【結婚・離婚の幸福論】元TOKIO山口達也も追いつめられた!? 「理想的すぎる離婚」に潜むワナ

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2018年05月16日 18:00  citrus

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衝撃的なニュースから時が過ぎた今でも、騒動の余波が残っている元TOKIOの山口達也さんの一件。今回の事件の前の会見は2016年。「自分の口から語りたい」と離婚会見を開いて語ったことも、まだ記憶に新しいのではないでしょうか。その席では、自分のやりたいことを優先し、妻に家事や育児をおしつける形となり、負担を大きくさせてしまったことなどを謝罪。離婚にいたった理由はすべて自分にあることを強調した会見が話題になりました。

 

夫婦で話し合った末の円満離婚とのことだったので、新しいスタートの決断を応援する気持ちだった人も多かったのではないでしょうか。私も夫婦問題のプロとして男気のある会見に感心するとともに、夫婦と子どもたちがお互いに幸せになるための選択に心のなかでエールを送ってもいました。

 

今回の事件があって考えさせられるのは、「離婚を決断するまでのプロセスの重要性」について。離婚をして次の幸せに向かって前だけを見て進める人もいれば、離婚をしたことが負担になり、歩んではいけない道に足を踏み入れてしまう人もいます。どちらに転がるかを左右するのは、じつは「離婚を決断するまでのプロセス」にあることを実感しています。

 

一般的に言っても、人生のターニングポイントとなる離婚が、その後の人生にマイナスの影響を及ぼす人は少なくありません。とくに離婚の際、元妻や子どもたちに対し、必要以上に「いい顔」をしてしまう男性は、それが原因で自分が苦しくなり、追い詰められてしまうケースもあります。「自分が原因で別れるのだから、離れて暮らすことになる家族には、できる限りのことをしたい」と思い、金銭面でも精神面でも背伸びをしてバックアップしようとした結果、自分自身のキャパシティを超えてしまうことにもなりかねません。そうまでして頑張っているにもかかわらず、自分を支えてくれるはずの妻や子どもは不在となると、「守るものもないのに、自分は何をしているのだろう?」と虚しい気持ちになったり、自暴自棄になったりもします。

 

「別れても元妻とはいい関係でいたい」「世間から『円満離婚』だと思われたい」「いつまでもカッコいい父親でありたい」という思いが強すぎると、一見、「理想的な離婚」だと思われがちですが、本人はとても苦しい思いをするのも事実。自分で決めたことではあるものの、離婚後に無理を重ねて“ひずみ”が生じると、やがてそれが心や身体を壊してしまう危険性もあるのです。

 

そんなふうに「理想的な離婚」に惑わされないために必要なのは、「最終的に離婚という選択をするまでは、悩んで苦しんで、みっともないくらいあがきまくる」というプロセスなのです。「離婚に使うエネルギーがもったいない」「ジタバタするのはカッコ悪い」などとサラリと離婚を決めてしまうのではなく、「離婚の前にもっとできることはないか?」「もっとベストな選択肢はないか?」と泥臭くもがき、あがく時期を経ることが大事。離婚を考える原因が、相手のDVや度重なる浮気といったことでない限り、やれるだけのことをやって夫婦関係の修復につとめるようにします。そうやって苦しみながら努力したことが発奮材料になり、「できるだけのことはやった。その結果、ベストな選択をした私をほめてあげよう。そして、今度こそ幸せになろう」と思えるようになるからです。

 

結果は離婚でも修復でも構いません。大切なのは、決断するまでにどれだけ悩み、考え、努力をしたか、ということ。そのプロセスをないがしろにして、理想的な離婚としてキレイにまとめようとすることを優先させると、思わぬところに罠が仕掛けられていることもあるのです。

 

離婚経験者は、「夫婦問題の苦しみや難しさが身を持ってわかる」という奥行きのある人生を送る特権を手に入れたことになります。だとすれば、人の苦しみがわかることを活かさない手はないはず。離婚の際に支えてくれた友達や仲間に感謝しながら、これからの人生を自分自身の手でデザインしていくことが求められるのです。

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