ゆるキャラ・ちぃたん☆騒動、須崎市への取材でわかった「運営元から“脅し”」の実態

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2019年02月28日 23:32  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

カワウソちぃたん☆公式サイトより

 2月27日、稲垣吾郎・草なぎ剛・香取慎吾のレギュラー番組『7.2 新しい別の窓』第12回(3月3日放送、AbemaTV)に、ゆるキャラ・ちぃたん☆が出演すると発表された。SNSで話題の動画や写真の“元ネタ”となった人物が集合する「第1回全日本バズり大賞」に登場するというが、これに違和感を覚える人が続出している。

 ネット上では、「なんで『ななにー』にちぃたん☆出すの? 今はダメでしょ」「ちぃたん☆の状況知ってるのか、知らずに起用したのか……どちらにしてもガッカリ案件だね」「ちぃたん☆を出演させるのは絶対によくない。今からでも考え直してほしいです」など、ファンはちぃたん☆の『ななにー』出演に猛反発している。人気ゆるキャラのはずが、なぜこのような事態となっているのだろうか。

 そもそも「ちぃたん☆」とは、個人が飼育していた生体のコツメカワウソの名前(以下、ペットのちぃたん☆)。50万人以上のTwitterフォロワーを擁するネット上の人気者で、2018年1月には、ニホンカワウソが最後に目撃されたと言われる高知県須崎市の観光大使に就任した。この時、同市にはすでに「しんじょう君」というゆるキャラがいたのだが、須崎市の楠瀬耕作市長は当時、「(ペットのちぃたん☆に)力を借りて、須崎市や高知県の魅力の発信につなげたい」と話しており、ペットのちぃたん☆としんじょう君は、仲良く同市のキャラクターとなった。

「このペットのちぃたん☆をモデルにしたのが、ゆるキャラのちぃたん☆。こちらのTwitterフォロワーはなんと130万人を超えており、ペットのちぃたん☆より後に誕生したにもかかわらず、非常に人気があります。また、ゆるキャラのちぃたん☆は秋葉原観光推進協会の公式キャラクターを務めており、18年10月から芸能事務所・クリーブラッツ関連会社である、株式会社キャランドゥが運営。動画サイト『YouTube』に公式チャンネルを開設して動画を投稿したり、雑誌『Popteen』(角川春樹事務所)のモデルを務めたりと、SNS上だけにとどまらない活躍を見せています」(週刊誌記者)

 ここまでは特に騒動が起こるような流れはなさそうだが、ゆるキャラのちぃたん☆としんじょう君が同じデザイナーを起用していること、そして、ゆるキャラのちぃたん☆が、なぜか須崎市の観光大使を勝手に名乗るようになったことで、問題が発生する。

 ゆるキャラのちぃたん☆が「YouTube」に公式チャンネルを開設した当初は、しんじょう君も出演し、ほのぼのとした動画を投稿していた。しかし、内容は徐々に過激になり、公園の噴水に頭から突っ込む、車を横倒しにする、草刈機を振り回す、バッティングセンターで頭に投球を当てるなど、“なんでもあり”な状態に。そのかわいらしい外見と過激な行動のギャップはネットユーザーにウケ、ゆるキャラのちぃたん☆はさらなる人気を獲得。150万回超えの再生数を叩き出す動画もあるほどだ。

「しかし、ネット上での人気とは裏腹に、須崎市には『危険だ』などのクレームが入るように。キャラクターの色や表情こそ違うものの、デザイナーが同じであるため、ちぃたん☆としんじょう君を混同してしまう人が続出したのです。そもそも須崎市は、ゆるキャラのちぃたん☆を観光大使に任命した経緯はなく、このような騒動は、一方的に市のイメージを落とすことにつながってしまう。『PRになるから』と過激な動画を黙認していたという同市ですが、今年1月17日、ペットのちぃたん☆の観光大使解任を発表し、同時に、クリーブラッツにゆるキャラ・ちぃたん☆の活動停止申し入れを行いました」(同)

 これで事態は収束に向かうと思われたが、ゆるキャラ・ちぃたん☆は活動をやめなかった。須崎市が活動停止申し入れを行ったあともテレビに出演し、1月29日にはテレビ東京がアニメ『妖精ちぃたん☆』の放送を発表。そのほか、イベント出演も変わらず行っており、2月5日には有料ファンサイトを開設している。

 すると2月6日、楠瀬市長は会見を開き、再度ゆるキャラ・ちぃたん☆の商用利用中止を求める文書を送ったと発表。ここで同市は、しんじょう君の“著作権”を公に主張した。ゆるキャラのちぃたん☆が海外での商標登録を申請しているため、同じく海外進出を視野に入れているしんじょう君と競合することを危惧し、権利侵害を争点として活動停止を求めたとのこと。なお、ゆるキャラのちぃたん☆は国内でも商標登録を出願したが、「しんじょう君に酷似している」ことにより却下されたという。

 この会見後、ゆるキャラ・ちぃたん☆が登場予定だったオンラインゲームのコラボ企画を中止すると発表され、15日にはテレビ東京も『妖精ちぃたん☆』の放送見合わせを発表。さらにKADOKAWAから出版予定だった付録つきムック本「まるごとちぃたん☆ブック」も発売中止となった。

「しかし、こうした騒動などどこ吹く風とばかりに、SNS上でのゆるキャラ・ちぃたん☆は、これまでと変わらず稼働中。9日にはお笑い芸人・ロンドンブーツ1号2号の田村淳がゆるキャラ・ちぃたん☆のツイッターに登場し、12日にはコミュニケーションアプリ『LINE』本社と思われる場所に登場。さらに21日には、口コミサイト『e-脱毛エステ.com』のPRとして、ちぃたん☆が脱毛エステを体験する動画が投稿されました。そして、3月3日には『ななにー』に出演します」(同)

 現在、ゆるキャラ・ちぃたん☆には批判の声が相次いでいるが、そうした原因のひとつとして、22日に同市が東京地方裁判所に「ちぃたん☆の標章及び着ぐるみの使用停止を求める仮処分」を申し立てたことが挙げられるだろう。再三、須崎市から忠告を受けたにもかかわらず活動を続けているのだから、世間が眉をひそめるのも当然だ。

 市の発表によると、クリーブラッツは活動中止要請を無視し続けた上、「関係者を介して直接当市職員に接触を繰り返し、当市に対し損害賠償請求を示唆するなど、実質的かつ本質的な協議が困難な状況にありました」という。一方、クリーブラッツ側が8日に発表したコメントによると、ちぃたん☆の着ぐるみデザイナーは須崎市から紹介を受けており、キャラクターデザインも複数回確認してもらっている、とのこと。須崎市に「権利を侵害していないか」と確認したところ、「市の許可は不要」という回答を得ていたとも発表している。

 クリーブラッツと須崎市の意見が真っ向から食い違っている状態だが、サイゾーウーマンでは、須崎市の当該部署「元気創造課」担当者に電話取材を行った。「市役所HPにアップした文書がすべてです」としつつ、以下の回答が得られた。

ーークリーブラッツから「無視されている」とありますが、話し合いもままならない状況なのですか。

「話し合い自体は弁護士に一任していますが、『YouTube』やSNSの更新など、“活動中止要請をしている市の申し入れを無視”されている状況です」

ーー「関係者を介して直接当市職員に接触を繰り返し、当市に対し損害賠償請求を示唆する」とは、具体的にどのような状態ですか。

「クリーブラッツ側から『こちらに損害が出ているから、そういうことを視野に入れたほうがいい』と、“脅し”ともとれるようなニュアンスで言ってきました」

ーー今後、この問題をどのように解決していくのですか。

「裁判所へ仮処分申し立てを行ったので、このまま法的に進んでいくしかありません」

ーーもし、クリーブラッツ側がこの件について謝罪してきたら、須崎市はどのような対応をしますか。

「考えていません。申し立てを取り下げることも、考えていません」

 まったく“ゆるくない”この騒動。どのような決着を見せるのか、今後の動きを注視したい。
(番田アミ)

このニュースに関するつぶやき

  • ☆ちぃたん☆騒動、須崎市への運営元から脅し そのクリーブラッツとやら、背後を調べた方がいいかもよ?実話系媒体、カモーン!щ(°Д°щ) 行政を脅すのは大概闇関係者。左右問わず両サイドに存在。左寄り地盤で極右な闇関係者による行政強請案件が、過去に仰山有ったんでなぁ…土佐は。
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