乃木坂46はかつてない“循環”の季節へ? 斎藤ちはると相楽伊織の卒業発表に寄せて

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2018年05月25日 21:11  リアルサウンド

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 乃木坂46の斎藤ちはると相楽伊織が、5月20日に静岡・富士市文化会館ロゼシアターで行われた『アンダーライブ全国ツアー2018〜中部シリーズ〜』の千秋楽にて、グループからの卒業を発表した。


 1期生としてグループを初期から支えた斎藤と、2期生オーディションに合格したものの、学業の都合で2014年6月からグループに加わり、翌年には選抜入りも果たした相楽。この2名の卒業について、『「アイドル」の読み方: 混乱する「語り」を問う』の著者であり、乃木坂46に詳しいライターの香月孝史氏はこう語る。


(参考:AKB、乃木坂、モー娘。中心メンバーの相次ぐ卒業は何を意味する? 成熟したシーンが迎える転換期


「2人は選抜での活躍もありましたが、グループ在籍期間は主にアンダーライブなどで乃木坂46を支えてきたという印象です。斎藤さんは一部メディアで民放キー局のアナウンサー職に内々定したという報道もありますが、昨年は『日立 世界ふしぎ発見!』(TBS系)でミステリーハンターとして登場するなど、レポーター仕事も丁寧に務めていました。乃木坂46には日本テレビのアナウンサーになった市來玲奈さんという前例もいますし、良い形・タイミングでキャリアを築けたのではないかと思います」


 また、2人がライブメンバーとして出演することも多かったアンダーライブについて、同氏はこのように続ける。


「二人はアンダーライブのセットリスト中、少人数ユニットでのパフォーマンスにおいて存在感を示したり、あるいは“全員センター”などの企画で中心に立つ楽曲では、正規のセンターメンバーとは違った世界観に楽曲を塗り替えたりと、アンダーライブを積み重ねてきたからこそのパフォーマンスを発揮してきました。活動初期の乃木坂46はライブの絶対数が少なかったこともあり、『ライブが弱点だ』と言われることも少なくありませんでした。その段階を乗り越え、大きな会場でライブを行なえる強いグループに成長していった乃木坂46の足跡は、アンダーライブを支えてきたメンバーの活躍抜きには語れません」


 また、ここ半年ほどでグループ内で卒業者が連続していることについても、次のようなコメントを寄せた。


「アイドルグループは、原則として人員が固定されるグループと多人数で循環していくグループのどちらかに分けることができますが、AKB48グループや乃木坂46は後者で、メンバーの卒業はある種必然的なイベントです。ただ、伊藤万理華さん、中元日芽香さん、川村真洋さん、生駒里奈さん、そして今回の2人と、この半年ほどで6人が卒業となります。グループ全体としても、これまでにない大きな循環の時期に入ってきているといえるのではないでしょうか」


 最後に、香月氏は上記の“循環”について、あくまでネガティブなものでなく、ポジティブな方向へと向かっているものであると語る。


「乃木坂46は、これまでの活動でグループの顔になるメンバーを何人も作ることに成功しているため、中心メンバーの欠員がすぐさま危機につながらないということが大きな強みです。加えて、センターに立つメンバー以外でもファッション誌や舞台演劇、映画、バラエティなど、個々人の将来を見据えて力をつけつつ知名度を高める場所をいくつも用意できている。これは循環型の大人数アイドルグループとして一つの理想形です。循環という観点でいえば、この一年ほどを通じて3期生のような新たな存在がそれら各分野で頭角を表してきていることも大きいでしょう。この卒業ラッシュを経た先に、卒業していったメンバーたちのさらなる活躍や、グループの発展が待っていることにも期待したいですね」


 なお、斎藤と相楽は、4月発表の20thシングル『シンクロニシティ』の活動をもってグループを卒業。7月16日に幕張メッセで開催される「乃木坂46 20thシングル 『シンクロニシティ』 発売記念個別握手会」が最後の活動となる予定だ。(中村拓海)


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