『ストロベリーナイト・サーガ』渡辺恒也P、反響に手応え 「ブルーマーダー」に託したテーマとは

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2019年06月20日 08:31  リアルサウンド

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『ストロベリーナイト・サーガ』(c)フジテレビ

 『ストロベリーナイト・サーガ』(フジテレビ系)がいよいよ6月20日に最終回を迎える。本作は、2010年より竹内結子主演で放送されてきた『ストロベリーナイト』を再構築し、同じ物語をいちから描いた作品である。連続ドラマやスペシャルドラマ、そして劇場版まで展開された話題作のリメイクで、思い切った挑戦であった。主人公の姫川玲子には、原作の年齢よりかなり若い二階堂ふみを起用。新生”姫川玲子”を作り上げた。それに付随し、姫川との関係性が重要となる新しい菊田像も求められ、亀梨和也が抜擢された。そんな2人を筆頭に走り続けた『ストロベリーナイト・サーガ』について、最終回を目前にプロデューサーの渡辺恒也氏に視聴者からの反響を聞いた。


「スタートした当初は前に放送したシリーズと同じ原作を取り扱った回もあったので、戸惑いの声もありました。しかし徐々に今回のキャストと世界観、演出にも馴染んでいただけたようで、中盤あたりからは『今回の登場人物たちの世界観もいいな』と、評価していただけけるようになってきました。特に10話からは始まった『ブルーマーダー』は原作の姫川玲子シリーズで初めて映像化される話でもあるので、そこに対しての期待の声を多くいただいているのをすごく感じます」


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 この『ブルーマーダー』は、青いマスクをかぶった「ブルーマーダー」と呼ばれる殺人鬼が、暴力団組長などの反社会的組織の人間を残忍な方法で大勢殺害する謎の殺人事件を取り上げた作品だ。かなり思い入れのある作品だそうで、ドラマの締めとなるラスト2話を飾るだけに、とても重要な流れを踏襲しているようだ。


「今回の“サーガ”というタイトルをつけようと思ったのも、この『ブルーマーダー』を映像化したいという思いが大きなウエイトを占めていました。ですので、そこに向けて話を作ってきたからこそ、僕らとしても満を持してという思いがありましたね。この『ブルーマーダー』を最終話まで観ていただくと、今回のサーガの流れや、大きな意味での物語の終着点を感じていただけるのではないかと思います。最終話の中で、要潤さん演じる木野(ブルーマーダー)の、犯行の動機や目的が明らかになっていきます。最終話を観ていただくと、『ストロベリーナイト・サーガ』の根底に流れている、人間と犯罪や、刑事との関係などがわかると思います。『ブルーマーダー』は、作品全体のテーマの芯を食ったストーリー展開になっているんです」


 さらに注目したいのは菊田と姫川の関係だろう。第10話ではお互いに未練を感じさせる様子を見せながらも、はっきりとしない関係が続いている。


「菊田は第10話の冒頭で、夢の中で姫川の断片的な姿を追っています。今でも姫川を想っている、という部分について亀梨くんとも『現実にもこういうことってあるよね。すごくリアリティある部分だよね』と話しました。そこを抱えたままモヤモヤと1年間を過ごしている菊田なので、次のステップに進むことができるのかというのは彼の課題として最終話で描かれていくと思います。亀梨くんは今回かなりセリフが少なく、一方で姫川を遠くから見つめているシーンが多くあります。初回からこの10話まで、姫川を見ている菊田の眼差しの変化が顕著に感じられる。亀梨くんは、表情のお芝居がすごく上手な方だなと、クランクアップを終えた今改めて感じますね。ちょうど亀梨くんの歌う主題歌の『Rain』を使ったダイジェストが公開されたのですが、それを観ると菊田がずっとどんな風に姫川を見てきたかがわかりますよ」


 最後に、本作の手応えについて、渡辺氏はこう語る。


「手応えは十分に感じており、現場のスタッフもキャストも高いモチベーションでやってこれました。すごく見ごたえのある作品になったと思います。連続ドラマは毎週回を追うごとに登場人物たちの関係性が深まりますし、今回はそれぞれの事件を通して徐々に明らかになる全体のテーマがあったので、最終回が終わった後に全部通して観ていただくと、より深く作品を理解していただけるのかなと思います」


 『ストロベリーナイト・サーガ』では、毎話原作と同名タイトルで映像化されており、それゆえにストーリーごとに作品を観てしまいがちだ。しかし、実は通して観ることでより深く楽しめるようになっており、姫川を中心に、菊田、警察関係者、そして山本耕史演じる牧田との関係なども最終話までしっかりと見届けたい。


(Nana Numoto)


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