『集団左遷!!』福山雅治の“必死すぎる中年男性”姿は必見! イメージを一新する“普通”ぶり

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2019年04月21日 06:31  リアルサウンド

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 福山雅治が日曜劇場初主演を務める『集団左遷!!』(TBS系)が、今夜いよいよスタートする。福山が演じるのは、廃店が決定している銀行支店の支店長となった普通のサラリーマン・片岡洋。ドラマは、そんな片岡が、一筋縄ではいかない部下たちと共に、銀行という巨大組織に立ち向かう下克上。放送に先駆けて第一話を鑑賞した筆者が、その見どころについて紹介したい。


【写真】全力疾走する福山雅治


 原作は、江波戸哲夫の「新装版 銀行支店長」「集団左遷」(講談社文庫)。脚本は『ROOKIES』(TBS系)、映画『ROOKIES−卒業−』などで、アツい男たちの戦いを描いてきたいずみ吉紘が担当する。


 主人公の片岡は、理不尽なことがあっても「会社で生き残るため」と、すべてを飲み込んできた三友銀行勤務のサラリーマン。50歳を目前にして支店長への昇任人事を受けるも、赴任先は廃店が決まっている蒲田支店だった。上層部からは「廃店が決まっているので頑張らなくて大丈夫」と言われ、さらに廃店の暁には、片岡自身は「本部に戻し優遇する」という特例を受けてしまう。


 人生で初めて「頑張るな」と言われて困惑する片岡だが、この“頑張る・頑張らない”が今作のキーワード。片岡は、廃店になることを知らずに頑張る部下たちと、事あるごとに「頑張らなくていい」と釘を刺してくる上層部との板挟み状態。どうすべきかと思い悩んだ片岡は、銀行員人生をかけた一世一代の決意をすることとなる。


■福山雅治の“普通”ぶり


 まず注目すべきは、クールなカッコ良さを取り払った福山の“普通”ぶり。昇任人事を受ければ素直に喜び、廃店が決まっているとわかれば落ち込み、「頑張るな」と言われれば動揺する。そして、とにかく走る走る走る……。福山は、プレミアム試写会にサプライズ登場した際「体に堪えたのは、駅に向かう坂道を下っていくシーン。あれが一番太ももに来ました」と明かしていたが、同シーン以外にも福山の激走場面はたっぷりと。これまでの福山雅治のイメージを一新するような、“必死すぎる中年男性”姿は必見だ。


■香川照之、神木隆之介ら個性豊かな部下たち


 そして、その片岡を取り巻く部下たちもまた個性豊か。片岡の赴任初日、大きなあくびをしながら姿を現すのが、神木隆之介扮する滝川晃司。幹部候補生だったが、あることを機にドロップアウトした通称「奈落のエリート」。一見、やる気のなさそうに見える滝川だが、実はそうではないからこそ厄介。「頑張らなくていい」と指令を受けている片岡にとっては扱いに困る存在で、相も変わらず神木の緩急ある演技が光る。


 また、大河ドラマ『龍馬伝』(NHK総合)以来、約9年ぶりとなる福山との共演でも話題の香川照之が演じるのは、蒲田支店の副支店長・真山徹。公式サイトにある“喜怒哀楽をあまり表に出さないが、顔の筋肉は良く動く”という紹介には笑ってしまったが、まさにそれ。銀行マンとしての知識にも長け、仕事もテキパキとこなすが、必ず定時に帰宅する謎めいた人物。支店長として赴任してきた片岡を除け者にすることもないが、果たして真山は片岡にとって敵か味方か。その本心によって、蒲田支店の行く末は大きく左右することになりそうだ。


 ほかにも、あの手この手で片岡を追い詰める常務取締役人事担当の横山輝生(三上博史)、「死にたい」が口癖のイマドキ部下・平正樹(井之脇海)、ズバズバと強い口調で片岡の痛いところを突きまくる元ヤン銀行員・木田美恵子(中村アン)など、三友銀行はクセ者揃い。片岡は、ここからどう蒲田支店をまとめ上げ、巨大組織に下克上を挑むことになるのか。その助走部分ともいえる第一話から、早くも心は弾むばかりである。


 日々の生活に疲弊する人であふれるストレス社会の今。かく言う私自身も「疲れた」が口癖になりつつあるが、これまで「頑張ること」が当たり前だった人生において、「頑張らなくていい」というのは、意外と難しいものである。「頑張りたくない」と文句を言いながらも、頑張ってしまうのが日本人のサガ。そんな私たちを代表するかのような片岡の逆転劇には、視聴者の希望も詰まっているに違いない。頑張れ、片岡洋! 負けるな、片岡洋!!


(nakamura omame)


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