされていたのです!博士恐るべし・・やっぱり真面目にズルせずに生きなきゃいけないなーと博士の身を削りながら学ばせてもらった一日でした。 

因みに後日NHKラジオ【すっぴん】低山登山家の回の放送中、博士は何とこのボクのコラムを音読して下さいました!間接的にラジオ出演している事に感動を覚えていたのですが、途中「オーマン国」の件をイタズラ顔で読む博士にラジオブースは凍り付いていました。
博士は最も放送コードに厳しいとされるNHKのラジオで見事合法的に「マ〇コ」と言ってのけたのです。

〜今回の『藝人春秋2上巻』に登場するボクの大先輩でもある『オフィス北野』の『三又又三』前作の『藝人春秋』にも三又さんは登場するのですが『水道橋博士』曰くそうそうたる芸能人が登場する中、一作目二作目共に三又さんの章が一番面白いと言う声がかなり多いようです。
ボクも博士の運転手として近くに居ることで数回お会いしまして何度か『ハカセー・ドライバー』で三又さんについて書かせて頂きました。
時系列が逆になりますがボク視点の三又さんお楽しみください。〜

『メルマ旬報フェス』という伝説のイベントが2014年1月25日に行われた、メルマ旬報の当時の執筆者34名が集まり行われた、かなり大規模なフェスです。

■2014年1月17日

本日は『ニッポンダンディ』の為MXテレビに運転。

MXテレビに到着、博士と長澤さんを先に降りて頂いて駐車をしてから楽屋に向かう。
楽屋に着くとすでにテレビ制作会社KMAXの『小西さん』と『佐々部さん』がいらしていてメルマフェスの打合せをしていた。
 内容はメルマフェスの中継をWOWOWの動画サイトW流で放送すると言う話し合いらしい。
博士「まあ、色々事務所的にライブはいいけどテレビってなると出演NGの人もいたりするから。」
小西さん「そうだね、だからやっぱそれは撮ってみてダメなら流さないし、ただ記録用には全部一応撮っとけばいいじゃない。」
博士「そうだね。」
なるほど、ライブだから出るっていうスタンスの人もいたりするのか。
しかし、あれだけの豪華出演者だ動画にしたい気持ちもわかる・・。

小西「だから何か堅苦しい感じじゃなくって一人リポーターみたいのを立てて出番が終わった人を片端からインタビューしてけばいいと思うんだよね・・それこそガン太君でもいいし。」

ん?・・何か今ボクの名前が出た気がしたが・・。

小西「ガン太君『サンジャポ』のリポーターみたいなスーツ持ってる?」
やっぱり聞き間違いじゃないようだ・・
ボク「はい・・スーツ持っています。」
小西「じゃあ、リポーターよろしくね。」
ボク「はっ、はい!!!!!」

突然に大役が決まった!!"バタン"部屋を後にする小西さん、佐々部さん・・。

「ガン太、随分な大仕事が突然舞い込んできたな!!」と博士。

「はっ!!やっぱりそうですよね!!コレメッチャ大仕事ですよね!!」

んー、無知なボクがあの知識の塊のような方たちを何十人も相手にレポートをしなければいけないのか・・

すごい・・どうしよう・・どうしよう・・どうしよう・・どうしよう・・どうしよう・・どうしよう・・・どうしよう・・どうしよう・・・どうしよう・・どうしよう・・。

■2014年1月25日

メルマ旬報フェス本番、今日の運転は休みを頂いてスズキ秘書に代わっていただき博士の入りの30分前に入る。
ボクはリポーターでまずは博士の入りに突撃しなければいけないからだ。

 恵比寿ガーデンホールに到着、博士の車がやってくるのを待ちます。
今回ありがたいことに、ボクは大役をいくつか任せられています。
一つは出演者全員に5分ずつ割り振られている『私の愛した○○』というお題で5分プレゼン。
二つ目は、オープニングで開会デコピンクルミ割り。
(ボクはデコピンが強くクルミを割ることが出来るので薬玉割ならぬクルミ割りを任せられたのです。)
そして三つ目がW流で放送する舞台裏のリポートだ・・。
総出演者34名にインタビューをしなければいけない・・しかも一つの分野の知識の塊のような方々にだ・・不安で不安で早くも緊張していると、蛇のような"ヌボー"ッとした雰囲気の頬骨の発達した顔の見慣れた男が現れた。
 相方の坂巻だ・・。
「何?どうしたの?」
「手伝いに来た・・」"ヌボー"との事だった。(坂巻君もメルマ旬報読者でこのイベントに興味有るらしい。)
その後KMAXの小西さんと打ち合わせをしていると、博士が到着する時刻に・・。

博士の流星ワゴン事エルグランドが遠くに見えた!カメラがボクに向けられ、音声マイクも構えられる!だっダメだ!!すごい緊張する!

博士が車を降りる。
「はっ博士!!いよいよこの日が来ましたね!」
「なんでお前がいるんだよ!(笑)」
この後楽屋まで歩く博士を追っていくつか質問や会話をした気がするが、何も覚えていない・・ただ、カメラマン、音声さんのあきれたような顔を印象的に覚えている・・きっと酷い物だったのだろう、慣れている博士に対してもこれでは先が思いやられる。

いったん楽屋に戻ると、次々と出演者の方が楽屋入りをしてきた、同じメルマ旬報執筆者と言えども面識のない方がほとんどである。
誰が誰なのか確認を取るのも含めて慎重に挨拶をしていく。
「おはようございます。博士の運転手の『マッハスピード豪速球、ガン太』と申します。後でレポートをする事になるのでその時はよろしくお願いします。」
中にはボクの連載を「読んでますよ。」なんて言って下さる方もいて、嬉しい限りですが
基本はほとんどの方がボクの事なんて知らない、時間がかかるし面倒だが一人一人挨拶、この方法が一番良い!
3分の1ほど挨拶をしたところで、スタッフの方に呼び止められ別件の話を少しする事に・・すると遠くで見ていた相方の坂巻がすごい勢いで突然「ガン太の相方の坂巻です!!今日は手伝いを・・」と出演者の方にあいさつ回りをし始めた・・中腰ですごいスピードで猛烈にあいさつをする坂巻・・どのタイミングで挨拶スイッチが入ったのだろう・・。

何だかボクがまだご挨拶をしていない方にも近づいて行ったので慌てて坂巻君のもとへ行き耳元で。
「ごめん、皆まずガン太を認識していないからさ『ガン太の相方の』って言われても訳が分からないと思うわ・・」
「そうなの?・・わかった。」"ヌボー"

そんなこんな挨拶をしていると出演者がほぼ楽屋入りをした。
何人かに開始前の心境などをレポートしていくが、噛むは、目が泳ぐは、声が出ないは脂汗出ているはで相当ひどい。
 
何人かの執筆者の方にその緊張状態をイジられる・・しかしそのイジってくる方達は普段ほとんど人前に立って話などをしない方達・・ボクの方が普段こういう状態で戦っているはずなのに・・何の為に月10本以上の舞台に立っているんだろう・・
自分に幻滅をしそうになる・・・が!こんな早くに落ち込んでいる場合じゃない!!
くよくよしたって始まる!のだ・・と言うかまだフェスは始まってもいないのだ!!

開演時間が近づいた頃に『リリーフランキー』が会場に到着をして舞台袖にいらっしゃった。

このメルマフェスで博士の一番苦労していたところは出演者の出欠確認や意識や認識の共有だった・・大体の事は今回構成に入っている構成作家『宇野コーヘー』やメルマ旬報編集担当『原カントくん』に任せておいたのだが、詰めの出演交渉、意見の共有などは編集長の博士がやらなければならなかったのです。
これが、このそうそうたる癖の強いメンバーでは一筋縄では行かなくって、これに博士は非常に苦労なさっていました。
中でも気を揉んでいたのが『リリーフランキー』本当に来るのか?問題です。
リリーさんは自由な方で番組などでも、リリーさんがいるバージョンといないバージョン2パターン台本が用意されるという話があるほど、現場に来るのか来ないのか分からない方と芸能界では有名らしいのです。

今回も本番前日にリリーさんから「フェスの前説をやる」と連絡が来たらしいのですが
本当に姿を現すまで半信半疑だったので舞台袖に現れるまで博士も気が抜けなかったのでしょう、非常にほっとしてました。
しかし、前説が『リリーフランキー』のフェス何て!メチャクチャ豪華です!
リリーさんの前説からメルマ旬報フェスは始った。
まさかの前説の登場に会場がどよめくリリーフランキー史上、おそらく人生初で人生最後の前説は大いに盛り上がりオープニング映像が流れ、メイン司会の博士が登場。
次にサブ司会の西寺郷太さんが呼びこまれオープニングトーク。 

このトークの終わりでほかの出演者全員が呼びこまれるため舞台袖に全員が集まる。
リラックスしている方、少しだけ緊張している方さまざまだが、ひときわ緊迫感のある表情の方が・・『三又又三さん』だ・・何故執筆者でない三又さんが・・?
しかも、何故か海パン一丁でウロウロしている・・。

聞くと三又さんは執筆者ではないのだがオープニングで全員呼びこまれるタイミングでシレーっと皆と同じタイミングで登場をし博士に「お前が何でいるんだよ!!!」とツッコミを入れられるという1ボケの為に呼び出されたというのだ!何と贅沢なボケでしょうか!
どこまでも贅沢で楽しいイベントだ!!

ワクワクしている場合じゃない、今回のボクの見せ場の『開会クルミ割り』の時が迫ってきているのだ。何としてもここは成功させたい!博士が用意して下さったボクが唯一目立てる瞬間だからだ!

『開会クルミ割り』は、この後執筆者全員が登場し開幕のくす玉を割ろうとしているところに「ちょっと待った!!」とボクが割り込んでいき博士と
「お前誰だよ!」
「誰だよってハカセー・ドライバー事ガン太ですよ!!」
「お前の事なんて誰も知らねえよ!」
「お客さんこいつ知ってる人手あげてください?」の流れで手をあげたお客さんの数次第で「全然知られてないじゃないか!」でも「結構知られてるじゃねえか!!」のどっちかのパターンで確実に笑いを取り
「くす玉割るなんて地味な事している場合じゃないですよ!」みたいなことを言い、
「じゃあ何するんだよ?」の問いに、
「デコピンでクルミを割って見せますよ!」
「クルミの方が地味じゃねえか!!」の下りで二つ目の笑いを取り

クルミのアップが後ろのモニターに映し出される中デコピンでクルミを割って『メルマ旬報フェス』がスタートという段取りだ。

絶対スベるわけがない完璧なシナリオ、レポーターのヘナチョコは必ずここで取り返す!!
そして予定通り執筆者が呼びこまれる・・ズラーッと執筆者が並ぶ、ものすごい量だ
一人ずつ博士が軽く紹介をしていく。

最後まで紹介が終わった所で「あれ?」と思った、三又さんが執筆者に交じって出て来ていない・・ここで三又さんが見つかり博士の絡みがあるはずなのにな・・最後まで紹介が終わってしまった・・?と思っていると

カンペに「くす玉行きましょう」の文字が見えた!
おお!ついに来た!!と一気に緊張が増した!頭の中でやる事を思い返す。
博士が「くす玉を割ります」と言った瞬間「ちょっと待った!」と言えばいいんだな・・良し。

博士がカンペを読みます・・「さあ、そして今回ですね"くす"」
「ちょっと!まったーーーーーー!!!!!!!!」

んん!?一瞬訳が分からなくなった、ボクはまだ一言も発していないのだ!!
この声は!?三又又三だ!?
一瞬あまりのタイミングの為自分が声を出したと錯覚を起こすほどだったが三又さんだった・・三又さんは台本も読まずに勝手に登場をこっちの方が盛り上がるとアレンジをしたらしく、このタイミングで「ちょっと待った」と叫んで登場したようだ・・。
一気に捲し立てる三又さん!
「ちょっと待ったちょっと待ったー!!俺はいつ紹介されるんだよ!こんな格好させられて!冗談じゃないよー!!」
「なんだよお前!?このイベントは執筆者しか出れないんだよ!」
「ふざけんじゃないよー!!」
"ワハハハー""ガハハハー"(お客さんの笑い声)
博士、三又さんの完璧な掛け合いは終わり博士が気を取り直して言う。
「さあ、ではくす玉を割りましょう。」
・・いや勘弁してくれ・・1つのライブに「ちょっと待った」の演出は一回までだろう・・しかも三又さんの後に無名のボクが「ちょっと待った」言っても盛り上がらないだろう・・。

「・・ボクもちょっと待ってください。」
結果か細い声になってしまった・・しつけえな!何だよこいつ?という雰囲気が会場に漂う。

「なんだお前は?」
時間が予想よりも押しているため早口の博士。
「ハカセー・ドライバーのマッハスピード豪速球ガン太ですよ!」
「で、何?」
時間が予想よりも押しているため「お前の事なんか誰も知らねえよ!」のくだりが無い・・
「え?いや、こんなね!くす玉割るなんて地味なことしてる場合じゃないんですよ!!」
「おお、何をするの?」
「デコピンでクルミを割るんですよ!」
「デコピンでクルミが割れる?そんなにデコピン強いのか?」(「地味じゃないか!」のツッコミがカット。)
「え?あ、はい!強いですよー!!」
「三又で試してみて!!」
「え?三又さんに!?分かりました。」
「ちょっとー!クルミ割れるんでしょ!?勘弁してよー!」
"パチン"
「うわー痛ってーーー!おー!・・伝わらねえな〜!」
キャパ1000人の会場では思った以上にデコピンは伝わらなかった。痛い思いをさせてしまいその上ややスベリ三又さん本当に申し訳ございません。
「おお!じゃあクルミ割ってください!」かなりの早口で進行が進みます。
ダッシュでクルミが運ばれてきました!
「さあ行きましょう!3,2,1」

"ペキャン"

大きな舞台の上で・・いつもより激しく割れた小さなクルミ・・
会場から微かに"オオ"と聞こえた。

こうして完全にハズしたボクは冷や汗をかきながら楽屋に戻った!ダメだゲロを吐きそうだ・・。
しかし、くよくよしたって始まる!執筆者のトークコーナーが始まった為どんどんインタビューをしていかなければならない!
たどたどしい質問を投げかける。

皆様本当に良い方だった・・こんなテンパリ君相手にしっかり質問に答えて下さった。
ホリエモン事『堀江貴文さん』も世界的映画監督の『園子温さん』も、あの【電波少年】で鬼と恐れられていた『土屋敏男』ですら、ニコニコと話をして下さった。

フェスは進んでいくトークコーナーは2ブロック目に移った。
トークコーナーは全3ブロックに分けられていて2ブロック目はボクの出番があるブロックだ!!
ゼーッタイにここで取り返すぞ!!5分与えられた時間でボクが話すテーマは『私の愛したボケ側の水道橋博士』これは、自信がある!笑いを取ってやる!爪跡を残すのだ!!

高橋ヨシキさん、柴尾さんが映像を使ってトークを繰り広げていく。メッチャめちゃ面白い!土屋さんの『テレビからおっぱいが消えた日』の話、川野さんの『こんな人がオールナイトニッポンを?』の話もメッチャめちゃ面白い!会場も大盛り上がりだ。
まあいい、絶対ボクも盛り上げるぜ!

そんな2ブロックの途中で三又さんが乱入して来た・・予定に無いが5分程三又さんが大暴れする・・暴れ終わりボクの隣に座る三又さん・・小声で「お前何話すの?」との質問なので「ボケ側の博士の話です。」と言うと「面白いねーオッケーそれなら俺も入れる!」
と三又さんの助けまで頂けるようで鬼に金棒です!!

・・ふとカンペを見ると「メルマ旬報生配信まであと〜分」というカウントがカンペで出されている事に気がつきました・・そうかこの次はメルマ旬報をオンタイムで配信する企画があるんだ・・と言う事は絶対第2ブロックは押せないんだな・・

ボクの前の川野さんの出番になった時、時間はすでに残り8分だった。
川野さんが5分で終われば、3分くらいは・・と思ったがカンペに「ガン太カット」の文字が刻まれた・・。
「おい・・ガン太カットって書いてあるぞ・・」
三又さんが心配そうに耳打ちをしてきました。
「そりゃ無いよなー、ぜえったい面白いのに。」
三又さんが自分の事の様に悲しんで下さっている・・。
「残念だなーガン太―!!」

ちなみに三又さん第2ブロック乱入時に費やした時間は5分くらいでした・・。

しかし、実はこれは最初から予想されていた事態でした
「悪いけど押していたらガン太カットする事になると思う、お前にしかカット何て言えないからさ!」と博士から伝えられていたのです。
それはそうです、遥々来て頂いて「あなたのトークカットです。」なんてほかの方に言えるわけがない、これは当然のボクにしかできない仕事だったのです。
無事に時間通りメルマ旬報生メルマガ配信は終了し、第3ブロックも終わりボクのリポーターの仕事も終わった。
この後『サンボマスター』の山口さん、西寺郷太さん、岡村靖幸さんのスペシャルライブが繰り広げられた、舞台袖からお客さんになって見入ってしまった。

エンディングにはギリギリ駆けつけた、マキタスポーツさんと酒井若菜さんも登場で大いに盛り上がり6時間に及ぶ怒涛の『メルマ旬報フェス』は幕を閉じた。

フェスが終わり最後の博士へのインタビューに向かう。
失敗だらけで終わり悲壮感漂うボクの顔を見て博士、見透かしたように

「大変だったろうリポーター!でもみんな優しかったろう?」とおっしゃった。

皆様、本当に優しかった・・ありがとうございました。
 
■2013年12月21日 

本日は、たけしさんの年末番組『ビートたけしのいかがなもの会』の収録。
テレビ朝日本社、車を駐車して楽屋に遅れていくと博士の楽屋には『マキタスポーツさん』と『三又又三さん』がいらっしゃった。
本番までの間3人で近況報告などをしているので、博士の腰をマッサージしながら盗み聞きをする。
博「年末カウントダウンジャパンでダンス踊ることになっちゃって練習してたら体中が痛いんだよ。」
三「なんで踊るんですかー、ダンスなんてー?」
博「イベントの罰ゲームで『DJダイノジ』のダンサーでやらなきゃいけないんだよ。」
三「良くやりますね・・」
博「もう三又ダンス全否定だったよ。」
三「ん?なにぃー誰がぁー?」
博「大谷君」
三「んんー・・」
自信の有る技を全否定されたと聞いて明らかに不快感をあらわにする三又さん・・
まあ無理もないこれでは博士の説明不足だ、ちゃんとイベントの中でイベントを盛り上げるための大谷さんの発言だったと説明をしなければ。
博士もそう思ったのか、ディティールを付け加える。

博「博士、三又ダンス踊ったってそれ自分のイベントの中じゃないか!あんたホームでしか踊ってないよ!!三又さん連れて三又ダンス踊ったって何も自意識破ってないよ!本当に自意識破りたいなら、俺のイベントの一万人のアウェーの前で踊ってみろよ!!って挑発されたんだよね。」
三「あん?ホームもアウェーも#&&$#」
 最後の方は聞き取れなかったが、なぜかまだ怒っている三又さん。この説明を聞いたら納得すると思ったのだけど・・博士もそう思ったのか。

博「イベントの中でだよ?」念のため付け加える・・

"ムスーッ"としたままの三又さん、何故か通じない・・
その後たけしさんが楽屋に入られるため、たけしさんを出演者総出でご挨拶をする。

オフィス北野の博士、三又さん、マキタさんは最後まで残りたけしさんの楽屋の扉を閉めて何やら中で話をしている様子。
中の会話をメチャメチャ聞きたいが・・扉の前で待つ。

10分ほどすると3人が出てきた・・明らかに三又さんの雰囲気がさっきまでと違う。

鼻息荒いというか、エンジンがかかったって感じだ

3人の会話で楽屋の中での4人の会話内容を推測するところによると、どうやら
三又さんがたけしさんに「殿ー、今日は殿と完全なクロストークをしますんで見ててくださいよー」みたいなことを言ったようだ。

ボクは素人臭くも、おお!出た!『三又節』と思った。
これが博士の良く語っている三又さんのどこから湧いてくるかわからない自信というやつだ。『すべらない話』などでも良く語られている・・。
確かに物凄い自信だ・・三又さんはとにかくこういう風に、自信のような物を周りにカマす事で自分を奮い立たせる方なのだなと感じる。

しかし、ボクが『すべらない話』や博士から良く聞く三又さんはこれでは終わらないはずだ。
ボクが聞いてきた三又さんはここから、良くその自信が持てるな!とツッコみたくなる
自信とは真逆のとんでもないヘナチョコな方向に向かっていくはずなのだ。

しかし、この禍々しい自信のオーラを体全体に纏った姿を見ていると、ヘナチョコな方向に向かっていくとは思えない・・完全に強者の風格だ。
博士の楽屋で番組のスタッフと打ち合わせをする。
今回のこの番組は、世にはびこる「これはいかがなものなのかなー?」という不条理な事や納得いかない出来事などを各々発表して討論していく番組のようだ。
なんでも、その番組の流れで、たけしさんにまつわるいかがなものエピソードを博士、三又さん、マキタさんの『たけし軍団チーム』が暴露していってたけしさんを追い込むという流れがあるらしい。

打ち合わせが終わり、三又さんを楽屋に呼んできてくれという博士。
再びやってきた三又さん、依然体中から自信が溢れ出している。
 
「これさーこの殿の恥ずかしい事を暴露するって下り、これ三又がガンガン行くんだろ?」
確かに、この流れはまさにクロストークが出来る絶好の見せ所だ、そして最近のたけしさんのエピソードならご一緒する機会が多い三又さんの方がエピソードを持っているはずなのでここは三又さんに任せようと思ったようだ。
 
「はい?いや、ここは、全員で殿を攻めるみたいな・・」突然ゴニョゴニョ言葉に詰まる三又さん・・
「いや、俺全然エピソード考えてないよ!三又いっぱい持ってるだろ殿のエピソード?」
「え、まあ、皆でエピソードを・・」メッチャゴニョゴニョしている三又さん。
「いいよ、いっぱいネタ持ってるじゃんお前、どんな話があるの?」
「えーあれですよー・・殿がーAVを『ririco』から・・」
「オッケそれ知ってる。他は?」
「・・あー、あとーこの前殿がーオロナイン買ってこいって言うから買ってきたら亀頭をー・・」
「オッケそれも知ってる・・他は?」

・・気が付くと三又さんの視線は定まらなくなり落ち着きが無くなっていた。
さっきまでの自信オーラは完全に消えさっている・・こんなにテンパっているのが分かりやすい人は中々いない・・。

「いや、いくつエピソードがあってどんな話を持ってるのか俺知っとかなきゃ話を振れないじゃん?話が四つしかないのに五回振っちゃったら変なことになるだろう?」と博士。

「ああー!!はいはい!!そういう事ですね!ハイハイ!!」
そういう意図ですか!それならどんなエピソードあるか話さなくちゃいけませんね!みたいなテンションで頷く三又さん。
「・・・」しかし、しばらく黙り込む三又さん。

「いくつあるの?」
「二つか三つ・・・くらいー・・」
「はは、まあいいや。」と博士。

そのタイミングで本番の時間に・・

たけしさんのタイトルコールで番組が軽快に始まりました。
怒涛のごとくタレントたちのトーク合戦が繰り広げられる中、黙って自分の責め時を鋭い目つきで待つ三又さん、ドシッと落ち着いている。

5分ほど経過・・

今だに一言も発さずに責め時を待つ三又さん、たけしさんとのクロストークのタイミングです相当難しいのだろう"ジッ"とその瞬間を待つ。

10分程経過・・

しゃべらない・・三又さんが一言も発さない・・番組収録が始まり20分程たった・・まだ三又さんは言葉を発さない、心なしか下唇は震えているような気がする・・そんな時話題はツイッターの成りすましの話に・・博士が三又さんにパスをだす。

「三又又三なんてツイッター内に偽物が6人くらいいるんですよ!!でも本人が普段たいした事つぶやかないから、大差ないんですよ!!」
博士の漫談に笑いが起きる。

そしてついにこのタイミングで三又さんが口を開いた!!

「俺の偽物が5人いたってどうにもならないですもん・・・」

・・・・
しばらくの沈黙の末、たけしさんが
「お前、楽屋で今日こそは俺に任せてくださいって言いに来たけど、面白くないじゃねえか!バカ野郎!!」
たけしさんのツッコミで会場は爆笑に包まれる!ここだ!!と三又さん思ったのか畳みかける!ついにクロストークの開始か!?

「本当ですよー、この前殿との収録で全然だめだったので今日こそはって言いに行ったんですよー・・」

・・・・

この調子で続けると思ったがそこからまたグッと黙り込む三又さん。
まだここでは本気を出さないとでもいうのか?たけしさんの恥ずかしエピソードまで待つという事なのか?
ボクの視線は三又さんにくぎ付けです!三又さんが何か博士に小声で話かけているように見えるが・・。

そしてついに、たけしさんの恥ずかしエピソードの下りになった!この時収録開始50分経過、三又さんが話し出す。

「あのー僕は、殿のAV調達係なんですよ・・」

先ほど言っていたAVの話を丁寧に話す三又さん、開場が笑いに包まれる。
しかし、エピソードを一つしゃべるとまた黙ってしまった。

 クロストーク・・
そして、収録は終了していった。
楽屋に戻ると、とても肩を落としている三又さん。
 博士が言うには、ツイッターの下りが終わったあたりから、ずっと何か三又さんが博士に話かけてる風に見えたのは、博士に小さい声で
「くそー、なんで偽物の方がフォロワー多いってあの時言えなかったんだー、言ってたら絶対ウケたのにー」とか「やっぱり、最初の方でしゃべっていかなきゃ途中から番組に入っていけないんだよなー松本さんにも言われてるんすよークソー。」

などと、まだ番組は1時間くらいあるのに反省をしだしていた姿だったらしく。

「番組まだ時間が残ってるんだから反省してないで取り返すこと考えればいいじゃん(笑)なんでお前は俺にしか聞こえない声で反省しだすんだよ!」と番組が終わった後博士にツッコまれていました。

という事で、まさかの番組途中反省をしてしまって闘争心がなくなるという事態で番組収録は終了した。
落ち込みまくっている三又さん・・
「今日はこの後用事ないんですか?」と博士を食事を誘います。
「うん、ないなー行こうか?」と食事に行くことに。
楽屋で着替えを済まして博士の楽屋に現れた三又さん。
「つうか、このお弁当メッチャ食べたかったーこれ俺大好きなんですよー。」
と博士の楽屋弁当を指さし、自分から食事を誘っておいて弁当を食べれなかった無念を語りだします。
「あそうなの?俺は食い飽きたけどなー。」
「いやー俺ここの、この弁当一番好きなんすよぉー」
ちなみに、博士の楽屋にあるお弁当は食べなければボクがいつも持ち帰っている。
貧乏若手芸人のボクからしたら楽屋弁当は大事な生命線と言える物なのだ。

「三又なんかおいしいお店知らないの?」
「いやー、知ってますけど今日は土曜日だからこの時間で探してもどこもいっぱいだよなー。」
「んーじゃあ俺んちじゃ嫌だ?」と自宅での食事を博士。
「・・んーいいんですけど、博士の家の子供たちに会うのがつらいんですよねー・・成長しすぎちゃって俺に冷たくなってるんですよー長男何てもう見向きもしてくれないというか・・」と何だか歯切れの悪い感じの三又さん。

「・・お前、ただ高円寺まで行くと家が遠くなって帰るのがメンドクサイだけだろ?近場がいいんだろ?」と博士からしたら本心が見え見えでツッコまれる三又さん。
「・・・はいー・・めんどくさいですねー」と否定もせずに正直に答えてしまう三又さん・・

そうなのだ!これなのだ・・今日三又さんを見ていてつくづく思ったのは、三又さんという方はとっても本心が見えやすい迂闊な方という事とやはり数々のバラエティー番組などで語られてきた通りの文句なしの失礼な方という事だ。

これが傍から見ていてものっすごく面白い!普通先輩に面倒くさい何て面と向かって言えないものだ。

本心がバレてしまい、博士の自宅に向かう事に話は進む・・すると三又さん

「あーじゃあ、これお弁当やっぱり持って帰ろう!博士これ貰っていいですかー?おー四種類全部あるじゃないですかー!」
と鼻歌交じりで弁当をカバンに詰め始める三又さん・・

その姿を見て、三又さん・・それ4つ全部持って帰るつもりか・・と心の中で思わず言ってしまうボク。
もう一度言いますが、博士の楽屋にあるお弁当は食べなければボクがいつも持ち帰っている。貧乏な若手芸人のボクからしたらとても大事な生命線と言える物なのだ。

「あー、でも四つは食いきれないかー、でも居候が食うかー!」などと言いながらいくつ持って行くかカバンに弁当を出し入れ出し入れして迷っている三又さん。

「一つ恵んでくださいよ!なんで無理して全部持って行くんだ!」と、のど元まで出かかるが結局4つともカバンに詰めてしまった・・とても悲しかった。

そして「あー、そう言えば『山下の本気うどん』って行ったことありますかー?吉本の『オモロー山下』のお店―!あそこなら顔効くし、席用意してもらえると思うなー。山下喜ぶだろうし!」と突然言い出す三又さん。

「ん?行ったことない、行ってみようか。」
「よし、じゃー行きましょう!山下、博士来たら喜ぶだろうなー。」
そんなこんなで結局行先は、『山下の本気うどん』に。

しかし・・ここに来てうどん屋とは何か匂うなー・・。
と思っていると、何の事はないお店についてみると『山下の本気うどん』は三又さんの家のとても近所だった。
しかも、道中「今日は行っても山下はいないんですけどねー。」と驚きの発言!さっき言っていた「博士来たら山下喜ぶわー!」っていうのはいったい何だったのか。

『山下の本気うどん』の食事にボクも同席させて頂いた。
この時ボク自身は、三又さんと初めてゆっくり面と向かって会話をさせていただいた。

三又さんは、しっかりボクの名前を憶えて下さり「ガン太は?」「ガン太も、」などとこっちも気遣って会話をしてくれ、すごく嬉しかった。

三又さんの本日の反省も交えながらボクに対するアドバイスなどもして下さり、色々なエピソードも聞けて非常に勉強になり楽しかった。
しかし、途中今日の反省から突然とてつもない落ち込みモードに陥る三又さん・・さっきまで笑っていたはずなのだが、本当に突然にだ・・。
「俺は、くずだ・・」「ゴミのような結果だった・・・」
と聞いているこっちも参ってしまうほどの落ち込みかたです。

すると、「博士ー・・ここは俺に払わせてください・・俺は自分への戒めの為にここのお代を払うことによって自分に傷をつけたいんですよ!」と言い出した。
「いいよ、いいって、俺が払うから!」
「お願いしますよー、自分に傷をつけたいんです!傷をつけさせてください!」
「いいよ、俺が払うっちゅうの。」
「僕に傷をー!!痛みをー!!」
何だかすごい会話だ・・結局博士が会計の4000円を支払い店を出る。
車で三又さんを家までお送りし三又さんが車を降りる。

「三又さんお弁当忘れてますよ!」お弁当が"ドデーン"と車内に置き去りだったので声をかけます。
「・・・ガン太、お前金無いだろ・・持って帰っていいぞ・・俺はもう、今日の収録の反省で喉も通らない。」
「・・・ありがとうございます・・。」

鼻歌交じりで弁当をカバンに詰めていた姿がちらつく・・。

三又さんにサヨナラをし博士と二人の車中しばらくの沈黙の末。
「あれ、腹いっぱいになって弁当がどうでも良くなったんだろうな・・。」
「はい、ボクもそう思います・・。」

一気に『三又又三』の虜になった日だった。

■2014年2月24日

YESTV収録後、帰りの車内。

博士「・・・"じゃあ"、走ろうか?」

最初のしゃべり出しなのに"じゃあ"と付いていたので一瞬何の事だか分からなかったけれども、すぐにジョギングの事だと理解した。

博士は昨日、東京マラソンに触発されて久々に少しだけジョギングをしてみたらしい。
そんな話を行きの車内で話していたから今日も走ろうという事になったのでしょう。

「ジョギングですか?」
「そう、走る?」
「はい!走りましょう!!」思わず即答したボク。
余りの即答に少し驚いたように「おお、いいねー!」と博士。

家に付き早速準備をする。

博士はジャージにキャップをかぶってヘッドホンをし、完全に自分の世界に入り込む。

外に出るとキーンと寒い・・でも今から走ると思うと心地よくも感じる。

博士が走り始める、ペースはスローペース。
ボクは博士の少し後ろを走ることにした。
時刻は23時位、人通りは少なくて静かだ。

外灯のぼんやりした灯り、走る博士の背中を見ながらここ数日の事を思い返す・・・


『メルマ旬報フェス』が終わった頃からここ3週間ほど博士の元気が無かった、口数はめっきり減り、質問をしても一言二言ポツリと話すだけ、時折何かじーっと考え込んだりしている。

最初はメルマフェスが終了したばかりだったので、燃え尽き症候群か?などと思っていたのだけども、どうも違う。

何か怒らせてしまったか・・知らない間にボクは何かやらかしてしまったか?とビクビクしていたが、どうもこれも違う。
「元気ないっすね!?何かあったんですか?」と聞ければ楽なのだけど、友達でもあるまいし中々そんな気軽な事は出来ない。

原因不明の元気の無さのシーンとした車中が一週間ほど続いた頃
ツイッターをイジッていると「文章を書くのに苦しんでいてスランプ状態だ」という内容の博士の呟きを見る。

なるほどそうだったのか・・スランプで思うように文章が書けないで苦しんでいたのですな博士。

プロでもいくらベテランでも能力が有っても、ふと上手く出来なくなる事がやっぱりあるんだなと思い、ここ数日の博士の考え込んでいる様な表情に納得がいった。

傍から見たら難無くやってのけているように見えてもそんな事は無い、毎回苦しんで作り出しているのだ。
ベテランでもアマチュアでも、本気で作り出そうとしている人にとって、物を生み出す辛さは平等なのだと学んだ。
 
そんな事を思い出していると、予定のジョギングコースの中間くらいに来ていた。
博士は依然一度も振り返らずに黙々と走っている。
・・まるで、悶々としている気持ちを振り払うように・・。

 そんな背中を見ていると居ても立っても居られない気持ちになる。
"ダッ"っと走り寄って行って肩を組み
「そんな時もあるよ!!元気出せよ!!大丈夫大丈夫!!ガハハハハ!!」
とやりたい衝動に駆られるが、友達でもあるまいしそんな事出来るはずがない。

「走る?」の問いに即答だったのは
3週間元気の無かった博士からの久しぶりのポジティブな誘いだったので思わずだったのです。

マラソンも佳境に、家まで近づいてきた。
残り300メートル位になった時、突然博士がピッチを上げ始めた。
今までスローな一定のペースを保っていたのに。

・・そうまるで、悶々とした気持ちを・・
"ダッダッ"!"ダッダッ"!"ダッダッ"!!
そうまるで、悶々とした気持ちを・・振り
"ダッダッ"!!"ダッダッ"!!"ダッダッ"!!!
はぁ、はぁ、 まるで、悶々とした気持ちを・・振り
"ダッダッ"!!!"ダッダッ"!!!"ダッダッ"!!!!
はぁ!はぁ!はぁ!まるで、悶々とした・・はあ、はあ・・気持ちを振り払うかの・・言ってる場合じゃない!!!

はっ早い!?もうこれはピッチを上げたどころの話じゃない、ほとんどダッシュだ!
どんどん早くなっていく!!家が近づき路地を曲がる数も増えていく!!全速力のままガンガン曲がっていく!?
人も自転車も車も通ってる道なのに危ないじゃないか!!

振り返らないし、ヘッドフォンで何か聞いているし、ボクが後ろで転んだり車に跳ねられたりしても、気が付かないでこのまま行っちゃっうんだろうな、家に着いて気が付くんだろうな、と妄想すると怖くなり最新の注意を払い必死でついていく!!

ラストのダッシュであっと言う間に家に到着した。

「はぁ、はぁ、このくらいのペースなら余裕だろ?」
「フー、フー、フー・・・はい!、、余裕です、、たまには走るのも気持ちいい、、ですね!」

そのままシャワーをお借りして、博士の家を後にした。

自分の家に帰りツイートを見ていると

『一ヶ月以上、目の前に乗り越えられない山に逡巡し悶々としていたが、もう大丈夫。霧は晴れた。俺は何度も山頂まで登る。窮地に手を差し伸べる親身な仲間や身内だってこんなにいるんだ。どんな時でも「でもやるんだよ!」今まで一度だった諦めたことはないんだから。』

との博士の呟きが!余りのタイミングに「おお。」と思わず声を出してしまった。

流石です、プロとそうでない人の違いは乗り越えられるか越えられないかだと思った。

*****

藝人春秋2ロスの方、読んでくれてありがとうございました!
もしこれ読んでいる方で藝人春秋2読んでいない方いらっしゃいましたら、藝人春秋2
メチャクチャ面白いので是非!!

■水道橋博士のメルマ旬報
http://bookstand.webdoku.jp/melma_box


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