米ドラマ「ナガサキするぞ」セリフに物議 「潰すぞ」の意味込め演出か

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2019年08月12日 13:51  Techinsight Japan

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東ちづるが投稿『人間の鎖』をつくって平和を訴える高校生たち(画像は『東ちづる Chizuru.Azuma 2019年8月9日付Twitter「被爆から74年の長崎。」』のスクリーンショット)
1945年(昭和20年)8月6日に広島市、8月9日に長崎市へ原子爆弾が投下されて74年となる。そんななか「長崎原爆の日」を前に、米人気ドラマ『ディス・イズ・アス』のなかで「Nagasaki」が「破壊する」「つぶす」という意味で使用されていたことが報じられ物議を醸している。

ドラマ内で、テレビ局のお偉いさんが若手俳優に対して「逆らうならば居場所はなくなるぞ」と脅すシーンで「ナガサキするぞ」とのセリフが登場する。これは「潰すぞ」との意味合いで使われている。アメリカでも一般的に使われない言葉で、関係者はドラマの演出上「憎たらしい嫌なやつ」というイメージをつけるために用いたのではないかという。

これに対し、長崎で原爆投下当時に被爆した人々からは「原爆の恐ろしさが分かっていない」と非難する声があがっており、当時11歳だった山脇佳朗さん(85)は「そのような場面でナガサキという言葉を使ってほしくない。ユーモアとも受け取れない」「感情を逆なでするような表現には抵抗がある」という。

また、長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会・川野浩一議長(79)は「悲しすぎて言葉にならない」「きのこ雲の下で何が起きたのかを分かっていない。『つぶす』なんてものではない」とコメントした。

他にもこの報道について、Twitter上で「信じがたいです。被爆一国民として米国はやはり私は許せない!」、「これを考えた人の想像力と愛の無さにがっかり」、「アメリカでナガサキを破壊の意味で使うドラマを放送するらしいけど不謹慎にも程があるよね 9.11=破壊とするのと同じレベルだと思うんだけど」などの声が見受けられる。

広島県出身の女優・東ちづる(59)は、自身のTwitterで「あれから74年しか経ってないのに、戦争や被爆のことが少しづつ風化している。私たちが十分に語り継げていないのだろう。全国・世界中の人に、そして各国の首脳陣に、広島の『平和記念資料館』や長崎の『原爆資料館』を訪れて、核兵器の残虐さと、戦争とは何かを考察してほしいなあと思う」とツイートしている。

さらに「平和は、他人任せにしていたら、いつの間にかオカシナことになる。『こういう写真を見せるな』『風化することが平和の証』という人もいる。過去に目を閉じるということは、学習することを放棄する、思考停止になる、歴史を繰り返すということ…」と訴えた。

米ドラマばかりか当の日本では「8月9日はハグの日」と盛り上がりを見せる昨今、いずれ「8月9日は何の日か知ってる?」と聞いたら「ハグの日でしょ!」と屈託のない笑顔で返ってくるようになってしまうのだろうか。

画像は『東ちづる Chizuru.Azuma 2019年8月9日付Twitter「被爆から74年の長崎。」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)

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  • ナガサキする(サ変動詞)「1、例えば、織田信長を信長織田にすること。2、卓袱料理や長崎チャンポン、チリンチリンアイスを楽しみ、永井博士や平和について考えること。3、令和元年、米国で誤った使い方がされた」
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