長澤まさみ主演×古沢良太脚本の月9『コンフィデンスマンJP』を予習

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2018年04月09日 12:31  CINRA.NET

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『コンフィデンスマンJP』 ©フジテレビ
長澤まさみ主演のフジテレビ「月9」ドラマ『コンフィデンスマンJP』が、4月9日から放送される。

『リーガルハイ』『デート〜恋とはどんなものかしら〜』『鈴木先生』といったドラマや、映画『探偵はBARにいる』シリーズ、『ミックス。』『エイプリルフールズ』などを手掛けた古沢良太の脚本作、そして長澤まさみの約11年ぶりの月9主演作とあって放送前から注目の集まる本作。その見どころを探ってみたい。

■長澤まさみが詐欺師に 騙し騙されの「コンゲーム」
『コンフィデンスマンJP』は、古沢良太にとって『デート〜恋とはどんなものかしら〜』以来、約3年ぶりに手掛ける連続ドラマ。題材に選んだのは「コンゲーム」。映画『オーシャンズ』シリーズのように、騙し騙されのストーリーがめまぐるしく展開する作品ジャンルだ。「欲望」や「金」をテーマに据え、一見、平凡で善良そうなダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)の3人の信用詐欺師が、欲にまみれた人間から毎回奇想天外な計画で大金を騙し取る1話完結のエンターテインメントコメディーとなる。

長澤演じるダー子はどんな難解な専門知識も短期間でマスターしてしまう信用詐欺師。高級ホテルのスイートルームに居を構える破天荒で天然な女性で、そんなダー子に振り回される小心者なボクちゃんは、早く詐欺師稼業から足を洗いたいと思っている。リチャードは超一流の変装技術の持ち主。この凸凹な3人が毎回ターゲットから大胆かつ巧妙な手口で金を奪っていく、というのが話の大筋だ。

舞台となるのは、金融、不動産、美術、芸能、美容などの煌びやかな業界ばかり。すでに発表されている1話から6話のターゲットは、1話「ゴッドファーザー編」で悪徳公益財団「あかぼし」の会長・赤星栄介役を演じる江口洋介をはじめ、リゾート会社社長役の吉瀬美智子(2話)、有名美術評論家役の石黒賢(3話)、食品加工会社社長役の佐野史郎(4話)、病院理事長役のかたせ梨乃(5話)、悪徳コンサルタント役の内村光良(6話)、とそうそうたる顔ぶれになっている。

■CAから秘書、大物女優まで―長澤まさみが七変化
様々な職業人に扮してターゲットの懐に入り込むことを得意とするダー子が、キャビンアテンダント、秘書、大物女優などに変幻自在のコスプレでなりすます姿も見どころの1つ。松尾スズキ演出のミュージカル『キャバレー』でキャバレーの歌姫を演じ、大胆な衣装でも話題を呼んだ長澤だが、本作でも刺激的な姿を次々に見せてくれそうだ。

長澤はキャスト発表時のコメントで以下のように語っている。

「例えば、方言をしゃべる女性であったり、オタクっぽい雰囲気の女性だったり、今までキャラクター的に特徴のある役を演じてみたいと思っていたので、その願いが一気にかなってしまいそうです(笑)。そういう意味でも、このドラマの脚本には夢がいっぱい詰まっていて、私にとってもエンターテインメント作品だなと思います」。

■キャスト絶賛の古沢脚本。日中韓でのドラマ化が決定
『ALWAYS三丁目の夕日』といった人情ものから『寄生獣』『鈴木先生』などの漫画原作、『探偵はBARにいる』のような人気シリーズ、『ミックス。』『エイプリルフールズ』『リーガルハイ』といったオリジナル脚本作まで、幅広い作品を手掛けてきた古沢良太。『コンフィデンスマンJP』のダイジェスト映像を見ると、本作でも『リーガルハイ』のような独創的でクセの強いキャラクターたちによる、テンポの良いコミカルな会話の応酬が期待できそうだ。

長澤まさみは古沢作品初出演。脚本を読んだ印象についてオフィシャルサイトで「テンポがあり、生きたセリフに、登場人物の動きがコミカルで・・・と、すぐにのめり込みました」と語っているほか、東出も「とにかく面白かったです。この台本でお芝居ができるのが、本当にうれしかったのと、俳優になってよかったなと思えるような台本に出会えたことに感謝しています」と脚本に惚れ込んでいる様子。

また本作は古沢の脚本をもとに、日本・中国・韓国の3か国でドラマ化されることが決まっており、それぞれ『コンフィデンスマンJP』『コンフィデンスマンCN』(中国)、『コンフィデンスマンKR』(韓国)として各国で放送される予定。テンポの良いコメディーは韓国ドラマでもお得意の分野だが、果たしてそれぞれの国で古沢の脚本がどのように料理されるのか。こちらも期待がかかる。

■Official髭男dismがインディーズアーティスト初の月9主題歌、劇伴は『カルテット』のfox capture plan
本作を彩る主題歌を手掛けるのは4人組バンドOfficial髭男dism。インディーズのアーティストが「月9」の主題歌を担当するのは今回が初めて。彼らは新曲“ノーダウト”をドラマのために書き下ろした。

Official髭男dismのYouTubeアカウントでは、主題歌“ノーダウト”の制作過程を追ったドキュメント映像が公開されており、ドラマの制作サイドからオファーを受けてデモ音源を提出するも何度も不採用となり苦悩するメンバーの様子や、レコーディング風景などが捉えられている。

劇中音楽を担当するのはピアノトリオのfox capture plan。ドラマ『カルテット』や『この声をきみに』の劇伴でも知られる彼らが手掛ける音楽にも注目だ。

■前クールもオリジナル脚本作が高視聴率
1月から3月までの前クールでは、『99.9-刑事専門弁護士- SEASON II』『BG〜身辺警護人〜』『アンナチュラル』などの作品が高い視聴率を記録した。この3作品はいずれもオリジナル脚本作であり、主人公たちの職業が物語の軸になっている点も共通している。

かつてはラブストーリーで多くのヒット作を飛ばしてきた「月9」枠だが、近年は医療ものや推理ものなど様々なジャンルの作品が制作されており局の試行錯誤が垣間見える。主要キャストが全員詐欺師、月9史上初のジャンルとなる「コンゲーム」に挑む本作。無軌道で破天荒なヒロインが30年の歴史を持つこの放送枠に新風を巻き起こしてくれそうだ。
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