ヒカキンが公開した“超ハードスケジュール”に見る、トップクリエイターとしての矜持

0

2019年05月14日 12:11  リアルサウンド

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

リアルサウンド

写真

 人気YouTuberのHIKAKIN(以下、ヒカキン)が、月間のスケジュールを公開。「人気YouTuberとしての多忙さ」を明らかにした。


(参考:人気YouTuberヒカキン、“家賃2万円”下積み時代のエピソードが明らかに


 アップされた動画の冒頭、ヒカキンは「撮影は5月上旬、夜の12時ですね。今日はひたすら打ち合わせの日だったんですけど、仕事終わって、つけ麺爆食いして帰ってきました(笑)」と、この日もハードスケジュールだったことを明かすと、2017年4月にアップした動画「ヒカキン密着24時 〜YouTuberの裏側〜」を振り返り、「あれはひたすら家で動画を作るものだったので、今日はスケジュールカレンダーを見せます! この動画から2年以上経って、やってることもスケジュールも変わってきてるので。密着はいろんなYouTuberもあげてたけど、スケジュールはなかなかないでしょ(笑)」とお茶目に笑った。


 そして「今月だと抵抗があるので、少し前のものをお見せしたいと思います」と、おそらく仕事の予定であろう赤いタスクで埋め尽くされたカレンダーを公開。何も入っていないのは1ヶ月で6日間だけという過密スケジュールだ。ヒカキンはこれについて「本当にもっと忙しい方とか社長さんからしたら甘ちゃんだって思われてるかもしれないけど……」と前置きしつつ、「このスケジュールは、日々の動画撮影・編集は入っていないんです。打ち合わせとかイベントとか、そういう系の予定なんです。日中にそれ以外のスケジュールが入っていて、夜に撮影・編集することが多いので」と、あくまで動画撮影・編集を除いたスケジュールであることを明らかにした。ちなみに月に数日、動画撮影・編集に集中する日も設けているらしく、カレンダーのうえでは何も予定が入っていない、休日と思しき箇所を指していたので、思わず体調を心配してしまった。


 本人はこれほど多忙なスケジュールでも「甘ちゃんだって思われてるかもしれない」と謙遜するが、日々の撮影・編集にも多大なる時間をかけている彼のことを考えたら、とてもそんなことは言えない。あらためてヒカキンのトップクリエイターとしてのすごさに敬服させられる瞬間だった。


 とはいえ、気になるのは「動画の撮影・編集じゃないってことは何をしているのか?」ということ。ヒカキンはこれにも「せっかくなんで明かしたいと思います」と、撮影当日のスケジュールを下記のように公開していた。


13:00〜15:00 【MTG(ミーティング)】タイアップ・案件
15:00〜16:30 【MTG】グッズ関連
16:30〜17:30 【MTG】今夏発売製品進捗
17:30〜18:00 【MTG】2019大晦日大型PJ(プロジェクト)
18:00〜20:00 【MTG】夏休み試作監修
20:00〜21:00 【MTG】大型Game進捗
21:00〜22:00 【MTG】UUUM次年度・デザイン監修


 ちなみにこの日、ヒカキンは動画撮影/編集が朝の7時までかかり、5時間睡眠をしたあと、昼にシャワーを浴びて出社。「この先々の企画」や「出していない系のグッズのデザイン」、「プロデュースしたとある商品の性能とかデザインについてのミーティング」、果ては「世間ってのはそれくらい先のことで動いているもんなんですよ」と前置きしながら「年末企画のミーティング」をし、「私、ゲームをプロデュースしているんですよね。監修よりはプロデュース。こういうコンセプトで、キャラでというのを出してきたことがあって、ここでは9月までのゲームの展開を話し合いました」と、自身が手がけるゲームについてのミーティングを行なったと明かした。


 さらに、「いろんなYouTuberが絡む、とある大型ゲームとのコラボ企画」のミーティングをし、最後に彼が監修するUUUMのオフィシャルグッズについても話し合ったという。ヒカキンは「新しいサービスのロゴとか名前も監修してます」と、UUUM株式会社の最高顧問&ファウンダーとしての顔ものぞかせた。


 動画では、その打ち合わせ模様も一部公開。「選ぶんだったら3色だと少ないよねって気はするけどね」「在庫とかにならないんだったら全然……」と、本気のトーンでビジネスパーソン/プロデューサーとしての顔を見せるヒカキンの様子は、ぜひ動画でチェックしてほしい。


 これらのスケジュールを公開したあと、ヒカキンは「これ以外だと、テレビの出演前打ち合わせもありますね。幸せなことにこんな感じで仕事をさせていただいている次第です」と仕事が殺到しているなかでの喜びを語り、さらに「あとは僕自身が細かい性格なので、普通のYouTuberよりも仕事に対する打ち合わせが多くなっちゃうんですよね。自分ではいいことだと思ってやっているので、こだわりをもって妥協せずにやっていきたいと思います」と、この多忙さは自身の性格ゆえのことでもあると話した。


 ヒカキンの誕生日(4月21日)を前にした4月19日に、UUUM株式会社代表取締役CEOの鎌田和樹氏がnoteに『HIKAKIN (ヒカキン)』という記事を投稿した際、「人が言った些細なこと、行動、顔の表情、その一つ一つを無意識のうちに観察してるし、動画の編集、テロップ入れ、関わってきた一つ一つに対して全て細かくチェックします。もちろんクリエイターなので当然といえばそれまでですが、サムネの上に乗せる文字の輪郭、その細部までこだわります。とにかく細かいです。僕が知る人物の中でダントツNO.1で細かいです。笑」と記しているように、ヒカキンをヒカキンたらしめているのは、その細部まで妥協しない性格にあると言っていいだろう。


 そのジャンルでトップとされている人物は、得てしてその結果や数字で語られがちで、どんな努力をしてきたのか、どういう性格だから成功したのか、という点にはなかなか焦点が当てられづらい。もちろん鎌田氏のnoteも、ヒカキンの今回の動画もその一部でしかなく、その裏には多大なる努力があるのは間違いないのだが、YouTuber界のトップクリエイターが持つ“成功者のマインド”が、ほんの少しだけ垣間見られたような気がした動画だった。(中村拓海)


    ニュース設定