5月8日にフランスのカンヌで開幕した『第71回カンヌ国際映画祭』で、女優や映画関係者ら80人を超える女性たちが、業界の性差別に抗議する運動を行なうと複数の海外メディアが報じている。
『Vanity Fair』の報道によれば、この抗議活動は現地時間の5月12日夜に行なわれるレッドカーペットで実施。映画業界で女性が成功することがいかに困難であるかを示すため、彼女たちは無言でレッドカーペットの敷かれた階段を上り、映画祭メイン会場のパレ・デ・フェスティバルに面して静止して立つという。
参加者は、今年のコンペティション部門の審査員を務めているクリステン・スチュワートやエヴァ・デュヴァネイをはじめ、ジェーン・フォンダ、マリオン・コティヤール、パティ・ジェンキンスといった女優や映画監督、さらにはエージェントの関係者ら82人。コンペ部門審査員長のケイト・ブランシェットとアニエス・ヴァルダがステートメントを読み上げる予定だ。
■コンペ部門21作品のうち、女性監督の作品は3作品
今年の『カンヌ国際映画祭』でコンペティション部門にラインナップされた18作品のうち、女性監督による作品はエヴァ・ハソン監督『Girls of the Sun』、ナディーン・ラバキー監督『Capernaum』、アリーチェ・ロルヴァケル監督『Lazarro Felice』の3作品のみ。ケイト・ブランシェットも開幕時の会見で「もっと女性監督の作品がノミネートしてほしかった」と失望感を表していた。
「Women and Hollywood」の調査では、コンペティション部門の女性監督の割合は昨年の16%から14%に下がっている。「ある視点」部門では昨年28%から44%と大きな飛躍を見せたが、監督週間の長編部門では21作品中、女性監督の作品は5作品のみとなるなど、「1歩進んで2歩下がる」ような状況だと分析されている。
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