F1ブラジルGPでのフェルスタッペンとオコンの接触は「両者にとって学びのひとつ」とロス・ブラウン

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2018年11月14日 17:31  AUTOSPORT web

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見事な走りで首位に立ったものの、接触で勝利を逃したフェルスタッペン
F1のモータースポーツ担当ディレクターを務めるロス・ブラウンは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンについて、もう5年近くF1の舞台に立ちながら、いまだにドライバーとして自分の感情を抑えることができていないと指摘した。

 ブラウンは、ブラジルGP決勝中のインシデントと、その直後の騒動に関してフェルスタッペンを批判している。

 レース中盤に首位を走っていたフェルスタッペンは、フォース・インディアのエステバン・オコンとの接触で2位に後退。レース終了直後にはFIAの体重計測場でオコンを付き飛ばす小競り合いを起こした。

「オコンとの騒動は嘆かわしいものだった。マックスはパルクフェルメでオコンを小突き、自分の怒りをぶちまけたのだ」と、ブラウンはレース終了後の定例会見で語った。

「胸を張って見せられるような光景ではなかった。気持ちは理解できるものの、当然正当化はできない」

「(フェルスタッペンは)いまだにこうした状況で自分の感情をコントロールできていない。もう一段成長するためには必ず克服すべき課題だ。とはいえ、彼はまだ非常に若いという事実も忘れるべきではない」

「彼の行為は正当化できない。一方であのインシデントの際に、そしてレース終了後に彼が感じたフラストレーションについては理解できる」

「マックスは今回の騒動から学ぶことがあるはずだ。またそれによって科されたペナルティを含む一連の出来事は、ドライバーとしての、そしてひとりの人間としての彼の成長に必ず役立つと私は信じている」

 だがブラウンは、フェルスタッペンをただ全面的に非難したわけではなく、レース中の「パフォーマンスは素晴らしかった」と称賛もしている。

 スタート直後4番手に上がったフェルスタッペンは、さらにキミ・ライコネン、セバスチャン・ベッテル、バルテリ・ボッタスを見事な走りで抜き去り、19周目ではルイス・ハミルトンをもかわしてトップに立った。

「フェラーリの2台とメルセデスの2台をすべて追い抜くなど、そうそう起こることではない。過去10年以上にわたり、ブラジルGPでは3列目以降からスタートして優勝できた者はいない。マックスはあと少しのところまで来ていた」とブラウンは評価する。

 ブラウンはまた、オコンと接触してトップから落ちた後に2番手を守るべく体勢を立て直したフェルスタッペンは、自身のキャリアを通じて大きく力を伸ばしてきた、と付け加えた。

 一方のオコンについて、ブラウンはより厳しい見方を示している。40周目でピットインして周回遅れとなったオコンは、これを取り返すべくエス・ド・セナでフェルスタッペンを追い抜こうと試みた。

「(オコンが)周回遅れから挽回を試みること自体はまったく正当だ。だがその時点で自分よりも明らかに速かったフェルスタッペンと、まるで自分がF1初優勝を狙うかのごとく競り合う必然性はなかったと言わざるを得ない」

「レース中に10秒のストップ&ゴーペナルティが科せられたのも当然のことだ」

 オコンとフェルスタッペンの接触についてブラウンは、意図的あるいは個人的な悪意によるものではなかったと考えている。

「オコンは単にポイント獲得だけを念頭に置いて走っていたわけではないと思う。あの状況で冷静さを失っていて、きちんとした判断ができなかったからではないか」

「首位のドライバーと、どちらかが死ぬまで競り合うようなやり方が最良とは言えない。仮に相手が下位カテゴリーから競い合ってきた因縁の相手だったとしてもだ」

「全体として見れば、日曜日のレースはフェルスタッペンにもオコンにも良いレッスンとなったはずだ。それぞれの記憶にも刻まれるだろう。これは彼らが成長途上で経験する学びのひとつなのだ」とブラウンは総括した。
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