今日俺バンド、Aimer……TikTok、上半期ホット楽曲から2019年の傾向を分析

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2019年06月23日 07:01  リアルサウンド

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『今日から俺は!!』オリジナル・サウンドトラック(瀬川英史)

 若者を中心に流行中の音楽動画アプリ・TikTok。アプリ内にある「ホット」「人気急上昇」「おすすめ」などの楽曲リストからは、今TikTokでどんな楽曲が流行っているのかを知ることが出来る。このコラムでは毎月、リストから注目の楽曲をピックアップし、動画の傾向とあわせて紹介してきた。


(参考:岡崎体育×「#腹太鼓ダンス」、moumoon×「#サヨナラ五月病」……TikTok『ホット』『人気急上昇』楽曲を考察


 新語・流行語大賞2018に「TikTok」がノミネートされていたことからもわかるように、昨年はTikTokの存在が一気に世の中に浸透した一年だった。もともとは音楽に合わせてリップシンクやダンスを披露する動画が主流だったが、ユーザー層が拡大していくにつれ、ショートムービー系、ネタ系、イラスト系、料理系などの動画も増加。それに加え、「ポーズシャッター」を始めとする様々なエフェクトやフレーム機能の登場によって、投稿内容はより多様化してきている。これらの影響からか、TikTokで使われる楽曲にも変化が出てきた。バズりやすい楽曲には、決めポーズを取りやすいテンポ感の良さや、思わずリップシンクしたくなる共感性の高い歌詞などの特徴があったが、今はこれに限らず意外な楽曲がバズることも少なくない。そこで今回は、今年上旬のリスト上位楽曲を振り返りつつ、2019年のTikTokの傾向を見ていこうと思う。


・10〜20代から人気を集めるドラマや番組に関係した楽曲
 今年に入って目立っているのが、テレビ番組に関連した楽曲。中でも、昨年冬に放送されたドラマ『今日から俺は!!』(日本テレビ系)でキャストがカバーした嶋大輔「男の勲章」や、『白雪とオオカミくんには騙されない♥』(AbemaTV)の主題歌だったAimer「コイワズライ」は、TikTok内でもロングヒットを記録。TikTokは10〜20代のユーザーが最も多いため、この年齢層から人気を集めるドラマの楽曲は特にバズりやすい。またNHKでは、『第69回NHK紅白歌合戦』でいきものがかり「じょいふる」の振り付け動画を、『テンゴちゃん』で岡崎体育「なにをやってもあかんわ」を使った腹太鼓ダンス動画をユーザーから募集し、番組内で取りあげるというTikTokとの連動企画を実施。どちらの楽曲の動画も多くの投稿数に繋がり、リストにランクインも果たした。


・アイドルやお笑い芸人など著名人のアカウントが増加
 また、最近のTikTokは著名人やアーティストの公式アカウントもますます増加傾向にある。アイドルでは、今年デビューしたばかりの日向坂46が公式アカウントを設立。メンバーによる“キュンキュンダンス”の見本動画が投稿されると、TikTok内のみならずネット上で大きな話題となった。さらにお笑い芸人のアカウントも増えており、昨年12月から今年初めにかけてMONKEY MAJIK × サンドウィッチマン「ウマーベラス」が大流行したほか、COWCOW・善しのシュールなリズムネタ「コーラ欲しい」もブームになっていた。


・オーディション企画『TikTok Spotlight』の影響
 上記のように、著名人やアーティスト発信の動画は影響力があり拡散率も高いため、動画に使われている楽曲がリストに入ってくることが多い傾向にある。この性質から、TikTokを宣伝ツールとして活用するアーティストも増えてきた。今年の4月にはオーディション企画『TikTok Spotlight』が始動し、メジャーだけでなくインディーズアーティストにとってもTikTokは自分の楽曲を幅広い層に知ってもらえるチャンスの場となっている。ぱんち☆ゆたか「あなたに贈る歌」、shimamo「YOU」といったオーディション参加者の人気楽曲をTikTokで初めて聴いて、ファンになったという人も少なくないはずだ。


 今やTikTokは投稿動画をシェアするだけのアプリではなく、その楽しみ方や使用用途は日々広がり続けている。音楽業界に与える影響も大きいTikTokの流行を、2019年後半も引き続き追っていきたい。


(渡邉満理奈)


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