Da-iCE 大野雄大、歌声から伝わる音楽への愛情 CHEMISTRY 川畑要を迎えたプレミアムライブ

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2019年04月12日 22:11  リアルサウンド

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 「人生なんかついてない」「自分だけ不幸な気がする」そんな風に溜息をついた経験が誰しもあるのではないだろうか。「そんなことはない」と頭ではわかっていても、そこから一歩踏み出すのは簡単なことではない。


参考:Da-iCE 大野雄大がソロボーカルで見せた“等身大の思いを伝える力” 本人インタビューと共に解説


 4月5日、神奈川・新江ノ島水族館 相模湾大水槽前特設ステージで〈辛くないことなんてない 乗り越えて来た事の全てが 僕の全てになる〉と決意の歌を響かせたアーティストがいる。彼こそ大野雄大、5人組ダンス&ボーカルグループDa-iCEのメンバーとして活躍するボーカリストだ。この日は彼の30歳を記念して作られた初ソロアルバム、『この道の先に』リリースを記念して開催されたプレミアムライブ。運よくチケットを手に入れたファンで会場は埋め尽くされた。


 ピアノ伴奏が流れ本人が現れると、大きな歓声が会場に響く。1曲目を飾ったのは、「MY DEAREST」だ。ひとりひとりに語り掛けるように歌う大野の姿は穏やかで、その歌声はすべてを包み込むよう。〈あなたにもらった この時〉という歌詞には、ファンの応援のおかげでステージに立てていると言わんばかりの熱がこもっていた。


 今までバラードはあれど、恋愛の曲はなかったという大野。「恋愛のバラードって裸で立ってる気分」といい歌い始めたのは、「僕らの不確か」だ。恥ずかしいと言いつつも確実に誰かを描いている視線に、思わずどきりとさせられる。「いつかまら会えるなら」でも4オクターブの美声を響かせ、観客をおおいに魅了した。


 続いて披露されたのは松田聖子の「あなたに逢いたくて〜Missing You〜」のカバー。カラオケなどで好んで歌ってきた曲ということもあり、ニュアンスのつけ方や一音一音の発声に愛を感じずにはいられない。Eaglesの「Desperado」も伸び伸びと深みを持ってカバー。自分の楽曲だけでなく誰かの音楽も愛し大切に歌いあげる彼の姿は、本当に音楽や歌が好きなのだということを物語っていた。


 「周りと自分を比べる時期があった。でも、本当は他の人と比べる必要なんてないとわかったんです」そう告げ導かれたのは、アルバムの表題曲である「この道の先に」。大野本人が作詞・作曲に携わった1曲は自分自身に言い聞かせるように、ファンの人々へ届けと祈るように紡がれていく。その説得力はあまりにも偉大で、心の底から思いのこもった言葉は目に見えぬパワーを孕んでいるのだと証明していた。


 ファンとの質問コーナーを挟み、いよいよライブはラストソングへ。なんとここでCHEMISTRYの川畑要がサプライズ登場。フィーチャリング曲「Changin‘」を抜群のコンビネーションでパフォーマンスする。憧れの先輩とライブ演奏できるという事実に、嬉しそうに笑みを浮かべる大野。クールなアップチューンを美しいハーモニーで披露し、ラストソングを締めくくった。


 MCで大野は「30歳をきっかけに、声がでなくなるまで歌い続けようと決めたんです。そうやって音楽やファンのみなさんに恩返しをしていきたい」と語った。30歳を記念して作られた『この道の先に』は、そんな彼の思いがこれでもかと詰め込まれた1枚なのだ。〈やっぱそうだ 辛くないことなんてない 乗り越えて来た事の全てが 僕の全てになる〉そんなふうに溜息を蹴散らしていく、彼の今後にこれからも目が離せない。(坂井彩花)


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