ドラマ『あなたの番です』手塚翔太本人が歌うからこそ届く「会いたいよ」に映される愛

0

2019年09月01日 08:01  リアルサウンド

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

リアルサウンド

 原田知世と田中圭のダブル主演で4月からスタートしたドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)。謎が謎を呼ぶミステリー、役者たちの名演など話題に事欠かない今作だが、田中圭演じる手塚翔太が歌う「会いたいよ」も注目すべきポイントのひとつだろう。


(参考:ドラマ『あなたの番です』は主題歌でも謎が深まる? Aimer「STAND-ALONE」歌詞を読み解く) 


 何を隠そう『あなたの番です-反撃編-』(日本テレビ系)は、翔太の〈会いたいよ〉という印象的なセリフで幕を開ける。それだけ、この作品において“会いたい”という言葉や感情は重要なセンテンスになるというわけだ。


 「会いたいよ」が用いられるのは、大切な人を思う回想シーン。ベッドで翔太が奈菜へ思いを馳せる第11話を皮切りに、いろいろな人の心中を代弁する楽曲として使用されている。


 なかでも多くの人の涙を誘ったのは、第16話ではないだろうか。第15話までは翔太から奈菜、児嶋俊明(坪倉由幸)から児嶋佳世(片岡礼子)、二階堂忍(横浜流星)から黒島沙和と、恋愛としての“会いたい”のみが重ねられていた。しかし第16話では、妹尾あいり(大友花恋)が浮田啓輔(田中要次)、水城洋司(皆川猿時)が神谷将人(浅香航大)を思う描写を重ね“会いたい”という気持ちの幅を広げている。父親(のような人)を慕う愛、部下を思う愛。複雑なミステリーの裏には、誰かを思う愛があるということを示唆しているような演出になっているのだ。


 しかし、感動するシーンや物事が動くタイミングで挿入歌を流すのは、映像作品においてよくある手法で珍しいものではない。特筆すべきは「会いたいよ」が田中圭ではなく、手塚翔太名義であるということだ。役者・田中圭ではなく、主人公・手塚翔太が歌うからこそ、より作品のキャラクターに感情移入させる仕組みになっている。


 『-反撃編-』が始まってからの回想シーンはもちろん、熱心な視聴者だと第10話までの奈菜と翔太のイメージが染みついていることだろう。困難を超えつつ愛を育んできた3カ月。それを前提としておいているからこそ、より手塚翔太が歌う「会いたいよ」は説得力を持つのだ。


 事実、SNSでは「会いたいよ」の流れるシーンが、「#会いたいよタイム」と呼ばれ親しまれている。「会いたいよ」が流れる前後、ハッシュタグと共に多くの感想が投稿されているのだ。これは手塚翔太の歌う「会いたいよ」が、たくさんの人の心に届き大きなインパクトを与えている証明のひとつと言えるだろう。


 ラストへ向かって、さらにストーリーの加速を見せる『あなたの番です』。「会いたいよ」の用いられるシーンにも注目して、本作を見届けたいものだ。(坂井彩花)


    ニュース設定