江戸崎ボーイズ|『聴く力』と『自分で考える力』でつかんだ全国ベスト4

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2019年06月03日 12:11  ベースボールキング

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平日の練習参加は任意で、積極的な長期休みも取り入れながら創部4年目に全国ベスト4進出を果たした江戸崎ボーイズ。前編では技術向上のために選手の『聴く力』を養っているとのことだったが、もう一つ重視しているのが『自分で考える力』だという。渋谷泰弘監督は例を交えながらこのように話した。

「試合などで他のグラウンドに行った時に、選手たちにはまずトイレの場所を真っ先に確認するように言っています。そうすることでまずは落ち着いて野球に集中できるという考えからです。
あと細かい話ですが、選手同士の“連れション”は禁止しています。自分がトイレに行きたいタイミングで行く、あと間食も自分で必要だと感じたタイミングで各自が摂る。些細なことかもしれませんが、そういうことの積み重ねで色んなことが自分で判断できるようになると思います。

入部してきた1年生はまず色んなことを聴く、ルールを覚えるということからスタートして、慣れてきた2年生で技術をしっかり身につける。そして3年生になったら本人たちに任せるという流れです。だから今の時期も3年生は平日の練習は休むようにさせています」



1年生の間にルールを覚える、と聞くと色々と制約が多いように聞こえるかもしれないが決して選手を縛り付けるのではなく、ルールやマナーを学びながら自主性を伸ばしていくというのがチームの方針だという。また、グラウンドだけでなく家庭でのコミュニケーションについても重視しているそうだ。

「選手が努力をするのは誰のためかと言えば自分のためです。その自分のための努力を楽しもうということはチーム全体に言っています。そうやって楽しみながら向上心に溢れるグラウンドにする、練習の時から試合で得点が多く入ってチームが乗っているような雰囲気を作る。そうすることが技術の向上にも繋がると思います。
あとは親から応援してもらえないような選手はNGです。だから保護者には選手に練習や試合がどうだったかどんどん聞いてくださいと言っていますし、選手にはそれに対して『別に』や『いつも通り』という答えは禁止しています。常にどんな練習をしてどんなことを考えて取り組んだかを振り返れば、そんな答えにはなりません。ちゃんとそういうことを報告して、取り組んでいることを親から応援してもらえるような選手になろうという話をしています」(渋谷監督)

練習の最後には黙想の時間をとり、全員で練習を振り返るようにもしているそうだ。このように選手の『聴く力』、『自分で考える力』を養うという方針はチームの藤田大輔オーナーの考え方から来ているところが大きいという。しかしオーナーはあくまでも大方針を伝えるだけで詳細な部分を決めるのは渋谷監督とコーチたちによってである。そして基本的に監督、コーチは選手の父兄ではなく専任であるというのも江戸崎ボーイズの特徴だ。



「会社のように、藤田オーナーが社長で自分が部長、コーチが課長というような感じでやらせてもらっていますが、オーナーからは本当に信頼して任せてもらっています。練習や試合の時もふらっと来て、いつの間にか帰っているという感じですね。現場のことで色々と言われることはありません。選手は努力を楽しむと言いましたが、自分たち監督、コーチはその立場の責任を楽しませてもらっています」(渋谷監督)

次回へ続きます。
(取材・西尾典文/写真:編集部)

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