抗生物質は子宮内膜症の病変を小さくする

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2019年05月08日 11:01  妊活・卵活ニュース

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抗生物質による子宮内膜症の治療効果
4月30日、セントルイス・ワシントン大学医学部の研究チームは、「Human Reproduction」にて、マウスを用いた動物モデル実験を通して、抗生物質の投与は子宮内膜症を引き起こす病変を小さくすると発表した。

子宮内膜症と女性不妊の関係
子宮内膜症では子宮内膜の細胞が子宮外にて増殖し、月経に伴い肥厚と消退を繰り返す。月経痛や月経困難症などを引き起こし、女性不妊の要因に成り得る。子宮内膜症の治療は、主にホルモン治療や手術であるが、副作用を伴い、再発リスクも少なくないといわれる。

動物モデル実験のよる子宮内膜症と抗生物質の治療効果
今回、研究チームは、動物モデル実験を行い、子宮内膜症に対する抗生物質の治療効果を検証した。

マウスに「メトロニダゾール」(細菌性膣炎、特定の性感染症(STI)の治療に用いられる抗生物質)を経口投与したところ、消化器官にあった子宮内膜症の原因となる病変は小さくなった。子宮外に増殖した細胞が病変に形成される前、あるいは、病変に形成された後、どちらの状態に対しても病変の縮小、炎症の減少が認められた。

また、メトロニダゾールの投与は、腸内マイクロバイオームの働きを活性化させ、症状の進行を防いだ。研究チームによると、子宮内膜症のマウスは腸内マイクロバイオーム量が極小であり、メトロニダゾールを投与することにより、腸内マイクロバイオームが増加し、バクテリアに対する防御力が高まると推測する。

一方、「アンピシリン」「ネオマイシン」「バンコマイシン」は子宮内膜症の治療効果はなく、子宮内膜症病変の縮小、炎症の減少は確認できなかったと報告されている。

研究チームは、食生活を含めて生活を整え、腸内マイクロバイオームを健康に保つことが、子宮内膜症などの疾患を防ぐ最善策であるとも述べている。

(画像はプレスリリースより)

Washington University School of Medicine in St. Louis

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