日向坂46、初シングルが1位に返り咲き 「キュン」は“王道アイドル”の新モデルを生みだす楽曲に

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2019年05月12日 11:11  リアルサウンド

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参考:2019年5月13日付週間シングルランキング(2019年4月29日〜2019年5月5日)


 2015年11月に結成された「けやき坂46」が、2019年2月に改称して生まれた「日向坂46」。けやき坂46時代の2018年には日本武道館で3日間公演をするなど、すでに高い人気を誇っていました。日向坂46としては初めてのシングル『キュン』をリリースし、2019年4月8日付の週間シングルランキングで1位に輝きましたが、6週目となる2019年5月13日付のランキングでも1位に返り咲く勢いです。


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 ところで、よく“王道アイドル”という言葉を聞きます。よく耳にはするものの、これほど実体がないものはありません。なぜなら人によってイメージするものがバラバラだからです。


 現在のシーンを考えれば、王道アイドルとは乃木坂46ではないかと思うのですが、あれほどの資本力を最初から持っているアイドルはそうそう作れません。その現実を認めたくはないので、さまざまな人が“王道アイドル”と銘打ってアイドルを送りだしているのがシーンの現状ではないかと思います。


 ……と書いているうちに、流していた「キュン」が終わりました。5分の「キュン」という楽曲は、王道アイドルの新しいモデルを生みだしている楽曲です。「これにはそうそう敵わない」とも思わせられます。なにしろ乃木坂46、欅坂46、吉本坂46に続く「坂道シリーズ」なのですから。


 欅坂46はシリアスな楽曲が多いイメージですが、けやき坂46は対照的に明るいイメージでした。そして、日向坂46としての「キュン」はややせつなげ。絶妙なチューニングが施されています。また、歌詞でも多用される「キュン」というワードは、やはり「胸がキュンとした」という意味での「キュン」です。ただ、楽曲を聴いてみると、〈君のその仕草に萌えちゃって〉など、実は歌詞の主人公は男性。また、「Sunday」から「Saturday」までの曜日が織りこまれている構成も、古典的ではありますが、“あえてやる王道感”を印象づけます。ふと目にした光景から相手を〈真っ白な心〉とまで確信して疑わない流れもまた“あえてやる感”に満ち溢れたものです。


 カップリングの「JOYFUL LOVE」もアンニュイな雰囲気のメロディ。そして歌詞では、〈これは恋なのか?〉〈ずっと難しく考えていた/痛みからの立ち直り方〉など、新しい恋に出会っての希望が歌われます。この堂々たる“あえてやる感”。「キュン」と「JOYFUL LOVE」の2曲で、日向坂46というグループの定義づけがなされています。


 各盤種ごとの収録曲も聴いていきましょう。Type-Aの「耳に落ちる涙」では、ストリングスの音色が鳴り響きます。Type-Bの「Footsteps」はエレキギターとブラスセクションの音色が同居する前向きな曲調に、少しだけ哀愁も。Type-Cの「ときめき草」は、憂いの漂う楽曲です。通常盤の「沈黙が愛なら」は、サウンドにエレクトロニックなアプローチがあるかと思うと、ストリングスの音色も響く気品のあるサウンド。


 坂道シリーズの1枚目は、その後のグループのイメージを方向づける内容です。「キュン」とその収録曲群は、日向坂46というグループのイメージをかなり入念にチューニングしていることがわかります。それは凡百の自称“王道アイドル”には真似できないな、と思うほどなのです。(宗像明将)


このニュースに関するつぶやき

  • AKBグループをさっさ消滅させてこれからは日向坂をAKBの黄金期を彷彿とさせる路線に持って行けば良いしNMBはつんくプロデュースにしない限りは売れないと思う
    • イイネ!1
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