LUMI、Keylab 88 MKII、MPK Road 88……様々な趣向凝らしたMIDIキーボード4種

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2019年06月26日 07:11  リアルサウンド

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ROLI LUMI

 毎回、気になる楽器や機材を紹介する本コラム。今回は、今年発表/発売されたMIDIキーボードを4つピックアップしてみた。


(参考:Dubreq Stylophone Beatbox、Empress Effects ZOIA……ユニークなガジェット系シンセをピックアップ


 MIDIキーボードとは、その名の通りMIDI情報を主に鍵盤で作曲ソフトなどに入力していくキーボードのこと。MIDI情報、つまり音程や音の長さ、音の強さ、楽器の種類などを、ピアノを弾く感覚で打ち込んでいくことが出来るため、少しでも鍵盤が弾けるなら、マウスやテンキーなどを使って入力するよりも格段の効率が上がる。


 最近は鍵盤数の多いものや、逆に鍵盤数は少ないが格段に軽くて持ち運びが便利なもの、鍵盤よりもパッドに力を入れ、リズムパターンを打ち込むのに特化したものなど、各メーカーが様々な趣向を凝らしているので、用途や好みに合わせて選ぶことが出来る。


 では、早速見ていこう。


・ROLI LUMI(ルミ)
 以前、こちらのコラム(参考:音楽制作ツール BLOCKS、ポータブルシンセ OP-1…曲作りに使えそうなガジェット楽器3選)でも紹介した、音楽制作ツール・ROLI BLOCKSを発売したROLIのLUMIから。ROLIといえば、映画『ラ・ラ・ランド』でも、ライアン・ゴズリング演じる主人公セブが弾き話題となった次世代キーボード・Seaboardでもおなじみのイギリスの楽器メーカーだが、このたび開発されたLUMIは、現時点ではクラウドファンディング・Kickstarterで公開されているもの。今後、製品化が期待される話題のMIDIキーボードだ。


 何よりまず、カラフルなデザインに惹かれる人も少なくないだろう。鍵盤といえば黒鍵と白鍵という固定概念を覆すような本機は、音楽を学ぶのにも適した機能を兼ね備えている。自照式のカラフルに光る鍵盤を採用しているため、専用のアプリを使って音楽を流すと、押さえるべき鍵盤が光るようになっていて、鍵盤演奏を“視覚的に”理解することが出来るのだ。


 PCやタブレット等のデバイスには、Bluetooth5.0またはUSB-Cを介しての接続。そのため、煩雑なシールドに悩まされることもない。充電可能なリチウムイオンバッテリー(2300mAh)を搭載し、4〜5時間の充電で、キーを発光させながらの演奏を6時間は楽しめる。外へ持ち出して、いつでもどこでも演奏及び学習が可能となっている。


 ユニークなのは複数のLUMIをDNAコネクターによって合体させられること。これにより、48/72/96鍵盤のMIDIキーボードにも拡張できる。また、付属の音楽プレーヤーを使えば、懐かしいヒットソングから最新トップ10チャートの曲まで、膨大なライブラリーの中から好きな曲を選んでセッションも可能。音楽制作だけでなく、ちょっとしたセッションや音楽理論のレッスンまでできるのは、DTM初心者にはありがたい。


・Arturia Keylab 88 MKII
 Arturia(アートリア)といえば、MoogやProphet-5、Odysseyなど歴代のアナログシンセを忠実にモデリングしたソフトシンセが、プロのミュージシャンの間でも非常に評価が高い。そんなArturiaから発売されるKeylab 88 MKIIは、ソフトシンセがバンドルされた88鍵のMIDIキーボードである。


 鍵盤部には、Fatar社製のTP/100LR鍵盤を採用。高品質のキーベッド、ハンマーアクションにより、まるで生ピアノを演奏しているような手ごたえのある“打感”を楽しむことが出来る。気になる音源は、Arturiaの代名詞ともいえるV Collectionを凝縮したAnalog Labを同梱。アナログ〜デジタルシンセはもちろん、アコースティックピアノやエレクトリックピアノ、オルガンなど24種類のビンテージ楽器より、7000以上の音色コレクションを活用することができる。つまり、MIDI音源がなくとも、本機を単体で鳴らすことも可能なのだ。


 DAWソフトの定番・Ableton Live Liteをはじめ、アートリアの人気ソフトシンセ・Piano V、Wurli V、Vox Continental Vも収録されているので、これからDTMを始める人の強い味方になってくれるはずだ。


・Native Instruments KOMPLETE KONTROL M32
 最近のMIDIキーボードは、KORG nanoKEYなどに代表されるような小型で持ち運びが便利なタイプが人気。自宅はもちろん、移動中や移動先のホテルなどでも、アイデアが思いついたらすぐにカバンから取り出し、パソコンに繋げて作業に没頭できる小型のMIDIキーボードは、DTMによる音楽制作が主流となりつつある今、重宝される一方である。そんな中、Native Instrumentsが初のマイクロサイズキーボード・KOMPLETE KONTROL M32を発売する。


 その名の通り32鍵のキーボード。同社のMIDIキーボード・KOMPLETE KONTROL A Seriesの機能を受け継ぎ、KOMPLETEやNks対応の豊富なインストゥルメントやエフェクトが同梱されているので、購入してすぐに音楽制作を始めることが出来る。見つけたサウンドを編集するには、8つのタッチセンサー式コントロールノブと2本のタッチストリップを動かすだけ。あらかじめ開発者自身によってKOMPLETE KONTROLハードウェアにマッピングされているので、ストレスなく直感的な操作をすることが可能だ。


 また、100種類以上のスケールやモードを⽩鍵のみで演奏したり、コードやアルペジオをひとつの鍵盤で演奏したりすることが可能なSmart Play機能を搭載。理論に詳しくなくても、ピアノの演奏が得意じゃなくても、音楽性の高いフレーズを生み出せるかもしれない。


・AKAI MPK Road 88
 最後に紹介するのは、MPCサンプラーで知られるAKAI professional(アカイプロフェッショナル)から、USB接続のMIDIキーボードコントローラー・MPK Road 88。


 鍵盤技術の開発に2年以上の歳月を費やしたModel-A キーベッドと、アフタータッチ対応の88鍵盤フルウェイトハンマーアクションにより、Arturia Keylab 88 MKIIと同様に生ピアノに近い“打感”を再現。ピアノが得意な人であれば様々なニュアンスをMIDIデータとして入力することも可能である。


 コントロール部はいたってシンプル。ピッチホイールとモジュレーションホイール、専用のボリュームコントロール、トランスポーズ、スプリットなど、必要最小限の機能のみを採用しており、ライブの時などまごつくことなく素早く操作が可能だ。


 付属ソフトには、ソフトシンセとエフェクトをコントロールするAKAI professional VIPやAIR Music Technology DB-33、AIR Music Technology Velvet plus、AIR Music Technology Mini Grand for Road 88などのインストルメントをバンドル。パソコンさえあれば、すぐに演奏が楽しめる。


 以上、今回はMIDIキーボードを4種類紹介した。パソコンのキーボード感覚で打ち込んでいける機種から、生ピアノの演奏さながらにニュアンスをつけていける機種まで、機能は様々。冒頭で述べたように、自分のスキルや用途にあったモノを選べば、DTM制作がより一層楽しくなりそうだ。


(黒田隆憲)


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