乃木坂46『真夏の全国ツアー』で示す“新たな坂道”とは ラジオやツアーの映像から考える

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2019年07月07日 10:21  リアルサウンド

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乃木坂46 真夏の全国ツアー公式SPECIAL BOOK『N46MODE vol.1 』

 乃木坂46が、7月3日のナゴヤドームを皮切りに、全国4都市9カ所を巡る『乃木坂46 真夏の全国ツアー2019』を開催している。


参考:乃木坂46が『真夏の全国ツアー2017』神宮公演で示した、“共鳴”する1期生・2期生・3期生の現在地


 全国のZepp会場を巡っていた『真夏の全国ツアー2013』から6年が経ち、乃木坂46は2年連続でドームツアーを開催するほどのグループへと成長した。昨年のツアー初日は、明治神宮野球場と秩父宮ラグビー場での2会場同時開催という史上初の試みが行われ、2会場あわせて3日間で合計18万人が参加。あわせて、同日は会場問題で見送りになっていたアニバーサリーライブ『乃木坂46 6th YEAR BIRTHDAY LIVE』も兼ねた公演だった。振り返れば、2017年はツアーのファイナルに初の東京ドーム公演を開催したりと、ある種のメモリアルなツアーが続いていた。


 新内眞衣がパーソナリティを務める『乃木坂46のオールナイトニッポン』(ニッポン放送/以降『ANN』)の6月12日放送分でゲストとして登場した桜井玲香は「なんにも考えず楽しいライブにしたい」とツアーに言及。それに新内も「久しぶりかもね。こんなお祭りライブみたいな全国ツアー」と返していた。その言葉通りに、ツアーは例年の公演以上にメンバーの楽しむ姿が印象的だ。


 中でも特筆すべきが、ツアーに初参加する4期生の存在。ライブでも触れていたが、彼女たちは1年前、まだオーディションの最中だった。2018年12月の『お見立て会』から、今年2月の『7th YEAR BIRTHDAY LIVE』、4月の『3人のプリンシパル』、5月の横浜アリーナでの4期生単独ライブと、着実にステップを踏み、今回のツアーでは多くの楽曲で先輩メンバーと一緒にパフォーマンスを行っている。


 乃木坂46 真夏の全国ツアー公式SPECIAL BOOK『N46MODE vol.1』の中で、桜井はツアーに向けて「今年の全国ツアーは、卒業したメンバーも多く、4期生も入ってきているのでグループの雰囲気もがらっと変わっていると思います」と西野七瀬や若月佑美、衛藤美彩といったメンバーが続々と卒業したことに触れる。さらに「初期からいるメンバーが少しずつ卒業してきている時期だからこそ、残っているメンバーは役割や責任について考えて、受け止めてやることが大切になってくるはず。そういう姿が若いメンバーに受け継がれていくだろうし、このツアーを通じて後輩たちの心境にも変化を与えられるようにしていきたいです」とコメントしている。今年のツアーでは新たな試みも幾つか見られ、その中で4期生が混じることでの“化学変化”は、先輩となった3期生にも刺激を与えているように感じる。


 桜井は『ANN』の中で“意味も含まれている演出もある”とも話していたが、その一つにツアーでは7月5日に公開されたドキュメンタリー映画『いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46』の映像も一部使用されている。現在、ファンの間で話題になっているのが、オープニングの中で「僕たちはここだ」というテロップと共に映し出される新国立競技場の映像。乃木坂46にとって神宮球場はホームの会場であり、隣接する新国立競技場は新たな坂道の頂として目指すべき適任の場所だ。


 今年、11月末に完成する新国立競技場のこけら落としイベントが12月に開催され、アーティストも出演する音楽を交えたものとなる一方で、老朽化した神宮球場と秩父宮ラグビー場の場所を入れ替える再開発が2021年より着工されるとの報道もされている(参考:国立競技場12・21こけら落とし…人類はひとつに、神宮球場と秩父宮ラグビー場の入れ替え、31年にも完了)。つまり、毎年恒例となっている神宮でのライブも、今年を含めてあと3年で一旦の幕を閉じることとなる。オリンピックイヤーとなる2020年は、例年に増して会場問題が熾烈を極めるだろう。


 4期生というグループにおける胎動と乃木坂46が上る新たな坂道。9月には24thシングルのリリースも控え、さらなる高みへと飛躍するグループの像が見えるツアーは、まだ始まったばかりだ。(渡辺彰浩)


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