『なつぞら』広瀬すずが突きつけられた“子育て”への問題提起 『おしん』田中裕子からのエールも

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2019年08月21日 12:51  リアルサウンド

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『なつぞら』(提供=NHK)

 いよいよ出産間近になったなつ(広瀬すず)。なつと坂場(中川大志)の前には、子を産んで働くということの壁が大きく立ちはだかった。『なつぞら』(NHK総合)第123話では、なつが産休に入り、保育所を探す場面が描かれる。


 なつは産休に入り、仲(井浦新)や下山(川島明)、神地(染谷将太)に挨拶を済ませ東洋動画を後にした。東洋動画では、どこに顔を出しても皆なつを応援しており、なつにとってここが大切な居場所であることがわかる。


【写真】『anone』で共演した広瀬すずと田中裕子


 なつは、その後病院に行くが、経過も良好で、なつの子供は問題なく育っていた。そこでなつは医師に、産後6週間で職場復帰しても大丈夫なのかを確認する。すると医師は、自身は産後1週間で仕事に戻ったと話し、なつの働きたいという意思を尊重した。「医者としては無理をするなと言いたいけれど、働く母親の先輩としては頑張れと言うしかないわ」と話し、なつが働くことに対して前向きにエールを送った。担当医となった高橋秀子役には、『おしん』でヒロインを務めた田中裕子が登場。2018年に放送されたドラマ『anone』(日本テレビ系)以来の広瀬との共演シーンは反響をよんだ。


 しかし、なつが保育所を探しに福祉事務所に行くと、そこの職員(田中真弓)はなつが生活のためではなく自分のために仕事を続けようとしていることに苦言を呈す。職員はなつに対して「子どもを犠牲にしてもですか?」「本来は子供は母親が育てるものなんです、それを勘違いされていませんか?」と言い、なつはその言葉に考えさせられてしまうのであった。


 保育所を探しに行ったにも関わらず、預ける場所を決められないままなつは帰ってきてしまう。なつは、そのことを坂場にも話せずにいたが、異変を感じていた坂場は、内容を詮索せずただそばにいてあげるのであった。そしてその晩、なつは腹痛で夜中に目が醒める。陣痛のあいだが短くなるまで様子をみていたなつと坂場であったが、感覚が狭まらず焦り出す二人。するとそこに、偶然、富士子(松嶋菜々子)が現れた。


 123話の『なつぞら』は、子供を育てるのは女性の仕事、子供のために自分を犠牲にするのが当たり前という考えに対し、問題提起をするかのような回であった。なつは自身に突きつけられた課題に、どう答えを見つけるのだろうか。女性が子を預けて働くのが難しかった時代だが、なつと坂場だからこそ、乗り越えられる気がする。


(Nana Numoto)


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