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佐々木投手の登板回避、ダルvs.張本の論争に医師が結論 163キロが体に与える影響とは?

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2019年08月06日 11:30  AERA dot.

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写真岩手大会準決勝の一関工業戦、完封で決勝進出を決めた大船渡の佐々木朗希投手。これが大会最後の登板となった/盛岡市の岩手県営野球場 (c)朝日新聞社
岩手大会準決勝の一関工業戦、完封で決勝進出を決めた大船渡の佐々木朗希投手。これが大会最後の登板となった/盛岡市の岩手県営野球場 (c)朝日新聞社
 高校野球で史上最速の163キロを投げる高校生が、決勝のマウンドに立たず夏を終えた。監督の判断に賛否両論が巻き起こる中、医療関係者が医学的な視点からそれぞれの見解を示す。

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*  *  *
 7月25日の高校野球岩手県大会決勝。勝てば35年ぶりの甲子園という試合で、高校野球史上最速と言われる163キロの直球を記録した大船渡高校の佐々木朗希(ろうき)投手は、マウンドに立つことなく球場を去った。敗戦後のインタビューで佐々木投手はこう答えた。

「高校野球をやっている以上、試合に出たいのは当然のこと」

 判断したのは国保(こくぼ)陽平監督。「この3年間の中で一番故障する可能性が高いと思った」からだと説明した。

 最速163キロは体にどんな負担を与えるのだろうか。

 プロ野球・巨人のチームドクターの経験がある増本整形外科クリニック(東京)院長の増本項(こう)さん(59)によると、速い球を投げれば通常は肩やひじに大きな負担がかかる。また、投手によっては腰を起点にひねって投げるタイプと股関節を軸に投げるタイプがいて、負担のかかり方が違う。

「大きく足を上げて投げる佐々木投手の場合は、股関節に負担が大きくなるような投げ方に見えるので、その点で注意が必要です」

 今回の登板回避問題を受けては、そんな議論より著名人の意見の食い違いばかりがクローズアップされた。

 野球評論家の張本勲さんがテレビ番組で「けがをするのはスポーツ選手の宿命。痛くても投げさせるくらいの監督じゃないとダメ」と国保監督を批判して大炎上。大リーグのダルビッシュ有選手やサッカーの長友佑都選手がツイッターで張本さん批判を展開した。だが、日々佐々木選手を見ているわけではない著名人に、「どちらが正しい」と判断できる問題なのか。医学的にはどうなのだろう。

「投げ方が正しければ痛みは出ない。球数よりも投げ方の問題の方が大きいと考えています」

 野球で体を痛めた患者を月600人ほど診る接骨院北原(東京)院長の北原茂さん(38)は話す。ひじの内側側副靱帯を痛める患者が圧倒的に多いという。

「賛否あるのは分かりますが、個人的には出てほしかったという思いもあります。選手の違和感に耳を傾け、けがにつながるものなのか、そうでないのかを見抜くことが大切と感じます」

 前出の増本さんは違う意見だ。

「人間の体は神様が四足歩行に作った体で、ボールを投げるように作られてはいないのでそれだけで体に負担がかかるのは当然。どんなに良い投げ方をしていても必ずどこかに炎症が起きて、一定レベルを超えると痛みが出る」と説明する。

 今回の佐々木投手の場合、7月16日の2回戦、18日の3回戦、21日の4回戦、24日の準決勝で登板。特に4回戦では194球、準決勝では129球を投げた。

「1日フルで投げたら、5日は空けたい。佐々木投手にはかわいそうだったが、彼の野球人生を考えた場合、決勝は休ませて当然の判断だった」(増本氏)

 一方で、「疲労」についてはこんな考え方もある。田園調布長田整形外科(東京)院長の長田夏哉さん(50)が言う。

「疲労感は、実は脳が作り出します。体にまだ余裕があっても、体を壊さないように事前に脳が疲労を感じる仕組みです」

 ところが、スポーツでは達成感や報酬欲求などによって、その疲労感が消えてしまうことがあるという。いわゆる“ランナーズハイ”の状態だ。

「高校野球でも、周囲の期待や甲子園に向かってみんなで戦う高揚感が、疲れを忘れさせることがある。選手が一線を越え、けがをする原因になるので十分な注意が必要です」

 日本臨床スポーツ医学会学術委員会も、高校生なら全力投球数は1日100球以内、週500球を超えないこと、などと提言している。日本高野連も投手の障害予防に関する有識者会議を設けてようやく今年から本格的な検討が始まった。注目選手の登板回避問題を、議論を深めるきっかけにしたい。(編集部・小田健司)

※AERA 2019年8月12日−19日合併増大号

このニュースに関するつぶやき

  • 俺は問題に関しては監督がビビって芋引いたってことだと思う。選手らはたまったもんじゃないよな。そんでしたり顔で良識ぶって監督擁護するヤツらには反吐が出るぜ。
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  • 投げさせる、投げさせないを自分で決めたいのなら、外野はまず監督になることを目指すべきだ。選手の起用を任されているのは監督であって、無関係の自称野球通じゃない
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