【人気私立小を大分析】ペーパーレスで縁故最強の慶應幼稚舎、ペーパーありで実力主義の慶應横浜初等部

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2019年06月22日 20:02  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

コージアトリエのブティックへ行ってきました。お受験会場へ行くと子ども向けブランド「familiar」率が高いから、ここで子どものお受験服を作って着ていけば素敵に目立ちそうです。

 先日、慶應横浜初等部の制服デザインをされている、「コージアトリエ」のアシスタントデザイナー・渡辺陽子さんとお話できる機会があり、すっかり意気投合しました。今月は弊社運営の保育園「駒沢の森こども園」で有名私立小学校の学校説明会を行うのですが、その後の時間で「お受験する学校によって、メイクや服装を変えるべき」というお話をしていただこうかなと考えています。

 就職活動でも、エアラインとメーカーでは求められるメイクがまったく違うのと同じで、小学校も学校によってカラーがまったく違います。昔、女性ファッション誌「VERY」(光文社)に、お受験ママの声として「成〇は特殊な学校で、面接にエルメスのケリーバッグを持っていくと合格すると言われていたので、持っていったら合格した」と都市伝説レベルものの一文が載っていたのですが、ここはお受験の服装のプロである、渡辺陽子さんに話してもらい、ネットや雑誌に振り回されるお受験ママに「正解」を語ってもらいたいなと思いました。

人気私立小トップに君臨する、慶應幼稚舎のお受験はペーパーレス!

 カラーといえば、同じ慶應ブランドでも慶應幼稚舎と慶應横浜初等部では全くカラーが違うことも有名です。幼稚舎は渋谷区恵比寿にあり(最寄り駅は広尾)、芸能人の子どもも多く通い、華やかです。特色としてクラスは6年持ち上がりで、クラスによって異なる授業の進み方やルールがあるそうです。受験では、ペーパーテストがなく、行動観察(グループでゲームをしたりする)と絵画(製作含む)、模倣体操(先生と同じことをする)があります。

 体操は模倣体操と、指示体操です。他校と同様、お手本の先生がジャンプをしたとき、「片足」だったのか「両足」だったのかをしっかり見ていないとダメ。行動観察では最初に発言した子に加点されるので、全員発言する機会があるか戦々恐々です。

 幼稚舎はリーダーシップが取れる子を好くので、行動観察試験中に輪に入れない子がいたら「一緒にやろうよ」と声を掛けたり、「リーダーを決めてやろうよ」(まあ言い出した子がリーダーになるんだけど)と提案したりできる子が好きです。そもそもお受験会場では周囲は初めて会った子たちばかりなので、もじもじするのが普通だと思うのですが……。幼児教室で訓練された子ばかりなので、心配は無用なのか。

 幼稚舎ならではの出題は、やはり絵画です。数年前までは絵画の途中で、先生から「何を描いているの?」などの「お尋ね」があった子は合格といわれていたのですが、「お尋ね」が有名になりすぎて、最近は出来不出来関係なく「お尋ね」があるそうです。また、幼稚舎ならではの「ヒマラヤ問題」と言われている難問(※)の絵画が出題される年もあり、柔軟な頭の持ち主でユニークな発想ができる子ではないと、倍率10倍の壁(しかも縁故最強)は破れないと思います。

 試験自体は入室してから90〜120分で行われます。子どもの試験中に親の面接を行う学校も多いですが、幼稚舎&初等部は親の面接がないので、保護者は控室で待つのみです。

 知り合いのお子様で、お受験対策の「お教室」も通わずに合格した人がいるのですが、お父さんの職業は伝説のAV監督、お母さんはカリスマAV女優です。お父様いわく、「自己破産してお金がなかった時期なので、お教室は行かせず、海や川に行って思いっきり遊んだ」「幼稚舎は偏見のないとてもいい学校、素晴らしい」と話していました。とにかくお受験までの日々は、昭和の子どもらしい遊びをさせていたそうです。

 慶應横浜初等部は、東急田園都市線江田駅から徒歩約10分の住宅街の中に学校があります。知っている範囲だと芸能人のご子息はいないよう。その理由にかかわるのかは不明ですが、幼稚舎がノンペーパーに対し、横浜初等部は最初にペーパーテストが行われ、そこで合格しないと2次には進めません。ペーパーはさほど難しくないので、ほぼ全問正解じゃないと2次には進めないレベルです。

 2次は幼稚舎同様の体操、行動観察、絵画です。開校当初は幼稚舎の過去問の類似問題が出ていたのですが、最近は独自の出題の傾向が強いと思います。うちの保育園の卒園生が通っているのですが、素敵だなと感じたのはノート。学校指定で、あの有名なペンの校章が入っていて、持っているだけで賢く見えます。クラス替えがあり、幼稚舎と違って持ち上がりはありません。幼稚舎と同じなのはK組E組I組O組と分かれているところと、お弁当ではなく給食なところです。入ってからも勉強はしっかりさせるようで、元園児によると「けっこう大変〜」と言っていました。

 ちなみにこの子は最初会ったとき(3歳)から、超利発で、ほかの子とはまったく違っていましたね。この子の勉強は、朝自宅でお母さんとのペーパー、保育園でペーパー、角川オリジナル指示製作練習(お手本通りの順番でカバンや靴、サイコロなどを作りました。画材は画用紙、折り紙、モール、スズランテープ、お花紙などです)、帰宅後ペーパーが平日メニューで、土日にお教室と絵画教室へ通っていました。

 地頭がよく、言葉も達者、目を引く美少女でしたね。幼稚舎&初等部とも、体操が試験にありますが、指示体操なので、体操教室には通わなくても問題ないようです。合格した子も通っていませんでしたし、『慶應幼稚舎』(幻冬舎新書)、『慶應幼稚舎と慶應横浜初等部』(朝日新書)の著者でうちの保育園の顧問でもある、アンテナ・プレスクール校長・石井至さんが「体操教室は必要ない」とおっしゃっていました。

※「ヒマラヤ」を10回言わせてから「世界で一番高い山は?」(正解はエベレスト)と質問するように、誘導のような設定を与えてから、物事の本質を描かせる絵画の難問

角川慶子(かどかわ・けいこ)
1973年、東京都生まれ。「角川春樹事務所」会長・角川春樹氏の長女。自身も元アイドルという異色の肩書きに加えて、ビジュアル系バンド好きで、元バンギャルの”鬼畜ライター”としても活躍。2011年9月に認可外保育園「駒沢の森こども園」、16年4月からは派遣ベビーシッター「森のナーサリー」、17年4月に認可外保育園「衾の森こども園」をオープンさせる。家庭では11歳の愛娘の子育てに奮闘中。

 

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