ホンダF1本橋CE カナダGP予選後インタビュー:トロロッソは予選Q2敗退も初日からバランスは大きく改善。「レースには期待しています」

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2019年06月09日 20:11  AUTOSPORT web

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2019年F1第7戦カナダGP ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)
F1第7戦カナダGP予選では、トロロッソ・ホンダのダニール・クビアトは12番手、アレクサンダー・アルボンは14番手に終わり、Q2敗退という結果に。しかし、それはケビン・マグヌッセン(ハース)のクラッシュによる赤旗の影響によるもので、ホンダの本橋正充チーフエンジニアによりば、クビアトは、アタックさえできていればQ3に進出できた可能性が高かったという。

 苦戦していた初日から大きく改善を果たしたトロロッソ・ホンダに、レースの手応えも感じているようだ。

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──(ダニール)クビアトが言うには、同じ市街地サーキットでもモナコに比べると、カナダはトロロッソのパッケージと相性が良くないとのことでした。同じ意見ですか?
本橋正充チーフエンジニア(以下、本橋CE):どうでしょう。セットアップが難しいのは、確かでしょうね。曲がりくねっているモナコに対して、ここは長いストレートもあれば低速コーナーもある。そこを、どうバランスを取るかですね。

──縁石が高いのも、去年までのクルマは苦労していました。
本橋CE:縁石は、確かにそうですね。そこはパワーユニット側にしても、うまくトラクションに繋げられるよう、調整に気を使います。縁戚に限らず車体のナーバスな挙動は、去年に比べるとずいぶんよくなったと思います。

──今回は初日に苦労して、昨日の夜はデータ解析にいっそう精を出した。その成果は出ましたか。主に車体側の話だと思いますが。
本橋CE:チームはだいぶ頑張ってくれたと思います。マシンバランスは、ずいぶん改善されましたから。それがタイムに繋がったと思います。

──クビアトは赤旗で、最後のアタックができなかったのでしょうか?
本橋CE:そうですね。途中まではいいタイムでしたから、Q3に行けていた可能性は高かった。一方の(アレクサンダー)アルボンは、最後のアタックにわずかに間に合いませんでした。間に合っていたとしても、赤旗に引っかかったでしょうけどね。

──2台とも昨日から今日にかけて、大きく改善したんですね。
本橋CE:ええ。チームが夜通し頑張りましたから。普通に走れば、Q3は行けていたでしょう。

──中古のソフトタイヤでスタートするより、よかったかもしれないですね。
本橋CE:だと思います。明日のレースには期待しています。

──二日目に向けての改善作業の中で、パワーユニット側の貢献というのはありますか?
本橋CE:直線あり、低速コーナーあり、さらに滑りやすい路面だったので、モナコとは違う観点ですけど、ドライバビリティのさらなる調整ですね。

──それは主に、立ち上がりでスロットルを開ける時ですか。
本橋CE:全体ですね。エンジンブレーキも立ち上がりも。



──セクター3でなかなかタイムがまとまらないのは、ヘアピンの進入や立ち上がりでのタイムロスが大きいからですか?
本橋CE:そこは車体屋さんの方が詳しいと思いますが、やっぱり(タイムをまとめるのは)難しいですよね。アタックの最中に、タイヤの温度がどんどん変わっていく。なのでアタック後半になればなるほど、厳しいですね。

──特にここは、タイヤが冷えやすいです。
本橋CE:そうですね。

──レースペースは、どうですか。
本橋CE:初日の感じだと、今までほどよくはなかったですね。ただFP3でだいぶまとまっていたので、そこそこ期待できると思います。

──楽しみですね。今回の中団グループのタイムの接近ぶりは、いつも以上に凄いですね。
本橋CE:ええ。一発の速さだけでなく、ロングランペースもライバルたちもそこそこ速いです。きっちり仕事をしていくしかないですね。

──今回ルノー搭載車4台が、トップ10に入りました。メーカー4社の差は、縮まっているといえるんでしょうか。
本橋CE:どうなんでしょうね。具体的な使い方はよくわからないし、最高速にしても車体の影響を受ける。一概にはいえませんが、上にいる人たちがきっちり速いし、パワーも出ているのは確かです。ルノーがどこにいるかははっきりいえませんが、まだやるべきことは多いと、毎戦思っています。

──上の方はきっちり速いとはいえ、おろしたてのエンジンが壊れたりもしました。
本橋CE:そうですね。

──他人事ながら、ドキッとします?
本橋CE:しますねえ。何があるかわからないですし、過去を振り返ると僕らも相当痛い目に遭ってきている。たとえ懸念はないと言われても、やはりレースでは何が起きるかわからない。ちょっとしたことでも、大惨事に至るというか。

 なので日頃から、データをしっかり見るのはもちろんのこと、レース現場ですべてに目を光らせる作業は欠かせません。かつての自然吸気エンジンに比べると機構も複雑ですし、部品点数も飛躍的に増えている。その分、信頼性に気を使わないといけない部分ははるかに多いです。

──とはいえ今年、供給台数が2倍になって、パフォーマンスも確実に上がっているのに、壊れないですね。
本橋CE:まあ、過去が過去でしたから(苦笑)。走り切らないとレースにならないのは当然ですが、守り過ぎてもレースにならない。その辺はきっちりバランスを取って、走らせないといけないですね。ハードウェア的に開発の結果が出てますし、ソフト的にも使い方のノウハウが蓄積されてきましたね。

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