『第31回東京国際映画祭』東京グランプリはフランス映画『アマンダ』

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2018年11月02日 19:11  CINRA.NET

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『アマンダ(原題)』
『第31回東京国際映画祭』の受賞結果が発表された。

10月25日に開幕し、明日11月3日に終了する『第31回東京国際映画祭』。本日11月2日に開催されたアワードセレモニーではコンペティション部門をはじめとする各賞の発表が行なわれた。

最高賞にあたる「東京グランプリ」に輝いたのは、ミカエル・アース監督のフランス映画『アマンダ(原題)』。パリに出てきた直後に姉の死に見舞われた青年と、親を失った姪のアマンダが悲劇を乗り越えようとする様を描いた再生の物語だ。同作は最優秀脚本賞を含む2冠。日本公開は2019年初夏を予定している。

審査員賞のブリランテ・メンドーサは『アマンダ(原題)』について「本作は、一見シンプルに見えるものの決して単純な作品ではなく、私たちの心をとても強く惹きつけ、複雑な人間の感情を映画として体験させてくれる素晴らしい作品だ」と評価。

ミカエル・アース監督は「受賞に慣れていないのに二つも受賞し、しかもひとつはグランプリと、大変幸せで誇りに思います」「地球の反対側くらい離れていても映画が人々を感動させる、これ以上大きなご褒美はありません。みなさんの情熱と寛大さに感謝します」と喜びのコメントを寄せた。

審査委員特別賞の受賞作は、19世紀半ばのデンマークにある農家を舞台に、耐え難い選択を迫られた農民の姿を描いたマイケル・ノーア監督作『氷の季節』。最優秀監督賞は『堕ちた希望』を手掛けたイタリアのエドアルド・デ・アンジェリス監督、最優秀女優賞は『堕ちた希望』のピーナ・トゥルコ、最優秀男優賞は『氷の季節』のイェスパー・クリステンセンが受賞している。さらに最優秀芸術貢献賞にレイフ・ファインズ監督作『ホワイト・クロウ(原題)』、観客賞に稲垣吾郎主演の『半世界』が輝いた。

『半世界』の阪本順治監督は授賞式で、「観客賞は『半世界』と発表され不意打ちでした」と驚いたような表情を浮かべ、「父の遺言でスピーチは短めにといわれております」と周囲を笑わせながら「たくさんの方が投票してくださったおかげです。みんなでお祝いします。ありがとうございます」とコメント。

主演の稲垣吾郎は受賞を受けて「この映画をご覧になった皆さんが気に入ってくださり大変うれしく思います。公開に向けて大きな励みになります。ありがとうございました」と喜びをコメントを寄せている。

日本映画スプラッシュ部門の作品賞は野尻克己監督の『鈴木家の嘘』、監督賞は『銃』の武正晴、『メランコリック』の田中征爾が受賞。「宝石の原石」のような若手俳優を顕彰する「東京ジェムストーン賞」には『鈴木家の嘘』の木竜麻生、『ソン・ランの響き』のリエン・ビン・ファット、『蛍はいなくなった』のカレル・トレンブレイ、『銃』の村上虹郎が選出された。

長編デビュー作『鈴木家の嘘』で日本映画スプラッシュ部門作品賞に輝いた野尻克己監督は、「生まれてこの方、一度も賞をとったことがなく読書感想文でさえもらったことがないので驚いてます」「先輩監督が、『監督は、なるものではなく、まわりの人にならせてもらうものだ』と仰っていたが、その通りだと思っています。僕に監督にしてくださったキャスト、スタッフの皆さんの賞だと思っています」とコメント。

同作でヒロインを演じ、「東京ジェムストーン賞」に選ばれた木竜麻生は「作品に関わった皆さんといただけた賞だと思っています。これからも精進してまいります」と述べている。

また「アジアの未来」部門の作品賞は中国・新疆ウイグル自治区の作品『はじめての別れ』、国際交流基金アジアセンター特別賞は『武術の孤児』で監督デビューを果たしたホアン・ホアンが受賞した。

■ミカエル・アース監督のコメント
受賞に慣れていないのに二つも受賞し、しかもひとつはグランプリと、大変幸せで誇りに思います。一緒に映画祭に参加したプロデューサーのピエール・ギュイヤールとこの賞を受賞した喜びを分かち合います。そしてヴァンサン・ラコスト、イゾール・ミュルトゥリエ、ステイシー・マーティン、オフェリア・コルブ、マリアンヌ・バスレーらの俳優たちとも。観客のみなさんとは、作品上映後に素晴らしい議論が交わせました。
地球の反対側くらい離れていても映画が人々を感動させる、これ以上大きなご褒美はありません。みなさんの情熱と寛大さに感謝します。
改めてメンドーサ監督、そして素晴らしい審査員のみなさんのご厚意に感謝します。同席できないことが残念ですが、また日本でみなさんと再会して交流し、議論できる日が待ちきれません。

■稲垣吾郎のコメント
この映画をご覧になった皆さんが気に入ってくださり大変うれしく思います。
公開に向けて大きな励みになります。ありがとうございました。

■野尻克己監督のコメント
生まれてこの方、一度も賞をとったことがなく読書感想文でさえもらったことがないので驚いてます。
脚本は4年前に書き始め、こつこつ書いていました。体験を基にしつつ小さい映画にはしたくなかった。
魂をゆさぶる映画を撮りたいと思っていた4年前は、このような形で映画になるとは夢にも思っていませんでした。
先輩監督が、「監督は、なるものではなく、まわりの人にならせてもらうものだ」と仰っていたが、その通りだと思っています。僕に監督にしてくださったキャスト、スタッフの皆さんの賞だと思っています。
審査員の方も僕の作品を認めてくださってありがとうございます。

■木竜麻生のコメント
このような素晴らしい賞をいただき本当にありがとうございます。
東京国際映画祭は今回初めて参加させていただきました。
作品に関わった皆さんといただけた賞だと思っています。
これからも精進してまいります。

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