横浜流星のエネルギーが物語を盛り上げる一因に 『あなたの番です』どーやんの魅力を謎解き

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2019年08月21日 06:01  リアルサウンド

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横浜流星『あなたの番です-反撃編-』(c)日本テレビ

 『あなたの番です』(日本テレビ系)の“交換殺人ゲーム”にまつわる深い考察が繰り広げられているなか誠に恐縮だが、どうしても分析したくなるのが“どーやん”こと二階堂忍(横浜流星)。ここでは事件に一切触れず、ひたすらどーやんの魅力を掘り下げていこうと思う。


 新住民である二階堂の登場は、第二章「反撃編」から。覇気のない姿で住民会に顔を出し、管理人に紹介されれば「下の名前は気に入ってないので内緒にしてもらえませんか」とボソリ。マンション住人からは不審がられるも、AIの研究をしていることが判明し、妻・菜奈(原田知世)の犯人探しをする手塚翔太(田中圭)から協力を依頼されることになる。


【写真】どーやんと黒島のキスシーン


 まず言いたいのは「横浜さん、デコ出しは反則です」ということ。今までもおデコを封印していたわけではないが、直近の映像作品では前髪を下ろして幼さを演出していたこともあり、おデコとともに色気を開放。加えて、落ち着いた色味にゆったりシルエットの服装。キレキレ頭脳と、ゆるゆるファッションというギャップが、いきなりズルくはないだろうか。


 さて、話を物語に戻そう。事件が多発するマンションに越してくる時点で二階堂は変わり者だが、それが決定的となるのは、翔太が手作りの鍋を前に“交換殺人ゲーム”について打ち明けた時。それまで抑揚をつけずにボソボソとしゃべっていた二階堂が「おもしろそうですね」と饒舌になり、表情もイキイキ。「やばい、興奮してきた……」とニヤつく様は、どう考えても普通ではない。


 そんな二階堂が変わり始めるきっかけとなったのは、もちろん黒島(西野七瀬)との出会い。第12話では、黒島が横になっていたソファの匂いをクンクン。黒島と一緒に乗ったエレベーターの匂いをクンクン。挙句の果てに、大学構内で黒島ちゃんの頭を直接クンクン……どう考えてもアウトな行為だが、二階堂がやることで新手の胸キュンシーンとなってしまうのだから、なんとも。


 そして来ました13話冒頭、7回は巻き戻して見たくなるアクションシーン(8月15日放送『スッキリ』(日本テレビ系)参照)。「めんどくさいなぁ」からのパンチ連打に華麗な回し蹴り。横浜が極真空手の名手であることはもはや周知の事実だが、ここまで綺麗にキメられてしまったら、ぐうの音も出ない。一方で、おなじみの鍋シーンでは「おいしそうに食べてよ」という翔太に「おいしいですよ。ただ、舌と顔が別人格なので」との謎発言。翔太は困惑気味に「へぇ」と受け入れていたが、そんな意味不明の言葉すら可愛く思えてしまった女性も多いはず。


 続く第14話の夏祭りシーンでは、鼻緒が切れて足をひねった黒島をおんぶ。第15話では、何者かに線路に突き落とされて意識不明となっている黒島のマスク越しにキスをするという直球のトキメキを。さらに彼女の両親がいる前で「す、す、好きです」と、翔太が言うところの“どーやんより先に、どーやんの愛が勝手に行動しちゃった”告白は初々しすぎて、否が応でも顔がほころんでしまう。


 第16話では、“気分転換”という名のデートへ。「二階堂さんがしたいこと、されたいです」という大胆発言を受けて、黒島をソファに押し倒すという人間味あふれる行動をとるも、残念ながらキス未遂で終幕。二階堂の淡い恋に傷がつかないことを願いたいのだが、人としてはもちろん、動物としても好きな黒島に、SNSでは“黒幕本命説”が浮上している。今から、もしもどーやんが黒島ちゃんに裏切られたら……と考えると切なくなるので、深入りせずに物語の行方を見守ることにしよう。


 そして最新話では、尾野(奈緒)から「菜奈さんを殺した犯人について話したいことがある」と部屋に呼ばれた二階堂。ハーブティーを口にすると次第に意識が朦朧とし、ついに気を失ってしまう。その後、首を絞められるかと思いきや、尾野は二階堂の耳たぶをマッサージ……どーやんの身やいかに!? というところで幕を閉じた。


 美しい顔に、ぶっきらぼうな話し方、冷蔵庫には大量の栄養ゼリー……と、そのままAIなんじゃと思えるほどだった二階堂だが、翔太や黒島との繋がりによって血が通い始める。好奇心だけで捜査をしていた序盤と今では、眼差しや語気、歩き方にも細やかな違いが見られ、体温までも変化しているかのよう。それらは横浜の表現力によるもので、画面から伝わる二階堂のエネルギーの上昇が、物語を盛り上げる一因にもなっている。


 先日放送された『アナザースカイll』(日本テレビ系)で「体だけで伝わる何かがある」とアクションへの意欲を語った表情は、私たちが見ているのは横浜流星のほんの一部なのかもとワクワクさせた。『初めて恋をした日に読む話』(TBS系)でのブレイクを経て、『あなたの番です』で新章の幕開け。謎解きのごとく、いかにも先が気になる役者である。


(nakamura omame)


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