King & Prince 永瀬廉のライバル・憧れの存在は? 初主演作で芽生えた“役者業への情熱”を語る

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2019年05月17日 12:02  リアルサウンド

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 King & Princeの永瀬廉が主演を務める映画『うちの執事が言うことには』。本作は、高里椎奈による同名ミステリー小説を実写映画化したもので、日本が誇る名門・烏丸家の27代当主となった花穎が、新しい執事の青年・衣更月蒼馬と共に、次々に起こる不可解な出来事を解決しながら、烏丸家を守り抜いていく。事件解決に花穎とともに挑む衣更月を清原翔、大学生兼企業家で、物語の鍵を握る赤目刻弥をKing & Princeの神宮寺勇太が扮するほか、優希美青、神尾楓珠、吹越満、奥田瑛二ら若手からベテランまでが脇を固める。


 永瀬は2014年の映画『忍ジャニ参上! 未来への戦い』で重岡大毅演じるカザハの幼少期を演じ、今回の作品が初主演となる。本作における意気込みや役作りの方法、そしてライバル・憧れの存在まで、話を聞いた。


■「小学生の自分からしたら、ありえない世界です」


ーー初主演のオファーをもらった時の感想は?


永瀬廉(以下、永瀬):最初は不安でした。もちろん嬉しいのですが、素直に喜べなかったです。いつかは映画の主演をやらせていただきたいとは思っていましたが、まさかいきなり主演だとは思わなかったので、プレッシャーを感じました。そこから徐々に、「やってやろう!」という気持ちが出てきました。


ーーしかも役柄も、上流階級の名家の御曹司という役です。


永瀬:非現実的な生活をしている御曹司なので、最初は「あ、こんな役なんだ」とびっくりしました。でも台本を読み進めていくと、自分と少し境遇が似てる部分もあって。生活は違いますが、役自体はそこまで違うとは思いませんでした。


ーー似ているというのは?


永瀬:花穎は急に烏丸家の当主になる。僕自身も、急に転校になったりと、自分の環境ががらりと変わってしまうことはあったし、それがいやで抵抗しようする気持ちもわかります。受け入れられないというか。あと、ちょっとわがままだけど、人を大事にする部分も一緒だったり。


ーー転校が多かったんですね。


永瀬:家の都合で幼い頃からかなり転校していて、幼稚園3つ、小学校4つ、中学校そのままで、高校は2つ経験しました。その頃は多感な時期じゃないですか。だからどんどん人見知りで内向的になっていって。でもジャニーズに入って変わったんですけどね。寂しいですよね、「どうせ仲良くなってもまた転校するんだろうな」と思っちゃうし。僕、めちゃくちゃ暗かったんですよ。人に話しかけてもらうまで自分から行ったりしなかったし。わかっちゃってますからね、またどっかに行っちゃうって。切なかったです。


ーーそれが、ジャニーズに入ったことがきっかけで変わったと。


永瀬:少しずつ応援してくれるファンの方がいたり、自信を持てるようになって変わっていったと思います。小学生の自分からしたら、ありえない世界ですけどね。その頃はジャニーズに入るなんて思ってもいなかったし、人前に立つのもいやでした。恥ずかしいというタイプだったので。隠しルート見つけた! みたいな感じです(笑)。


ーークランクインは去年5月。ちょうどKing & PrinceとしてCDデビューした時期と重なっています。


永瀬:でも、そこまで大変だったという感じではありませんでした。映画の撮影現場はすごく楽しかったし、グループとしてもデビューしたてで勢いに乗っていかないといけない時期だったので、「やってやろう!」と。忙しくて大変だったというより、むしろデビュー初っ端から忙しくて嬉しいなという感覚でした。


ーーグループとしての活動と、永瀬廉個人としての活動ではやっぱり気持ちは違いますか?


永瀬:違いますね。グループだとみんなで分割という感じですが、1人だと僕がすべて背負っているので。頼れる人はいないですが、楽しんでやっています。


■「仲違いのシーンはエネルギーを使いました」


ーー初主演として、どういう準備をして撮影に挑みましたか?


永瀬:家で台本をしっかり声に出して読むことは意識しました。一番したのは台本を読み込むことです。本当に人のセリフを言えるくらい読んで、原作も読みましたね。初めての主演だったので、それくらいのことしかわからなかったというのもあります。あと映画をいくつか観ました。


ーー神宮寺さんがいることで安心感があったりはしましたか?


永瀬:そうですね。やっぱり1人メンバーがいると精神的な余裕はありました。そういう意味では、神宮寺の存在はかなり大きかったです。


ーー神宮寺さんはじめ、清原翔さん、優希美青さん、神尾楓珠さんと同世代の多い現場ですね。


永瀬:楽しいですよ! 神宮寺はもちろん、翔くんと食事に行ったりもしました。嬉しいですね、撮影がない時も一緒にプライベートで遊べたりして。


ーー清原さんとは、どのように関係性を築いていきましたか?


永瀬:最初は僕から積極的に話しかけていったと思います。雰囲気的に、「翔くんはあまりしゃべりかけてこないタイプかな?」と思って。自分は「絶対仲良くなりたい!」と思ったので、話すうちに打ち解けて、僕が翔くんをいじったりとか、でも最近食事に行くと、逆にいじってきたり(笑)。


ーー友達なのか、兄弟的な感じなのか、どっちなのでしょう。


永瀬:うーん……お兄さんですかね。役者的にも年齢的にも翔くんは先輩ですし、演技の面においても、一緒に試写を観て、お互い「ここ、もっとこうできたよね」とかそういう話はしました。神尾楓珠くんも翔くんも、これからも自分の中で気になる存在というか、「今何の仕事してるのかな?」「映画撮ってるのかな?」とか、一緒に1つの作品を作った同士として、今後も気にかけていくのかなと思います。


ーー苦労したシーンがあれば教えてください。


永瀬:中盤の衣更月との仲違いのシーンはエネルギーを使いましたね。悔しいだとか、まだ認めくれなくて悲しいとか、いろんな感情が入り乱れながらセリフを言わなければならず苦労しました。大事なシーンだったので、監督も僕が感情を作りやすいように声をかけてくれたり、アドバイスもしてくれました。撮り終わったあとは、翔くんと顔を見合わせて「今、よかったんじゃない?」と通じ合えました。


ーー永瀬さん自身は、どうやって相手と信頼関係を築いていきますか?


永瀬:まず、僕自身がどんなやつか相手に知ってもらおうとしますね。やっぱり知らない相手とは腹を割って話せないと思うので、まずは知ってもらいたいです。


ーーでは、家族やメンバーなど、身近な人とはどうですか?


永瀬:ある程度の距離感が大事かなと思います。近すぎても遠すぎてもダメになってしまう。僕もまだメンバーとの距離の取り方をはっきりとはわかっていないですが、この先何十年も共にしていくからこそ、最適な距離感で一緒にいられたらいいなと思います。


■「ライバルは紫耀、尊敬する先輩は岡田くん」


ーー花穎は、前の執事であった奥田瑛二さん演じる鳳の言葉を大切にしていますが、永瀬さんも、人からかけてもらった言葉で大事にしているものはありますか?


永瀬:前に『ザ少年倶楽部』(NHK BSプレミアム)のゲストに佐藤アツヒロさんが来てくださいました。話す中で、「緊張しないんですか?」と聞いたら、「したよ」と。アツヒロさんは「80パーセントの力」でやるんだそうです。「100パーセントの緊張した状態でやると体に余計な力が入って失敗したりするから、リハは全力でやって、本番はあえて力を抜く。80に余分な力を足すと、100になるから」と言っていました。心に響くものがあって、それ以来僕の中にある言葉ですね。だから、今回の現場でもあまり気負わずにやって、そのおかげで楽しくできたのかなと。


ーー初主演というのは、意識せずとも力が入ってしまうものですよね。


永瀬:最初のほうは硬かったと思います。クランクインがパーティーのシーンだったので、エキストラさんもたくさんいて、翔くんともまだ関係性ができていなかった。初っ端のセリフ、たぶん噛みましたね(笑)。試写で映像を観た時に硬いなと思う部分もありましたし、スタッフさんに聞いたら「確かにちょっと硬かったかもね」と。「クソォ!」と悔しく感じました。


ーー撮影を終えてみて、成長したと感じる部分は?


永瀬:一番は「演技をしたいという気持ち」ですね。その気持ちがこの作品のおかげでめちゃくちゃ大きくなりました。試写で悔しい思いをしたからこそ、もっとうまくなりたいと思いましたし、そこが一番の収穫ですね。


ーー今後チャレンジしたい役は?


永瀬:う〜ん……難しいのがいいなぁ。サイコパスみたいな(笑)。どんな役でも挑戦してみたいですね。


ーー永瀬さんはライバルはいるんでしょうか?


永瀬:ライバル……(すこし考えてから)、(平野)紫耀ですかね。ずっと一緒に活動してきて、関西の時から一番近くで見てきたからこそ、今の紫耀の活躍はすごく嬉しいし、刺激になります。「俺ももっと頑張らなきゃ」と思わせてくれる存在ですね。


ーー役者という点で、憧れている先輩は?


永瀬:岡田(准一)くんがすごいなと思いますね。格闘技も資格を取って教えられるくらい突き詰めていらっしゃる。行くところまで行っていて、誰が見ても「これはすごい!」と思えるレベルまで到達しているのがかっこいいなと。体つきも作っていて、そのストイックさには頭が上がらないです。


ーー岡田さんは時代劇で殺陣にも挑戦していたり。


永瀬:「ある程度見せられるレベルまでできたらいいや」というのではなく、ひとつを突き詰めていますよね。そして、それができるようになったら、また次へと挑戦している。そこがかっこいいなと。尊敬する先輩です。(取材・文=若田悠希)


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