その“教祖様”、ホントに大丈夫? 「1万円の自己啓発セミナー」へ行く前に知ってほしいコト

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2019年04月18日 01:01  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

Photo by Slyvia Sampson from Flickr

 誰にでも、心が弱ってしまう時はあります。救いを求める先が、信頼できる家族や友人ではないこともあるでしょう。「こうすれば幸せになる」と語りかける心理カウンセラー、スピリチュアリスト、霊能力者。彼らを見ていると、「私を救ってくれそう」「この人たちのようになれるかも」と、次第にそんな気持ちが膨らみ……ちょっと待って! それ、本当に信じて大丈夫? スピリチュアルウォッチャー・黒猫ドラネコが、無責任なことばかり言っている“教祖様”を、鋭い爪でひっかきます。

 はじめまして。黒猫ドラネコと申します。このたび、縁あって連載させていただくことになりました。Twitter上で2年ほど、ネット社会にはびこる“怪しいもの”や“おかしなこと”を観察してきました。一部には共感され、また一部には「なんだアイツ」と、多分言われています。少しでもご興味を持っていただけたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

 さて、私はこれまで「自己啓発セミナーの信者ビジネス」「怪しいスピリチュアル」などを、毎日のようにTwitterで批判してきました。子宮系女子、心屋カウンセリング、卑弥呼の生まれ変わり、スピリチュアルブロガーhappyちゃん、胎内記憶、アカシック・リーディング……。もしかしたら、どれか目にしたことがあるかもしれませんね。しかし、その実態や、距離感を誤った時の恐ろしさを、どれぐらい知っていますか?

「1万円の自己啓発セミナー」が招く“破滅”

 彼らの主戦場は、FacebookやInstagram、アメーバブログが多く、ここでは心の弱った人を甘くいざなうような話が散見されます。不思議なことに、Twitterは水が合わないのか、“教祖様”たちはすごくおとなしく、ほとんどそんな話をしていません(ちょっとはこっち来て、私とも遊んでくれや!)。

 私がこうして発信するようになったきっかけは、そんな彼らの恐ろしさを目の当たりにしたからです。私の大切な人は、スピリチュアルにかぶれ、無責任な自己啓発のマインドコントロールを受けたこともあってか、すっかり心が壊れてしまいました。家族は嘆き、親戚一同は悲しみ、その渦中に私はいました。当事者を抱きかかえ、同じようにもがいて、苦しんで……。あまり思い出したくないし、おもしろおかしくこの時のことを書くのは、難しいかもしれません。それでも、広めておくべき「被害」のわかりやすいケースでした。

 例えば、あなたの大切な友人が、ある日ネットで知った「受講料1万円の自己啓発セミナー」に行ったとしましょう。「おもしろかった」と喜んでいて、次週にはそこで「3万円の開運グッズ」を購入。この段階で「怪しいな」と思い、友人にやんわり注意してみるも、「あなたになにがわかるの?」「なにをしても自由だし、ほっといて」と突っぱねられてしまいます。そして友人は、翌月までに「年会費12万円のオンラインサロン」に入会し、「25万円の特別合宿」に参加。気づいた時には、「100万円の集中講座」を受け、「認定講師」になっていました。

 でも、その友人には家族がいます。子どもはまだ小さく、これからお金もかかるでしょう。それなのに、「幸せになった仲間がたくさんいる」「自分の幸せが、家族の喜び」「お金は出せば入ってくるもの」などと勝手なことを口走り、学資保険を解約するなどして、無計画に散財してしまいます。友人との約束は遅刻やドタキャンが当たり前になり、家族の注意にも聞く耳を持たず、平然と「人に迷惑をかけていい」と言うようになり、揚げ句の果てには、育児放棄まで……。

 これは、決して大げさな話ではありません。怪しいスピリチュアルや自己啓発セミナーに心酔してしまうと、同じような道をたどる可能性があるのです。

 知らないうちに金銭感覚や思考をコントロールされることが、どんなに恐ろしいことか。身近な人がこの状態になったら、「怪しいものにハマるのも人の自由」なんて言えなくなります。高額セミナーやお茶会などに通い、その手法に心酔した揚げ句「私にもできるかも!」なんて新たな“宗派”を立ち上げようとする。被害者がまったく悪意なく、加害者にクラスチェンジしたがる。小説の話じゃありません、現実に起こっていることなのです。

 もっとも気の毒なのは、すっかり“信者”と化してしまった人のご家族。様子がおかしいと気づいた時にはもう遅く、底なし沼から引き揚げるために、多大な労力と犠牲を払うことになります。……この話は、また次回に。

 「簡単に影響されるほうが悪い」、確かにそうかもしれません。しかし、私利私欲のために無責任に発信した側は、今のままではお咎めなしです。まずは「怪しいスピリチュアルビジネス、信者ビジネスなどで稼ぐ人々」を白日の下に晒して、「妄信すると危険」と注意喚起することが必要だと考えます。

 なにを信じるのも自由。だけど、その判断材料として、「こうすれば幸せになれる」という一方的な誘い文句だけでなく、否定的な意見があってもいいはずです。依存・共依存の心理分析などはちょっと後回しに、善人面しておかしなことを言っている人たちを一緒に観察し、立ち止まって考えてみませんか。バカバカしい言い分を取り上げ、社会的に危ないものなら否定したい。そんなスタンスで、これから書いていきたいと思います。

 ……過激なことをやっていると思われがちですが、私、割といいヤツですよ。このコラムは無料で読めるし、変なセミナーなんかに誘導しませんから。

■黒猫ドラネコ
 1983年5月生まれ。性別、職業は非公表。大分県出身、学生時代から大阪で過ごし結婚を機に上京。穏やかで細かい性格。自分勝手な人が嫌い。趣味はスポーツ観戦、カフェ巡り、漫画・アニメ鑑賞など。甘党でお酒よりジュースを好む。ショートスリーパーにつき夜行性。

Twitter/ブログ「黒猫ドラネコのブログ(仮)

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