川村元気の新著『百花』刊行 山田洋次、吉永小百合、あいみょんが推薦

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2019年05月15日 00:00  CINRA.NET

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川村元気『百花』表紙
川村元気の新著『百花』が5月15日に刊行。著名人のコメントが公開された。

1979年生まれの川村元気は神奈川出身の作家、映画プロデューサー。2012年に『世界から猫が消えたなら』で小説家としてデビューし、『億男』『四月になれば彼女は』を発表したほか、絵本作家として『ムーム』などを制作している。また映画『告白』『悪人』『君の名は。』などの企画、プロデュースを担当。昨年に初監督作品『どちらを選んだのかはわからないが どちらかを選んだことははっきりしている』が『第71回カンヌ国際映画祭』短編コンペティション部門に出品された。

『百花』は、アルツハイマー型認知症の祖母の元に通った川村元気自身の体験を元に、約2年半の歳月をかけて執筆された作品。認知症によって全てを忘れていく母・百合子の介護をする息子・泉が、封印されていた「事件」の記憶を蘇らせていく姿が描かれる。カバー写真は鈴木理策、ブックデザインは鈴木成一デザイン室によるもの。

同書の刊行に際してコメントを寄せたのは、山田洋次、吉永小百合、あいみょん。山田洋次は「深い感動のうちに読了した」と述べている。吉永小百合は「息子と母の切ない思いに、胸が熱くなりました」、あいみょんは「“記憶”というものは決して自分1人のものではなく、時には誰かと自分自身を繋ぐレールになっていると思った」とコメント。

作者の川村は「認知症の方々、そのご家族、医療、介護関係者の方々、百人以上と出会いながら、“ある答え”を求めて二年半かけて書いた小説です。忘れていく母と、思い出していく息子。ふたりの愛と記憶、そして忘れられないひとつの事件の物語です」と述べている。

■山田洋次のコメント
深い感動のうちに読了した。
ぼく自身の母親の思い出と重なり、他人事ではなかったのだ。

■吉永小百合のコメント
息子と母の切ない思いに、胸が熱くなりました。

■あいみょんのコメント
“記憶”というものは決して自分1人のものではなく、時には誰かと自分自身を繋ぐレールになっていると思った。食い違うこともあれば脱線もする。記憶はあくまでも瞬間の記録で、なんだか夢みたい。悲しい記憶も嬉しい記憶も、ああ全部夢だったんじゃないかと感じる日がある。
一度失ったからこそ、二度と失いたくない息子への想い。
一度失ったからこそ、二度と忘れられない母への想い。
夢のような記録。あの日を繋ぐ記憶。

■川村元気のコメント
久しぶりに祖母を訪ねたら、彼女は僕のことを忘れていました。アルツハイマー型の認知症でした。そこから祖母の元に通い、彼女との思い出をひとつまたひとつと話していきました。忘れていく祖母と向き合いながら僕は、自分自身が色々なことを忘れたり、記憶を書き換えていることに気づいていきました。『百花』はそんな体験を元に、認知症の方々、そのご家族、医療、介護関係者の方々、百人以上と出会いながら、“ある答え”を求めて二年半かけて書いた小説です。忘れていく母と、思い出していく息子。ふたりの愛と記憶、そして忘れられないひとつの事件の物語です。
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