「週末映画館でこれ観よう!」今週の編集部オススメ映画は『コンフィデンスマンJP ロマンス編』

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2019年05月17日 17:01  リアルサウンド

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 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、リアルサウンド映画部のピュアガール担当・大和田が『コンフィデンスマンJP』をプッシュします。


【動画】『コンフィデンスマンJP』予告編


■『コンフィデンスマンJP』


 『アベンジャーズ/エンドゲーム』を劇場で鑑賞してから、力が抜けきってしまい映画館に一度も行けなかったGW。今年の楽しみな映画がなくなってしまった喪失感を取り戻してくれたのが『コンフィデンスマンJP』だ。


 昨年、フジテレビの月9枠で放送されたドラマ版『コンフィデンスマンJP』は、『リーガル・ハイ』『デート〜恋とはどんなものかしら〜』などを手がけた脚本家・古沢良太による痛快コメディ。常識はずれの天才詐欺師“ダー子”(長澤まさみ)、お人好しな詐欺師“ボクちゃん”(東出昌大)、ベテラン詐欺師“リチャード”(小日向文世)ら3人のコンフィデンスマン<信用詐欺師>たちが、あらゆる業界を舞台に欲望にまみれた人間からお金をだまし取る。


 ドラマの続編となる映画だが、ドラマを観ていない方がむしろ、思いっきり騙される爽快感が気持ち良いはず。やはり10話にも渡ってドラマを楽しんできた筆者にとしては“騙される”のはもう分かっていることだったため、ドラマを観ていなかったらもっと新鮮な気持ちで物語の展開に興奮しただろうなと、羨ましとさえ感じてしまっているので、MCUなどのような予習は必要ない。安心して映画館に向かって欲しい。


 ちなみにドラマでは、騙されっぱなしの仕掛けはもちろん、土器作り中にレキシの曲が流れたり、山田孝之のほんの数秒ゲスト起用、長澤に対して東出に「ガッキーだったらな」と言わせてしまうセリフなどたくさんの笑いのネタが仕込まれてきた。今回の劇場版もコメディがベースではあるのだが、「ロマンス編」と題されている通り、恋愛模様が大きく描かれる。ストーリーの内容以上に、その恋愛要素の大部分を役者の演技、表情が担っていた印象があり、新感覚のロマンス作品に感じた。


 また、Official髭男dismが手がける主題歌が作品と相まってとても良い。ドラマ主題歌「ノーダウト」のポップな曲調から、印象がだいぶ変わる本作の主題歌「Pretender」はミディアムバラード。楽曲制作の背景はインタビュー(https://realsound.jp/2019/05/post-353587.html)で明かしているが、鑑賞後に流れる主題歌によって哀愁感が加えられるような、また少し作品の印象が変わってくる感覚がとても不思議だった。


 そしてやはり主演の長澤まさみの魅力に、騙される相手たち同様、観ているこちら側がとても振り回される。4月に公開された『キングダム』山界の王・楊端和役でもその佇まいで圧倒的存在感を放っていたが、翌月にはまた別の顔でスクリーンを独占している状況に、『セカチュー』や『タッチ』、同じくフジテレビ月9ドラマ『プロポーズ大作戦』の頃から魅了されている筆者としては「長澤まさみって永遠にすごいんだな」の声しか上がらなかった。東出の声が上手く生かされた若干情けなそうな雰囲気が愛らしいボクちゃん。そして、リチャードを演じるとともに、自身が楽しみつつも2人をしっかり見守っている小日向。また今回、ゲストとして登場する三浦春馬の色気と竹内結子の美しさと可愛らしさ(劇中で竹内の抜擢について長澤が言及しているセリフに納得)と江口洋介のワイルド加減と新人・織田梨沙の奮闘ぶり、そして忘れちゃいけない五十嵐(小手伸也)! あと、エンドロールは絶対立たずに残っていてください。あの人の懐かしい姿が見れるはずです。


 映画化の発表さえ「嘘か?」と騒がれた当時から1年が経ち、今となっては毎週騙されていた3カ月をとても贅沢に感じる。最終話の話が1話より前だったなんて体験をしたら、映画でも流石に途中でもう種明かしも分かるだろうと甘く観ていたが、普通に無理。観終わったらおそらくドラマを観たいと感じてしまうと思うので、絶賛受付中の『コンフィデンスマン JP』DVDプレゼントへの応募がおすすめだ。


(リアルサウンド映画編集部)


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