野村修也弁護士に業務停止1月、違法なアンケートの実施責任認定…野村氏「懲戒に相当しない」

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2018年07月17日 13:52  弁護士ドットコム

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大阪市の第三者調査チームが実施したアンケートで、団結権やプライバシーの侵害などがあったとして、第二東京弁護士会は7月17日、当時のチーム責任者だった野村修也弁護士を業務停止1月の懲戒処分とした。


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野村弁護士は、調査の中で一定の反省をした上で「懲戒に相当するようなことではない」との見解を示しているという。


●労働組合加入や政治活動の参加を問うアンケート

第二東京弁護士会(以下、二弁)によると、野村弁護士は2012年1月に大阪市特別顧問となり、同年2月に第三者調査チームの責任者として、同市職員全員を対象とするアンケート調査を実施。その中に、同市の労働組合への加入や活動参加経験の有無、政治家を応援する活動への参加経験などを問う項目が入っていた。


2012年に、4回にわたり計656人から、野村弁護士に対する懲戒請求があり、同弁護士の綱紀委員会や懲戒委員会が調査を実施。アンケート調査について、二弁は、職員の団結権、プライバシー権、政治活動の自由の侵害等、憲法や労働組合法に違反する内容が含まれていたと認定した。


また、二弁は、野村弁護士が「回答しない場合、懲戒処分の対象となりうる」旨の、橋下徹大阪市長(当時)の職務命令を発令させたことも問題視。アンケートの実施について、意図までは認定できないものの、「基本的人権を侵害し、弁護士の品位を失うべき非行に該当する」と判断し、懲戒処分とした。


●野村弁護士「実行動機に一点の曇りもなかった」

二弁によると、野村弁護士は「実行動機に一点の曇りもなかった」とアンケート実施時における基本的人権の侵害意図は否定。一方で、懲戒委員会などによる調査の中で、配慮が不足していたことなどを認め、一定の反省を示したという。


ただ、「(当時、市職員の問題が発生しており)調査は必要、かつ有益であった。(問題のある調査の実施を)放置、黙認したわけではない。懲戒処分は少し厳しすぎるのではないか」として、懲戒に相当しないとの主張をしているという。


●テレビのコメンテーターとして活躍

野村弁護士は、1985年に中央大学法学部を卒業し、1998年から中央大学法学部教授。2004年に弁護士登録。テレビのコメンテーターなどとして活躍している。


野村弁護士に、所属事務所を通じて、コメントを求めたが、17日午後1時までに回答は寄せられていない。


今回のアンケートをめぐっては2016年、憲法上の権利侵害があった旨の大阪高裁判決が確定している。


(弁護士ドットコムニュース)


このニュースに関するつぶやき

  • こういうのが弁護士の懲戒対象になるのは当然。弁護士のした仕事が自分の主義主張と違うからって懲戒請求するのは対象にならんよ。
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