主人公の“悲しみ”と“叫び”が 新鋭アリ・アッバシ監督作『ボーダー 二つの世界』日本版予告公開

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2019年08月07日 19:01  リアルサウンド

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『ボーダー 二つの世界』(c)Meta_Spark&Karnfilm_AB_2018

 10月11日に全国公開される『ボーダー 二つの世界』より、日本版予告編が公開された。


参考:動画はこちらから


 本作は、イラン系デンマーク人の新鋭アリ・アッバシ監督と、“スウェーデンのスティーヴン・キング”と称され『ぼくのエリ 200歳の少女』の原作者としても知られるヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストが自身の原作をもとに監督と共同で脚本を手がけたミステリー。第71回カンヌ国際映画祭ある視点部門グランプリ受賞に加え、第54回スウェーデン・アカデミー賞では作品賞ほか最多6部門を受賞、本年度アカデミー賞スウェーデン代表作品にも選出され、メイクアップ&ヘアスタイリング賞でオスカーノミネートを果たした。


 公開された予告編の冒頭では、生まれつきの醜い容姿に悩まされる主人公ティーナを包むセミの音や、彼女に向けられる数々の視線、窓越しの動物とのふれあいなど、誰よりも繊細な感覚を持つ人物であることが伝わるシーンが次々と登場。勤務中に奇妙な旅行者ヴォーレと出会い、「子供の頃から人と違った。醜くて普通じゃない」と誰にも話せなかった胸の内を打ち明けられたことで表情がほころんでいく。しかし、彼と深く関わるようになったことで、ティーナは自身の出生をも揺るがす大きな秘密と向き合うことになる。ティーナの「私は誰?」「私の人生は全て嘘だったの?」という切実な問い、全てを知るヴォーレの「この世界はまやかしだらけだ」という意味深な言葉など、真実への手がかりとなる場面が散りばめられた。


 アッバシ監督は、以前より、出版社など周囲からリンドクヴィストのいくつかの小説の映画化を勧められていたというが、「原作者、脚本家であるリンドクヴィストの特別な才能は、現実と幻想の間の架け橋を構築することだ。彼の文章を深く掘り下げた結果、僕は『ボーダー 二つの世界』に辿り着いた。この作品は自分自身のアイデンティティを選ぶことができる人についての映画である」とその魅力を語っている。 (文=リアルサウンド編集部)


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