ホンダF1本橋CE予選後インタビュー:クビアトに不運もアルボンがQ3進出。「本来の実力通りの走りができた」

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2019年07月14日 11:51  AUTOSPORT web

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2019年F1第10戦イギリスGP アレクサンダー・アルボン(トロロッソ・ホンダ)
ここ2戦フランス、オーストリアのトロロッソ・ホンダは、予選は2台ともQ3に進めず、レースでもノーポイントと、本来の実力を結果に反映できない傾向があった。しかし今回はアレクサンダー・アルボンが、久々にQ3進出を果たした。ダニール・クビアトは遅いクルマに詰まってQ1落ちを喫してしまうが、レースペースは決して悪くない。本橋正充チーフエンジニアに前戦までの不振の理由と、決勝レースへの期待を聞いた。

――アルボンは初日からずっとトップ10内の速さを発揮して、予選でもモナコ以来のQ3進出を果たしました。本橋さんも、行けそうだという手応えを感じていましたか?
本橋正充チーフエンジニア(以下、本橋CE):そうですね。感じていました。この2戦は少し不振でしたけど、まだ完璧ではないとはいえ、ここに来てからは本来の実力通りの走りができていましたから。

―― 一方でクビアトは、どうしたのでしょう?
本橋CE:予選では、クリアラップが取れなかった。あと、風向きが頻繁に変わったことに、もろに影響を受けてしまったようですね。

――クビアトの件があったとはいえ、この週末は過去2戦に比べると、順調に推移していますか?
本橋CE:だと、思います。

――逆に言うと過去2戦は、初日で躓いて、それが予選以降に尾を引いてしまっていたのでしょうか?
本橋CE:躓いたというか、路面温度が高かったのを、うまく掴みきれなかったですね。それをうまく、セットアップに反映できなかったというか。パワーユニット(PU/エンジン)側もそうなんですけど。少し暑かったなと。

――パワーユニット側で言うと、高い吸気温によるパワーロスの症状が、カナダ辺りから出ていました。
本橋CE:ええ。その後いろいろ対策を取りましたけど、依然として厳しかったですね。オーストリアは特に。車体もパワーユニットもレースでは、ギリギリの線を狙うんですね。でも前戦は、それも厳しい状態でした。それぐらい暑かった。

■冷却に関するトロロッソとレッドブルとの差

――レッドブルに比べて、トロロッソの車体設計の方が冷却に厳しいと言えますか?
本橋CE:どうでしょう。一概には比べられないですが、少しキツ目かなという気はします。ただそれ以上に、中団グループの中で走ってる方が大きいですね。前のクルマに詰まると、一気に温度が上がりますから。

――今回の予選ではフェルスタッペンが、パワーラグの症状を訴えていました。スロットルを開けた際に、ちゃんと付いてきてくれないと。それはトロロッソ側でも、ある程度はあったんですか?
本橋CE:そうですね。やはり過給器エンジンなんで、そこは程度の差こそあれ、どうしても出てしまいますね。スロットルの踏み方や、路面コンディションにもよります。特に予選になると、踏み方も変わってきますから。チューニングで何とかしようと、気をつけてやってる項目のひとつです。

―― 一般的に言うと、周回を重ねるうちにどんどんグリップがよくなるコースの方が、チューニングはしにくいですよね。
本橋CE:そうですね。二日目になって急激にバンと踏まれると、なかなか対応が難しい。

――全面再舗装した今年のシルバーストンは、初日から二日目にかけてはどうでしたか?
本橋CE:速くなっています。セットアップによりタイムの改善もありますけど、路面も確実によくなってる。ラバーがのってくる中で、速くなりましたね。

――アルボンは、レースペースもいいからと、入賞はしっかり視野に入ってるようでした。
本橋CE:われわれも、期待しています。今回はそんなに、タイヤにも厳しくなさそうですし。ダニールにしてもレースはすごく巧いですから、ダブル入賞を期待しています。決して不可能じゃないと、思っていますよ。

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