富田克也最新作『典座 -TENZO-』10月公開 2人の僧侶の苦悩を軸に3.11以降の仏教の意義を紐解く

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2019年07月08日 15:11  リアルサウンド

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『典座 -TENZO-』(c)全国曹洞宗青年会

 第72回カンヌ国際映画祭にて批評家週間特別招待部門へ選出された、空族・富田克也監督最新作『典座 -TENZO-』が、10月4日よりアップリンク吉祥寺・渋谷ほかにて全国公開されることが決定。あわせてティザービジュアルも公開された。


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 福島と山梨に生きる2人の若き僧侶の苦悩を軸に、3.11以降の仏教の意義を紐解く本作。10年前、本山での修行を共にした兄弟子の隆行と弟弟子の智賢は、福島と山梨のそれぞれの寺に戻った。智賢は、住職である父と母、妻、そして重度の食物アレルギーを抱える3歳の息子と共に暮らしている。一方の兄弟子・隆行は、福島県沿岸部にあったかつての寺も、家族も檀家も、すべてを津波によって流されてしまい、今では瓦礫撤去の作業員として、ひとり仮設住宅に住みながら本堂再建を諦めきれずにいた。


 演じているのは、全国曹洞宗青年会の実際の僧侶たち。映画製作にあたり、彼らが“今、一番話を聞いてみたい曹洞宗の高僧”青山俊董老師の元へ、実際に智賢が訪ね交わされた対話を軸に、福島、山梨、長野、そして中国の自然の中で繰り広げられる、現代日本の僧侶たちの日常が映し出される。『サウダーヂ』『バンコクナイツ』と同じく、空族の富田と相澤虎之助が脚本を手がけ、富田がメガホンを取った。


 本作は、公開に先駆けて愛知県で3年に1度開催される国内最大級の現代アートの祭典「あいちトリエンナーレ2019」にて、8月9日の映像プログラム特別オールナイト上映にて日本初公開される。同祭典の2回目の上映となる9月17日には、映画で非常に重要や役割を果たす青山俊董老師、河口智賢(主演)、富田監督も登壇するトークイベントも予定している。


 加えて、富田監督の過去作『サウダーヂ』『バンコクナイツ』が、8月10日より1週間、新宿K’scinemaにてアンコール上映されることも決定。公開直前の9月29日には、甲府・桜座にて、劇中に楽曲を提供しているNORIKIYO、右左口竹の会らのライブ付き『典座 -TENZO-』先行上映も決定した。(リアルサウンド編集部)


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