F1メキシコGP技術解説:レッドブルがわずか数日でフェラーリのフロアをコピー、そのカラクリとは

0

2018年11月05日 11:51  AUTOSPORT web

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AUTOSPORT web

2018年F1第19戦メキシコGPでレッドブルが持ち込んだ改良型フロア
F1の開発はとどまるところをしらず、毎グランプリ、新しいパーツが導入されている。F1iのテクニカルエキスパート、ニコラス・カーペンティアーズがメキシコGPでレッドブルに搭載された改良型フロアを紹介、分析する。
------------------------------

 F1第19戦メキシコGPで関係者が驚いたのが、レッドブルの搭載した改良型フロアだった。明らかにフェラーリのフロアを模倣しただけでなく、同チームが前週アメリカGPで導入したばかりのものを、さっそく持ち込んだからだ。レッドブルは一体どうやって、そんな短期間にコピーできたのだろう。

 そのカラクリは、こういうことだった。オースチンの木曜日に撮影されたフェラーリSF71Hのフロアの写真は、すぐに英国ミルトンキーンズの空力部門に送られた。彼らの狙いは、フロア両脇のスリット上に取り付けられた小さなデフレクターである。エンジニアたちに風洞を通す時間はなく、CFDだけを使ってデザインを起こした。そして3Dプリンターでパーツが製作され、メキシコに空輸されたのである。


 レース現場ではメカニックたちが、単純にこのパーツをフロアに糊付けした。そしてフェラーリ同様フリー走行の際に効果を確認し、予選・レースで使用されることはなかった。

 フロア両脇の何本ものスリットは、フロア下部への乱流の流入を防ぎ、ディフューザーの発生するダウンフォース量をさらに増大させることが目的と考えられている。これらのデフレクターは、その効果を助けるためのもののようだ。

 ザウバーはすでに夏の第8戦フランスの時点で、リヤタイヤのすぐ前に同じようなデフレクターを取り付けている。フェラーリとレッドブルが3枚あるのに対しザウバーは1枚だけだが、その狙いは同じのはずである。

    ランキングスポーツ

    前日のランキングへ

    ニュース設定