13年目のベテランから有望株まで…奮闘する“日系”メジャーリーガーたち

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2019年06月04日 17:40  ベースボールキング

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今季メジャー昇格を果たしたヒウラ (C)Getty images
◆ 日本にルーツを持つメジャーリーガー

 大谷翔平(エンゼルス)や田中将大(ヤンキース)など、日本のプロ野球で実績を積んだ後、活躍の舞台をメジャーリーグに移す日本人選手は国内での注目度も高い。現在のところ、プロ野球を経てメジャーの舞台で活躍している日本人選手は6人ほど。一時期に比べると、その数は減少傾向にある。

 一方で、日本にルーツを持っている、いわゆる“日系”アメリカ人選手も一定数いる。古株の一人といえば、捕手のカート・スズキだ。

 2007年にメジャーデビューを果たしたスズキはもうキャリア13年目。35歳となった今季はナショナルズで32試合に出場し、打率.279、5本塁打、20打点と存在感を見せている。スズキの祖父母が日本出身で、自身はハワイ生まれという日系3世だ。

 スズキと同じく捕手を務めるヤンキースのカイル・ヒガシオカは、カリフォルニア出身の日系4世。2017年にメジャーデビューを果たしたが、なかなか定着することはできず。通算で42試合に出場し、打率は.143。今季は4月に一度メジャー昇格を果たしたが、4試合に出場しただけですぐに降格した。29歳ということもあり、今季はメジャー定着に向けて崖っぷちともいえるシーズンを送っている。


◆ 昨季のナ・リーグMVPも!

そして、そのヒガシオカとヤンキースの3Aでチームメートとしてプレーしているのが、加藤豪将だ。

 加藤はもともとアメリカで生まれたが、幼少期を日本で過ごしたため“日本人”という扱い。そのため、選手名の表記も「ゴウスケ・カトウ」ではなく、漢字で「加藤豪将」となっている。

 2013年のドラフトでヤンキースから2巡目で指名されるなど、その将来が有望視されていたが、昨季まではマイナーで苦しい時期を過ぎしてきた。24歳で迎えた今季は初めて昇格した3Aで好調を維持。メジャー初昇格も期待されるほどだった。結局のところメジャー昇格には至っていないが、ロースター枠が拡大する9月にはチャンスを与えられる可能性が高い。

 その加藤よりも一足先にメジャーデビューを果たしたのが、ブリュワーズのケストン・ヒウラ(22歳)である。父方の祖母が日本人の日系3世。2017年のドラフトで1巡目(全体9位)の高評価を受け、ドラフトから2年弱でメジャーにたどり着いた。

 5月の初昇格以降、ここまで17試合に出場。打率.281、5本塁打、9打点という活躍を見せている。現地時間2日のパイレーツ戦では4番を任されるなど、首脳陣からの評価もうなぎのぼりだったが、残念ながら現地時間の月曜日にマイナー降格が決定。再昇格の日が待たれるところだ。

 また、ヒウラとチームメートで昨季ナ・リーグMVPに輝いたクリスチャン・イエリチも、実は日本にルーツを持つ。母方の祖父が日本人なので、日系3世ということになる。今季は両リーグトップの22本塁打をすでに放ち、昨季と比べても引けをとらない活躍ぶりだ。

 このように、日本にルーツを持つメジャーリーガーは決して多くはない。しかし、加藤以外にもメジャー昇格を夢見てマイナーで泥にまみれている選手も何人かいる。彼ら“日系人”選手の活躍にも注目したい。


文=八木遊(やぎ・ゆう)

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