WTCR:クリストファーソン、WorldRX撤退を受けツーリングカー世界戦に挑戦へ

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2018年12月20日 14:41  AUTOSPORT web

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2018年はWorldRXとSTCCのダブルタイトルを獲得したヨハン・クリストファーソン
2017年、2018年とWorldRX世界ラリークロス選手権を席巻し、圧倒的な強さでドライバーズタイトルを獲得した王者ヨハン・クリストファーソンが、PSRXフォルクスワーゲン・チーム・スウェーデンのシリーズ撤退を受け、2019年シーズンはTCR規定最高峰、WTCR世界ツーリングカー・カップのグリッドに並ぶ可能性を模索している。

 2週間前に30歳を迎えたクリストファーソンは、2018年に母国スウェーデンのSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権でフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRのステアリングを握ってチャンピオンとなり、自身2度目のSTCCタイトルを獲得。

 同時に、PSRXのフォルクスワーゲン・ポロR RXスーパーカーをドライブしたWorldRXでも、ディフェンディングチャンピオンとしてシリーズ全12戦中11勝を挙げる圧倒的な戦績を残して連覇を果たしている。

 しかし、成功を収めたWorldRXではチャンピオンシップ自体の環境が激変し、ラリークロス界の老舗コンストラクターとして長年このシーンを牽引してきたオルスバーグMSEが参戦見合わせを決めたほか、プジョースポール、アウディスポーツなどのビッグマニュファクチャラーもワークス活動から手を引くなど、フォルクスワーゲン・モータースポーツにとっても難しい判断を迫られる状況となり、チームは来季タイトル防衛を放棄する決断を下した。

 しかしこのシリーズ撤退決定は、クリストファーソンのキャリアに別の可能性を開く契機ともなり、FIAのワールドカップ格式イベントとなるWTCR挑戦へのドアが開かれるとともに、この週には非公式ながらスペイン・へレスでゴルフGTI TCRのテストを行ったとみられている。

 クリストファーソンはロブ・ハフに続き、フォルクスワーゲン・モータースポーツからふたり目のファクトリー契約ドライバーとしてシリーズに参戦することになり、2018年にはたったひとりのワークスドライバーだったハフとの共闘で、シリーズでのプレゼンスを拡大する役割を担う。

 WTCRでは2019年シーズンからマニュファクチャラーにつき最大4台の参戦上限枠が設けられることになり、新規参入のLynk&Coシアン・レーシングはイバン・ミューラー、テッド・ビョーク、アンディ・プリオール、そしてヤン・エルラシェールの4名が確定。

 ホンダ陣営のミュニッヒ・モータースポーツ、アウディ陣営のチームWRTも4台体制でファクトリー契約ドライバーを送り込む公算が高く、フォルクスワーゲン・モータースポーツも同条件でその戦いの輪に加わる見込みだ。

 その圧倒的なスピードとリザルトから、近年はラリークロス界のスタードライバーとして認知されてきたクリストファーソンだが、そのキャリア初期からツーリングカーでもフロントランナーとして活躍しており、2012年にはフル参戦2年目のSTCCで、S2000規定のフォルクスワーゲン・シロッコをドライブし初タイトルを獲得。

 同年にはイタリア国内で人気を誇ったスーパースターズ・シリーズにも参戦し、アウディRS5でドライバーズチャンピオンにも輝いている。

 直近ではこの2シーズンでTCR規定マシンも経験しており、WorldRXとのカレンダーバッティングでフル参戦がかなわなかった2017年は、それでもPWRレーシングのロバート・ダールグレン(セアト・クプラTCR)とタイトル争いを展開し、全戦エントリーが実現した2018年は見事にタイトルを獲得している。

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