赤江珠緒アナ、博多大吉との不倫否定も……「相談女疑惑」「キャラ崩壊」がもたらすダメージ

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2019年04月26日 02:31  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

TBSラジオ公式サイトより

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます

<今回の有名人>
「でも、それをスタッフとかに言うのは……」赤江珠緒
『たまむすび』(TBSラジオ、4月24日)

 姦通罪のない日本で、どうして芸能人の不倫がバッシングされるかというと、「嘘をついている」ことに嫌悪感を抱く人が多いから、加えてネットが普及して、意見もしくは悪意の拡散が容易になったからではないだろうか。

 表向きは“いい人”に見せて、陰であんなことをやっている。そういう幻滅が不倫へのバッシングにつながっていくと仮定するのなら、芸能人が不倫と同じくらい恐れなくてはいけないのが、“キャラ崩壊”だろう。不倫をしていなくても、キャラが崩壊すると、不倫同様に「嘘をついていた」「だまされた」と憤る視聴者もいないとは言えないからだ。

 そもそも、キャラとは何だろう。

 例えば、休日に家でくつろいでいる時と、会社にいる時の自分がイコールな人はほとんどいないのではないだろうか。家ではだらしないけれど、会社では身なりも仕事もきちんとするということはよくあることだし、自分をより良く見せて、社会で評価してもらうため、誰もがキャラをかぶって演技していると言っていいだろう。それは偽装というより社会性だとも捉えられるかもしれない。

 しかし、芸能人のように、自分を商品にする職業の場合は、会社員よりも高度に差別化・細分化された偽装、つまりキャラが必要になる。オアシズ・大久保佳代子が『TVじゃ教えてくれない!業界裏教科書』(Abema TV)で、キャラの作り方についてレクチャーしていたことがある。「0からキャラを作ると、ウソだとバレる」「自分の中にあるものを、膨らませていく」ことがポイントだそうだ。ということは、芸能人のキャラというのは、「まるっきりウソではないけれど、100%本当でもなく、ある程度演じている」ということだろう。しかし、ウソだとバレると視聴者は興ざめするので、「生まれつき、こういう人だ」「本当にこういう性格なんだ」と視聴者に思わせるのが、芸能人としての腕の見せどころではないだろうか。

 先週発売された「フライデー」(講談社)で、お笑い芸人・博多大吉と芝生に寝っ転がって花見をしている姿を激写されたフリーアナウンサー・赤江珠緒。赤江アナはTBSラジオ『たまむすび』のメインパーソナリティーを務めており、大吉は水曜レギュラーとして出演している。親密そうな二人の雰囲気から不倫が疑われたが、手をつないでいたとか、ホテルに入ったというような証拠は何もない。しかし、キャラに疑義が生じたという意味で、赤江アナは結構な痛手を被ったのではないだろうか。

 同誌によると、二人は月曜日の夜にも食事をし、水曜日に番組で共演し、赤江アナが休みの金曜日の昼間、『あさイチ』(NHK)終わりの大吉と合流して、青山のレストラン(個室)でランチ。そこから公園で花見をし、二人して芝生に寝っ転がっていたそうだ。

 4月18日放送の『たまむすび』で、赤江アナは「大吉先生が相談に乗ってくれた」と不倫を否定。しかし、週に二度と“相談”の頻度が高いことと、赤江アナの夫が育児休暇中であることから、ネットでは「休みの日に夫に子どもを任せてまで、何の相談があるんだ」「なぜ相談で寝っ転がる必要があるんだ」と嫌悪を抱く意見もみられる。

 なぜ不倫の証拠があるわけでもないのに、赤江アナが叩かれるのかと、『たまむすび』リスナーの赤江ファンは疑問に思っているかもしれない。たいていこういう場合、「赤江アナに嫉妬しているから」で片づけられてしまうが、赤江アナが叩かれる理由の一つは、赤江アナがサバサバしたキャラを掲げていたにもかかわらず、大吉と会う理由に“相談”を挙げたことで、そのキャラが崩壊したからだろう。

 異性と会うためには、理由がいる。しかし、そうそう理由というものは見当たらない。そんなとき、「相談に乗ってほしい」というのは口実として使いやすい。そんな相談を手口として男性に近づく女性のことを、ネット上では“相談女”と呼ぶ。

 日本における“相談女”の歴史は古いだろう。1982年に発売した林真理子センセイの出世作『ルンルンを買っておうちに帰ろう』(角川文庫)にも“相談女”のエピソードが出てくる。真理子センセイと同じテニスサークルの女子が、複数の男性の先輩にだけ相談を持ち掛けていることに対し、「何をどうしたら、そんなに相談することがあるのか」と書いているのだ。90年代のドラマでも、主役カップルに横恋慕する脇役が「相談がある」と男性を呼びだして肉体関係に持ち込み、主役がそれを目撃してしまうというパターンがよくあった。

 一般的に言うと、異性に対して積極的に相談を持ち掛ける女性は、あまりイメージが良くない。そこに、“芝生ごろん”という、一般的に仕事仲間同士では取らない行動が加わると、90年代ドラマのように、「赤江アナは大吉と接近するために、計画的に相談を持ちかけた」と見てしまう人はいるだろう。無邪気なふりをしてオトコに近づいたのなら、サバサバと対極の存在、つまりキャラ偽装だとみなされ、バッシングされるのである。

 “相談女”と呼ばれることを危惧したのだろうか、赤江アナは同24日放送の『たまむすび』で、相談の内容について触れている。仕事と育児の両立に悩んでいることに加え、木曜パートナーであったピエール瀧が、先月、麻薬取締法違反で逮捕されたことから、「『たまむすび』をやっていけないかも」と思い、「でも、それをスタッフとかに言うのは……」と思ったので、大吉に相談していたそうだ。

 「オレたちのタマちゃんは、不倫なんてしていない、相談女でもない」。赤江ファンなら納得して胸をなで下ろすだろう。ケチつけて誠に申し訳ないが、私の印象は「やっぱり相談女だな」である。なぜなら、大吉に相談しても、解決しないことは目に見えているからだ。

 仕事と育児との両立に悩むなら、スケジュールを見直したり、シッターを雇うなど、夫や制作側に相談するのが一番だろう。また、瀧がいないことで「番組をやっていけない」というが、法に背いた人が番組に出られなくなるのは当然のことである。もし本当に「やっていけない」と思うのなら、キャスティング権を持った制作者に相談すべきであって、大吉は相談相手として適任とは言えないだろう。結論を必要としない相談は、相談ではなく“なぐさめ”である。こういうとき、人は無意識に自分「が」好意を持っている、もしくは自分「に」好意を持っている相手を選ぶ。だから、ご指名は大吉オンリーなのではないだろうか。

 赤江姫に相談してもらえなかったほかの男性出演陣(カンニング竹山、南海キャンディーズ・山里亮太)は鷹揚に構えているものの、ひそかにショックを受けたり、嫉妬しているかもしれない。リスナーも含めた男性陣の心をかき乱せる赤江アナは、サバサバというより、年季の入った小悪魔と呼んでいい気がする。もちろん、それは芸能人としてプラスの能力である。

 ただ、不必要にサバサバを掲げているのに行動が一致しないと、私を含めたある種の人には「相談女だな」「サバサバしてないんだな」とバレて好感度が落ちかねない。十分ご注意いただきたいものである。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

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