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認知症になる前にできることの基礎知識

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2019年03月06日 07:41  JIJICO

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JIJICO

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今、認知症対策として注目されている家族信託でできること


平均寿命と健康寿命の差(2016年)は、男性8.84歳、女性12.34歳(参照:厚生労働科学研究費補助金「健康寿命の全国推移の算定・評価に関する研究」)と言われています。つまり高齢者が自分の意思で物事を判断できる年齢と、認知症などにより、自分の意思表示を的確にできない期間が、男女ともに10年前後あるということです。


今までの財産管理制度では、認知症などにより本人の意思判断能力が低下した後に、財産を柔軟に利用することが困難で、財産管理ができない期間は資産が凍結されていました。


しかし、元気な間に自分が具体的な権限を託す家族信託契約をすることによって、意思判断能力が低下した後も、判断能力低下期間中、託された方が本人の代わりに合法的に財産管理をすることが可能になります。


従来は、認知症などにより意思判断能力が低下した場合には、成年後見制度を利用して財産管理を行わなければなりませんでしたが、成年後見制度には以下のような制約があります。


(1) 後見人に誰が選ばれるかわからない。
成年後見申し立て時に親族を後見人候補者として記載することもできますが、後見人を選任する裁判官がその親族を選ぶとは限りません。


(2)原則として本人のためにしか財産を使えない。
本人の他に、これまで当然のように家族のためにも使っていた資産をこれから本人のためしか使えなくなります。


(2) 積極的な運用、生前贈与、相続対策ができない。
成年後見制度は本人の財産を守ることを目的にしています。積極的な運用等はできません。


(3) 専門職後見人・後見監督人への報酬が発生する。
司法書士・弁護士等の職業後見人が後見人に就任したら、後見人報酬が発生します(月2万〜6万円・財産の額により裁判官が決定する)。


(4) 裁判所による監督・関与がある。
原則年1回家庭裁判所に財産目録等を提出する必要があります。また定期支出以外(10万円超)は家庭裁判所への事前相談が必要となります。居住用不動産を売却する場合は、家庭裁判所の許可を得なければなりません。


家族信託であれば、ご家族の目的に応じて、所有財産の管理、運用、処分の方法を決めることができます。成年後見人のような制約はありません。例えば、受託者の判断で銀行預金の引き出し、本人所有の不動産の売却、管理、修繕等が可能になります。


また、従来の資産承継は、遺言書を作成することによって「自分が死んだ後、財産を誰に相続してほしいか」というような「1代先まで」指定することはできますが、財産を渡したい2代先・3代先の方(二次相続以降の承継者)を指定することはできませんでした。家族信託を利用すれば、2代先・3代先の方(二次相続以降の承継者)も指定できます。


受託者の選任が重要


家族信託は、信頼できる家族に財産の管理処分を託すことによって、それぞれの家族の状況や目的に応じて、今まではできなかったさまざまな解決方法を実現することができます。


ただし、家族信託において、受託者は極めて大きな権限を持つので受託者が判断を誤ったり、悪意を持って判断してしまうと、本人の財産に大きな損害を与えます。


したがって、家族信託を利用するには、他人の財産を管理するだけの資質が受託者に求められるのはもちろんのこと、絶対的に信頼できる家族の存在が不可欠です。また受託者に加えて、受託者を監督する役割を担う「信託監督人」の設置を選択することも可能です。


初めの家族信託契約において、受託者が特定の法律行為をする場合には、信託監督人の同意を要する旨の設定を明記することにより、受託者+信託監督人の判断により受託者が初めて特定の法律行為を実行することができます。例えば、兄弟のうち親の近くに住んでいる子を受託者にして、遠方に住んでいる子を信託監督人にする方法もよく使われています。


認知症になったらできなくなること


ゞ箙圓らお金を引き出すこと
不動産を売却すること
I堝飴困隆浜(新たな契約を結ぶ、修繕)をすること
ぐ篁妻割協議


上記は、認知症になったとき、主にできなくなることです。何も対策をしていない状況であれば、ご家族に代わりに行ってもらうこともできません。認知症の問題は相続の前に発生するので、一般的な資産承継の相続対策だけではなく、認知症になったときに備え、元気なうちに資産管理の対策を講じる必要があります。



(池内宏征・司法書士)

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