ピーター・ブルック監督の「幻の作品」が日本公開 『テル・ミー・ライズ』

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2018年07月25日 15:21  CINRA.NET

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『テル・ミー・ライズ』 ©Brook Productions 2012
映画『Tell Me Lies』が『テル・ミー・ライズ』の邦題で8月25日から東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで公開される。

「スウィンギングロンドン」の最中にあった1968年のイギリスを舞台にした同作。傷ついたベトナム人の子供の写真に戦慄した3人のイギリス人の若者が、ベトナム戦争における暴力のスパイラルを理解し、自分たちの無力感を乗り越えようとする、というあらすじで、当時のベトナム戦争を批判する内容となっている。

監督は21歳で最年少招待演出家としてロイヤル・シェイクスピア・カンパニーに招かれ、『タイタス・アンドロニカス』『魔笛』『ザ・スーツ』などを手掛け、今年93歳になる演出家ピーター・ブルック。『テル・ミー・ライズ』は1968年『第21回カンヌ国際映画祭』に選出されたが、突然の取り下げによって上映中止。同年の『第29回ヴェネチア国際映画祭』では審査員特別賞次点とルイス・ブニュエル審査員賞を受賞するも一部の劇場でしか公開されず、また様々な妨害を受けたため短期間しか上映されなかったという。その後、本編の紛失によって長年「幻の作品」と称されていたが、2011年に発見。監督自身と近親者の手によって、映画遺産保存を専門とするグルパマ・ガン財団とテクニカラー財団と共に修復を行ない、2012年に上映された。

発表とあわせてビジュアルと予告編が公開。ビジュアルにはデモ隊や演説する黒いサングラスの男の写真、「世界は今も嘘で回る」というキャッチコピーなどが写し出されている。予告編では、デモ隊が声をあげて行進する様子や、大勢の人々が「やっつけろ! やっつけろ! やっつけろ…」と叫ぶ場面、「君のような若者がベトナムの現状を理解するのは無理だ」と語る男の姿などが映し出されている。ナレーターはピーター・バラカンが務めた。
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