亀梨和也は第三形態へと新たな進化を遂げようとしている 初ソロSG表題曲「Rain」に滲み出る覚悟

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2019年05月17日 06:11  リアルサウンド

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 亀梨和也が、今夜の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演。5月15日にリリースされた初のソロシングルより、表題曲「Rain」を披露する。「Rain」は、亀梨が二階堂ふみとW主演を務めているドラマ『ストリベリーナイト・サーガ』(フジテレビ系)の主題歌として楽曲制作されたもの。登場人物たちが抱える葛藤や、不条理な世の中への怒り、そしてこみ上げる人間愛を描くドラマのテイストにマッチしている1曲だ。


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 ジャニーズの公式コミュニケーションサイト『Johnny’s web』では、1stシングルの発売を記念して、亀梨から特別メッセージが寄せられた特設ページをアップ。「深い愛の中、儚くも力強い……すごく味わいのある楽曲になってくれた」と語る亀梨。歌い方も、ふだんより“乾いた感じ”を意識していることを明かした。


 KAT-TUNとして歌う亀梨の声色はいつも、みずみずしいバラの花びらが散るようにしっとりとやわらかに、そして艶かしく私たちの耳に優しく触れる。だが、「Rain」の歌声は、ドライフラワーのようにザラザラと引っかかるのだ。


 5月11日放送の『MUSIC FAIR』(フジテレビ系)で披露した際も、マイクスタンド1本で歌い上げる雄々しい姿が印象的だった。新しい時代・令和に突入しながらも、どこか昭和歌謡のようなアナログ感が漂う。ひとりの人間が力の限りに歌うという原点回帰に近い歌。そんな生っぽい声だからこそ、切ない歌詞が心に突き刺さる。


 華麗なステップも、甘いセリフやウィンクなどのファンサービスもない。アイドルという装備を脱ぎ捨てた、亀梨和也というひとりの男の熱唱だ。その姿を見て『ストリベリーナイト・サーガ』で菊田和男を演じる亀梨が、「個性を抑えて」とスタッフから求められたと語っていたことを思い出す。


 『ストリベリーナイト・サーガ』も「Rain」も、“アイドル・亀梨和也”が積み上げてきた自己表現やキャリアを一度置き、そこから何が見せられるのかというチャレンジなのだろう。きっと亀梨の人気と実力があれば、これまでだってソロデビューを飾ることは可能だったはず。満を持して、今、このタイミングで、亀梨がソロで歌う意味があるように思えてならない。それは、積み上げてきたものがあればこそ、それを剥ぎ取ってみせる冒険。そして、その覚悟が「Rain」の中に、にじみ出ていて、私たちの心を打つのだ。


 圧倒的人気を誇ったジャニーズJr.時代から、華々しくデビューを果たした第一形態。KAT-TUNとして決して平坦とは言えない道のりを走り抜けてきた第二形態。そして今、第三形態へ、亀梨は新たな進化を遂げようとしているのではないか。


 その先に待っているのは、より人間的な“憂い”に訴えることができる表現者。まばゆい光を放ち続けている彼だからこそ、魅せることができる影。誰もが思い描く“亀梨和也”の像を掻き消し、いい意味で裏切っていく。そんな亀梨の新たな挑戦が、今始まった。(文=佐藤結衣)


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