ママ友の「ちょっと子ども預かって」がムカつく!? LINEの気軽さが招く“ママのストレス”

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2019年08月23日 19:03  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

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今や日常生活において、かかせないツールとなっているコミュニケーションアプリ「LINE」。かつては子どもの送迎時に、ママたちが立ち話をしているような光景が見かけられたが、時間に追われ忙しく過ごす共働き世帯が増えた今、ママたちのコミュニケーションの場は、LINEのグループチャットになっているという。そんな、ママたちの「グループチャット」から浮き彫りになった、彼女たちの悩みや、苦悩、気になる話題を覗いてみる。


 まだ1人で留守番ができないような低年齢の子どもがいるママは、数時間程度の外出もままならない時も多い。子どもを預けるために、登録制のファミリーサポート(ファミサポ)やシッターなどを利用するのには、制度が面倒なために抵抗があるという話もよく見受けられる。また夫婦ともに地方出身の場合は、実家に預かってもらうこともできないだろう。そんな時、身近な存在であるママ友を頼るママも少なくないという。

 亜希子さん(仮名)は、東京の郊外で6歳になる女児を育児中。小学校入学までの期間は子どもと過ごしたいと思い、専業主婦となり、子どもを幼稚園に通わせている。3歳から通っている園は、1クラス20人程度の少人数制のため、自然とママ友付き合いも親密になりやすいという。

「近所には1学年80人程度の大規模幼稚園もあり、どちらに入れようか迷ったのですが、少人数の方が先生の目も行き届くと思い、今の園に決めました。子どもが少ない分、ママたちの役員負担なども大きく、お迎え以外でも顔を合わせる機会が多く、さらに子ども同士の仲が良いと、自然とママ友とも親しくしなければならなくて……それがたまに苦痛なんです」

 亜希子さんは、数時間の子どもの預かりをお願いしてくるママがいて困っているという。

「そのママは、日ごろから病弱アピールがすごくて、『ちょっと具合が悪いので、お迎えに行ってくれませんか』という依頼が多いんです。複数のママが見ているグループチャットではなく、私に直で来ます。既読が付くと『見た』という印になるので、断りづらいのがわかるんでしょうね。子ども同士は仲良しなので、そのまま一緒に我が家に連れて帰り、しばらく面倒を見ているのですが、その間は目が離せず、家事ができないのがストレスです」

 ほかにも、ママ友同士の「預かり」は、「急な残業」「下の子が急病」などの緊急事態、加えて実家が遠かったり、ファミサポなどにお願いができない場合に発生するという。

「やっぱりLINEによって、気軽に預かりを頼むママは増えたと思います。うちは幼稚園から近いせいか、ママ友からの『うちの子のお迎えも一緒にお願い。それでちょっとの間だけ預かってて』という依頼が、意外と多いんです。あるママは、私に子どもを迎えに行かせ、預けているのに、グループチャットなどに『これから掃除します』と書いていたことがあって。さすがにちょっとモヤっとしました」

 彼女は、ママ友から「ありがとう」の一言やスタンプだけで済まされてしまうことが多いのも、納得いかないという。

「みんな、『自分の子どもを迎えに行くついでじゃない』と思っているのかもしれないですね。うちの子は、幼稚園であったことをうまく話せないような内気なタイプなので、ほかのママに預けるのは嫌なんです。自分だったら幼稚園の延長保育を利用するのに、うちを便利に利用されているのは正直ムカついています……」

 都内で4歳になる男児を育児中の幸恵さん(仮名)は、同じマンションに住んでいる4歳の男児のママ友・Aさんとの距離感に困っていると語った。もともとAさんとは、同じ階に住んでいたため、エレベーターなどでもよく顔を合わせる機会があったという。

「お互い2歳までは別々の保育園に通っていました。ちょうど新設の認可保育園ができたので申し込んだところ、同じ園に通うことになったんです。なので、子どもが3歳からの付き合いになるのですが、子ども同士は大の仲良しで、顔を見合わすと遊びだすほど。一人っ子同士で遊び相手がいないせいなのか、『明日も会えるでしょ』と言っても聞かず。無理やり引き離すとうちの子が泣き出して困っていますね」

 Aさんは、幸恵さんと幼稚園以外でも親しくしていきたい雰囲気だという。同じクラスのママ友同士のグループチャットではあまり発言をしないが、幸恵さんには直接メッセを送ってくるそうだ。

「この前は、地域の夏祭りに誘われたので、子どもと一緒に行ってきました。次の日も休みだったため、子どもが帰るのをぐずってしまい、向こうの家にお邪魔することに。Aさんの実家は大家族だったそうで、Aさんは子どもの扱いにも慣れていて『うちでご飯を食べて行きなよ』と焼きそばを作ってくれました。その後も『汗かいたでしょ、お風呂入っていきな』と言って、息子はAさんの子どもと一緒にお風呂に入ってたり……Aさんは、『子どもは見ているから、ちょっと家に帰って休んだら』と言ってくれるのですが、素直に喜べないですね。逆に『いつも幸恵さんの子どもの面倒を見ているんだから、うちの子も預かってよ』なんて言われたら、どうしようと思ってしまうんです」

 このように、子ども同士の仲が良いと、片方の家に入りびたりになるケースは少なくない。幸恵さんは、「私は息子以外の子どもの面倒を見るのは嫌なので、遊びに行くのを本当はやめたいんです」と漏らした。

 幸恵さんのように、お互いの家を行き来するような付き合いは、できれば避けたいと考えるママにとって、「LINEは厄介なものなのかもしれません。一度つながってしまうと、ママ友を避けることができないので、ママ友との距離感を保つのが難しくなったと思う」という。

 情操教育の一環として、3歳になると子どもに習い事を始める家庭が増える。幼稚園や小学校が夏休みの時期は、お稽古ごとの体験レッスンなども盛んに行われているそうだ。8歳と4歳になる女児を育児中の茜さん(仮名)は、「子どものお稽古ごとの送迎が面倒なんです……」と語った。

 娘2人にHIPHOPダンスを習わせるために、自転車で20分ほどかかるダンススタジオまで送り迎えをしているという茜さん。入会のきっかけは、同じ幼稚園に通っている下の子のママ友Bさんと一緒に体験レッスンを受けたことだったという。

「最初は入会するつもりはなかったのですが、今なら会費が半額になるとか、入会金無料だとか言って薦められたんです。迷っていたら、Bさんから『送迎が面倒だったら、私と茜さんが交互で行けばいいじゃない?』と提案されました」

 しかし、Bさんは最初こそ、茜さんの子も一緒に送迎をしてくれていたそうだが、「次第に『茜さんところの上のお姉ちゃんはもう小学生だから、送迎は必要ないよね』と一方的にLINEしてきて……喧嘩になるのも嫌なので飲みこみましたが、私は心配なのでBさんの子どもも一緒に送り迎えをしていますよ」と不満げに語った。結局、Bさんがスタジオまで迎えに来ないため、茜さんの家でBさんの子どもを預かることもたびたびあるそうだ。

 ママ友同士の子どもの預かりというと、「前もって予定した日に、準備をしたうえで、半日以上預けること」をイメージする人も多いだろうが、最近はLINEの普及によって、送迎などのついでに、急遽そのまま数時間子どもを見てもらうケースが主流だという。預ける側にとってはありがたいだろうが、前出の亜希子さんも言っていたように、預かる側はLINEで簡単に依頼されると違和感を抱くようだ。しかもそのお礼を「ありがとう」のスタンプで済まされたとしたら、ママ友からの感謝の気持ちも感じられないだろう。何事も持ちつ持たれつ、誰かだけに負担がかかるのではなく、ママ友同士が意識し合って「助け合える関係」を築くことが大事なのかもしれない。
(池守りぜね)

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