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『今日から俺は!!』特有のカタルシスはどう生まれる? 笑いとシリアスを行き来する仕掛けを紐解く

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2018年12月15日 06:02  リアルサウンド

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 『今日から俺は!!』(日本テレビ系)が放送される日曜の夜もあと一回だと思うと本当に物悲しい……。変顔から、漫才のような掛け合いにいたる全力芝居。とことん可笑しさを追求した脚本と演出。豪華なゲスト出演。本ドラマの放送枠に、まさしく金字塔を打ち立てたとも言える良作であった。それは単に日曜日のお茶の間に笑いの渦を巻き起こしたという理由だけではないはずだ。思い返せば、本作の中には私たちを『今日俺』ワールドに引き込ませるための様々な仕掛けがあった。


 前回の第9話は今井(太賀)がヤクザに襲われて意識不明の重体になったことが分かり、風雲急を告げる事態となって幕を閉じた。このように本作では、コミカルな『今日俺』の空気感が一気に変わる瞬間が時折見られる。三橋(賀来賢人)たちの前に敵が立ちはだかるときには、随所で不気味な“足音”が響くのだ。


 例えば、見せしめのようにボコボコにされた学生たちの姿がそうだ。谷川(矢本悠馬)であったり、佐川(柾木玲弥)であったり、作中の様々なキャラクターたちがそうした“犠牲者”となってきた。こんなシーンが流れると、ドラマの世界観が一瞬にして暗転し、三橋や伊藤(伊藤健太郎)の目の前に脅威が差し迫っていることをひしひしと感じさせるのだ。智司(鈴木伸之)や相良(磯村勇斗)といった開久高校の生徒たち、あるいは紅野(中村倫也)をはじめとするゲスト出演者、等々。不穏なオーラが漂うことで視聴者はハラハラしてしまう。


 こうした絶体絶命のシーンも織り交ぜながら、三橋のとんでもない策略が突如として飛び出す。だからこそ、視聴者は『今日俺』特有のカタルシスを存分に楽しむことができるのだ。シリアスな展開とコミカルな展開のギャップの大きさゆえに、ジェットコースターのようなストーリーが生まれる。三橋と今井の掛け合い、椋木先生(ムロツヨシ)や一郎(吉田鋼太郎)のツッコミどころ満載の発言、伊藤と京子(橋本環奈)のイチャイチャシーン……。笑えるシーンを挙げればキリがない。だが、それと同時に、いくつもの回で挟み込まれるシリアスなシーンがあるからこそ、余計に『今日俺』ワールドに引きずり込まれてしまうのだろう。


 さて、放送開始から三橋&伊藤はいくつもの争いで活躍してきたわけであるが、いよいよ最終回では城田優演じるヤクザ・月川が再び登場する。第1話の時点ですでにその恐ろし気な姿を見せた月川であるが、三橋たちの前にどのような形で立ちはだかるのだろうか? いつも奇想天外な策で、窮地を潜り抜けてきた三橋であるが、最強の月川相手にどう立ち向かうのかが気になって仕方がない。


 思えば、三橋は初回から誰かの仇をとったり、誰かを救い出したりすることが何度もあった。やり方は突拍子もないものばかりであるが、自分よりも弱いものをむやみやたらに傷つけたりして、力を無理に誇示するようなタイプではなかった。それは伊藤も同じである。前回の第9話で、伊藤が喧嘩を売ってきたと相良からそそのかされた智司は、当初はそのことを少し疑っていた(結局、相良に言いくるめられてしまったが)。三橋の妙案は破天荒なものばかりであるが、観終わった後に爽快感を感じるのは、きっと私たちが無意識のうちに、三橋のことを真っ当な“ヒーロー”と認めているからなのかもしれない。(文=國重駿平)


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  • 何となくだけど、1年後くらいに『2』が始まる気がする…。
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