レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットの関係性が垣間見える 『ワンハリ』本編映像公開

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2019年08月18日 13:01  リアルサウンド

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『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

 クエンティン・タランティーノ監督最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の本編映像が公開された。


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 レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットが共演する本作は、タランティーノ9作目の長編監督作。1969年のロサンゼルスを舞台に、ハリウッド黄金時代の光と闇に迫る。


 このたび公開されたのは、人気のピークを過ぎたTV俳優リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)が、実在したプロデューサーであるマーヴィン・シュワーズ(アル・パチーノ)から自身のキャリアが下降していることを指摘され、イタリアに行ってマカロニ・ウエスタンに出るように勧められて落胆した後のシーン。ヒッピーの女性たちが街中でゴミをあさる様子が映し出された後、リックが「5年は上り調子。10年もぬるま湯状態。そして一気にどん底へ」と動揺した様子で、スタントマンであり自身の運転手でもあるクリフ・ブース(ブラッド・ピット)に今までのキャリアについて語る。だがクリフは、「俺にはろくなキャリアがない。“分かるよ”とは言えない」とリックを気遣うように自分のキャリアを卑下しながら答える。「何を言う。俺のスタントマンだろ」とクリフに反論するリックだが、「俺は運転手、雑用係だよ。お前を乗せて走ったり家の用事や留守番するのが好きだが、最近フルタイムでスタントをしてない。俺から見ればローマで映画に主演って死ぬよりマシだぜ」と、リックを安心させるようにクリフが説く。


 現在のハリウッドではあまり見られなくなったが、本作で描かれるリックとクリフのように、1人の俳優に決まったスタントマンが付いてキャリアのほとんどを一緒に過ごすことはよくあることであったとピットは語る。続けて、「例えば『大脱走』で素晴らしいチームワークを見せたスティーヴ・マックイーンとバド・エキンズ、それにバート・レノルズとハル・ニーダムについて話し合ったよ。実はバートとは会って話を聞くことができたんだ。素晴らしい経験だったよ。今のように一時的な付き合いと違って、役者とスタントマンの間には、昔はもっと強い絆があったんだ。クリフとリックも、本当にお互いに頼り合っている。実際に仕事をしている時よりも、仕事がない時の方が辛かったりするものだから、そういう時に友達、パートナーがいることはとても大事なことだった。これは、今だってそうだよね」と、2人の関係性について、そして今の役者の状況についても分析。


 また、ピークを過ぎた俳優リックを演じたディカプリオが、「ブラッドが演じているクリフは、単なるスタントダブルではなくて、どちらかというと、スイス・アーミーナイフのような万能の存在だと僕は考えているんだ。愚痴を聞いてくれる相手であり、精神科医であり、ボディガードであり、アシスタントであり、ありとあらゆるものなんだ。リックはクリフに報酬を支払い、12もの仕事をしてもらっている。リックはクリフに仕事を与えているけれど、常にそばにいて支えてもらっているんだ。僕にもそういう人たちがいたよ。アフリカに8カ月もいる間、一人でいたくないときに、ただ黙って一緒にテレビを見てくれるような人がね」と語るように、俳優にとってスタントマンは、仕事だけでなく精神的な支えでもあるのだ。


 実は、ディカプリオが演じる俳優リックは、何かと自信を失いがちで、困難にぶつかると人目をはばからず泣き出してしまうという小心者な一面を持ち、本映像のようにクリフに精神的に支えられるシーンが本編でも多く散りばめられている。(リアルサウンド編集部)


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