「元トップアスリート」と「タレント」という松岡修造の類い稀なる二刀流

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2018年05月18日 01:00  citrus

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出典:「松岡修造オフィシャルサイト」より

松岡修造(50)は「台本に従わないタイプ」であるらしい。みずからもそう公言しているという。

 

とある会見イベントでも、司会役の女性に「台本無視してごめんね」と一言詫びを入れながらステージ上から降り、記者席に座ってしゃべり出す……など、主催者に「僕、大丈夫ですか?」と一応のおうかがいを立てつつ、大暴れしたと聞く。

 

こういう型破りな自分のことを、松岡修造は「うざい」「熱い」「本気」と評しているらしい。宝塚音楽学校の本科生在学中の長女・恵さんからも「うざい」と、よく詰られているという。

 

そんな松岡修造が、先日『報道ステーション』(テレビ朝日系)で女子バドミントンの五輪メダリスト奥原希望さん(23)にインタビューしているところを、偶然テレビで観かけた。

 

何度も再発する膝の故障と戦い続けてきた奥原さんの苦悩に、松岡も「現役時代は膝の故障と常に向き合っていた」と吐露し、その痛みを「まるで膝に脳があるような感覚」(←はうろおぼえ。もしかすると間違ってるかもしれません)みたいな独特の言い回しをもって表現、それに奥原さんは「わかる〜!」(←もうろおぼえ。間違ってるかもしれません)みたいに猛烈な同意を示したのが印象的だった。

 

その直後、スイッチが入ったのか、奥原さんは

 

「(膝の故障のおかげで)試合中に駆け引きができるようになった。これが本来のバドミントンだ。バドミントンの楽しさを感じながら、バドミントンができるようになった」

 

……と発言。松岡も「膝の故障を意識することによって、より相手の動きを客観的に予測できるようになった」(←またうろおぼえ。大雑把な意味は合っているはず)みたいな自身の体験談を交えたフォローを入れ、会話のキャッチボールは滑らかにすすんでいく……。

 

全体を通じてなかなかに内容の濃い、素晴らしいインタビューであったが、その奥原さんによる“名言”の大半は、松岡が引き出したと言っても過言ではない。なぜ奥原さんは、いや、多くのトップアスリートたちは、松岡修造の前ではここまで実直に本音を漏らすのか?

 

私は、「松岡修造が、錦織圭が出てくるまでは日本一の男子テニスプレイヤーだった、本人が紛れもない世界レベルのトッププレイヤーだった」ことが、やはり大きいのではないか……と考える。どんなに聞き上手な、勉強熱心なインタビュアーでも、トップアスリートならではのデリケートかつ特異なメンタリズムは頭でしか理解できない、同じトップアスリートじゃないと全身で体感することはできないからだ。

 

ただ、かつてはトップアスリートとしてならした人材が、こうも優れたタレント性をも持ち合わせているケースは稀……どころか、少なくとも私は過去に例を知らない。元トップアスリートがメディアで本格的な活動をする場合、たいがいにおいて“タレント性の欠如”は、大なり小なり目をつぶってもらえるのが“通常”である。

 

つまり、松岡修造とは、じつのところ「大谷翔平に負けるとも劣らない、選ばれたフィジカルと自己表現能力を兼ね備えた唯一無二の二刀流」の具現者なのだ……と、今日の私は過大に主張したい。以上!

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