EXIT、“音楽×お笑い”のネクストブームの担い手に? 中毒性あるフィーチャリング曲に注目

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2019年07月28日 11:11  リアルサウンド

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EXIT featuring NANA『ワンチャン・サマLOVE』

 人気急上昇中のお笑い芸人EXITが、新曲「ワンチャン・サマLOVE」をEXIT featuring NANA名義でリリースした。本作は、昨年12月に発表した葵夏美とのコラボソング「NO MORE 恋泥棒」に続くEXITのフィーチャリング企画第2弾。NMB48の元メンバーでもある山田菜々をゲストに迎え、夏のビーチにも映えそうなアッパーチューンとなっている。MVにはEXIT、山田に加え、雑誌『egg』で活躍するモデルも出演。水着姿のギャルたちがプールサイドでたわむれたり、セクシーな腰振りダンスを披露する映像は、まさにEXITらしい、“チャラ男の夏”そのもの。公開から1カ月と経たずにYouTubeでの再生数は100万回を突破。今年の夏ソングの台風の目になりそうな勢いだ。


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 2017年12月に結成以降、「ネオ渋谷系漫才師」のキャッチフレーズのもと、独特のキャラクターでお茶の間を賑わせているEXIT。見た目と話し口調のチャラさにもかかわらず、人柄は実直で真面目というギャップも魅力となり、オリコンが実施した『2019年上半期ブレイク芸人ランキング』では霜降り明星やチョコレートプラネットらに続き、4位にランクイン。徐々にバラエティ番組にも進出しつつある。


 そんな彼らの音楽活動歴は思いの外早く、コンビ結成後わずか半年後にはデビューシングル『Re;rize』(2018年7月)をリリース。その後、11月に同じくお笑い芸人のデッカチャンをフィーチャリングした『ネオチャラ(フィーチャラリング DJ DEKKA)』を発表し、12月にはEXIT featuring NUTS-ME名義で『NO MORE恋泥棒』が配信とかなり精力的。ラップやクラブサウンドを取り入れた音楽スタイルは、自らの芸風とも相性が良く、また楽曲の完成度もまだ音楽活動を始めてわずか1年とは思えないほど熱の入ったものになっている。


 特に、直近の「NO MORE恋泥棒」と「ワンチャン・サマLOVE」の女性ボーカルとコラボしたシリーズは、彼らのキャラを存分に堪能させつつも、楽曲としての聞きどころも多い。「NO MORE恋泥棒」では、自身の自己紹介や持ちネタでおなじみのフレーズを繰り出すチャラさ全開のアゲアゲソングかと思いきや、中盤では一転、R&Bでしっとり聴かせる葵夏美のソロパートが始まるという斬新な構成が光る。また、「ワンチャン・サマLOVE」ではEDMサウンド全開の中、EXITのふたりのラップが炸裂するAメロ、Bメロを経て山田菜々がメインボーカルをとるサビへの流れが中毒性抜群。かけ声やフィンガーダンスなど、聴き手を巻き込む仕掛けも随所に盛り込まれ、届けたい層にしっかりアプローチする戦略が練られているのを感じる。


 リズムネタや音ネタを得意とする芸人は少なくないが、ネタをネタで終わらせず、音楽シーンにアプローチしたほどの逸材となると、思い浮かぶのはふかわりょう、藤井隆、近年ではRADIO FISHだろうか。特に後者は音楽性と芸風、そしてネタとの相互関係をうまく楽曲に落とし込む手法を展開し、支持を広げたという面でもEXITのひとつの指標になると思われる。


 メンバーのりんたろー。は「ワンチャン・サマLOVE」に手応えを感じてか、「Mステからの紅白路線 夢は見るもんじゃねぇ叶えるもんだったよな!?」とTwitterで発言するなど、RADIO FISHが果たした紅白出場を目指す姿勢も見える。アーティストとお笑い芸人、二足のわらじで突き進むEXITが、勝負作「ワンチャン・サマLOVE」で、この夏どこまで注目を集めることができるのか。今後の展開にも期待が高まる。(渡部あきこ)


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