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動物写真家・岩合光昭、高齢者と地域つなげる「猫の魔力」を語る

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2019年02月11日 08:40  ORICON NEWS

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写真初監督を務める岩合光昭氏とタマ役のベーコン (C)oricon ME inc.
初監督を務める岩合光昭氏とタマ役のベーコン (C)oricon ME inc.
 世界的な動物写真家・岩合光昭氏が、初めて監督を務めた映画『ねことじいちゃん』(2月22日公開)。コミックを原作とした同作は、妻に先立たれた70歳の春山大吉(立川志の輔)と、飼い猫のタマ(ベーコン)との穏やかな日常を描いた、ほのぼのヒューマンドラマだ。舞台は、若者が次々と離れていき多くの住民が高齢者となった宮ノ島。日本全体が高齢化している今、猫と暮らすことで生まれる効果について、岩合氏ならではの視点で語る。

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■世界で活躍する動物写真家、初の映画監督に不安も

 岩合氏は、世界のあらゆる地域で野生動物や大自然、身近な動物である犬や猫などを撮影してきた動物写真家だ。タンザニアに滞在して撮影した写真集の英語版がロングセラーとなっているほか、ネイチャー誌『ナショナルジオフラフィック』では2度の表紙に。世界各地の猫を撮影したドキュメンタリー番組『岩合光昭の世界ネコ歩き』(NHK-BSプレミアム)は、再編集した映画版も制作され劇場公開された。そんな岩合氏が、映画『ねことじいちゃん』で初監督を務める。

 とはいえ、岩合氏にとっても映画の監督は初めての経験。プロデューサーからの監督オファーに対して即答を避け、ねこまき(ミューズワーク)氏によるコミックの原作を改めて読み直して考えたそうだ。だが、作中で描かれる愛知県・三河湾に浮かぶ島々に、自身も撮影で訪れた過去があったことから、いつしか主人公と猫がその島を歩く姿がイメージで浮かんできた。そこで、「できるかどうかわからないですが、挑戦をしたいと思います」と返答。本作が動き始めたのだと言う。

■芝居ができる猫・ベーコン、監督の愛に俳優陣は思わず嫉妬?

 主演の立川志の輔のキャスティングは、岩合氏からのラブコールがきっかけだった。「師匠は、言葉にこだわりを持っていて、とても学究肌な方でした。今回の映画のことを考えたとき、主人公は元校長先生だからピッタリでしたし、気が付いたら志の輔師匠が頭から離れなくなっていたんです」。だが、志の輔といえば、生活情報番組『ガッテン!』(NHK総合)のほか、全国での独演会も多数務める多忙の身。最初は断られたそうだが、岩合氏が「出てくださらなかったら僕の映画はできない。志の輔さんしか頭にないんです」と繰り返し口説いたところ、ようやく受けてもらえたそうだ。

 かくしてキャスティングが決まっていく中、岩合氏はもう一人の主人公・猫のタマ役を演じるベーコンと出会う。

 「これが僕好みの猫で。顔が大きい雄で、堂々としていて物怖じせず、おまけに可愛らしさも備えている。しかもちゃんとお芝居ができる。ベーコンがいなかったらこの映画はできなかった。今はハッキリとそう言い切れます」

 たしかに劇中のベーコンは、ところどころで猫ながらお芝居をしているとしか思えない動きを見せている。それは、ベーコンが所属する動物プロダクションが「こんなにデキる猫だとは知らなかった」と驚いたほどだ。

 ちなみに猫にお芝居をしてもらうコツは、「命令をせず、愛情を持ってお願いすること」だそう。

「愛情を持ってお願いしたら、言うことを聞いてくれる。毎日、ベーコンの顔を見るたび“おはよう、今日もいい子だね”と話しかけ、脚本を見せながら“今日はこのシーンだよ”と接していました」。

 この様子に、人間のキャスト陣は嫉妬(?)してしまったという。実際、志の輔からも「なぜ俺にはそうしないんだ」「大体、声の調子が違うよな」などと現場でからかわれたそうだ。

■猫が奇跡のアドリブ、岩合氏の“隠されたテーマ”を見事に実現


 そんな映画『ねことじいちゃん』だが、実は隠されたテーマがある。

 「風が吹いたり、月が満ちたり、綺麗な海だったり。そんな島の自然環境をできるだけ出すよう心がけました。なぜかと言うと、人々は島の水で育ち、島の水で作ったお味噌汁を食べ、島の水を飲んで果てるからです。環境が人を育てるのだし、過疎化したとしても、そこで老人が果てることに意味があると思うのです。ある重要なシーンでは、タマが手水鉢の雨水を飲みます。これは完全にベーコンのアドリブだったのですが、映画の根幹に関わることでしたので、私もモニターを見ながら“やってくれた!”と感動しました」

 その地に生まれ、そして果てていく。今作に映し出される美しい風景やベーコンの演技は、日本という高齢化が進む国に生きる我々に、あらためて人生を考えるきっかけをくれるかもしれない。

■アニマルセラピーというより魔力⁉ 猫が高齢化社会に必要な“つながり”作る

 また、島に暮らす人々と猫との関わりも絶妙だ。一人の老人が猫と生きることで、得られるものとはなんだろうか。

 「映画の中でも“アニマルセラピー”と言っていますが、それ以上の効果があるのではないか。というのは、猫は魅力というより魔力を持っていて、人と人を結びつける力があるように思うんです。猫を介して人が結びつく。僕は海外で撮影することも多いですが、様々なコミュニティーに実際に猫がいるのを見かける。僕自身、猫のお蔭で現地の人々に受け入れてもらったこともありました」

 人との繋がり、それこそ高齢化社会にとって大切なもの。そんな“魔力”を持つ猫だが、まずは猫自身と仲良くなり、ともに暮らすコツとは?

 「自分を主人だと思わないことですね。猫に主人はいないですし、我々を人間とも思っていません。だから、人間に魚やネズミや鳩なんかを捕って持ってくるんです。“お前らは狩りができずにかわいそうに”って(笑)」

 「過疎化だとか老人問題だとか、いろいろな問題が含まれた映画ですが、それを明るくファンタジーに描きました。ご覧になる方々が笑顔で楽しく観られる映画になっていると思います。猫好きの方はもちろん、猫に興味がない方も連れてきてもらって、“猫っていいじゃない”と思ってもらえたら幸いですね」

(文:衣輪晋一)

このニュースに関するつぶやき

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  • おはようございます。どちらかと言えば猫より犬が大好きだけど、岩合さんの撮る猫の写真は素敵ですよね。最近では猫写真家が増えてきて、日テレのおは4でも取り上げられているけど、やはり岩合さんは別格だよなと思う次第です。
    • イイネ!58
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