見ず知らずの男女6人が、シェアハウスで共同生活する様子を記録したリアリティ番組『テラスハウス』。現在、Netflixにて「TOKYO 2019-2020」が配信中で、ファンは個性豊かな面々の恋愛模様を、一喜一憂しながら、固唾を呑んで見守っている。そんな『テラハ』を愛する“テラハウォッチャー”が、8月後半の配信分から、グッときた“名(珍)シーン”をピックアップし、思いのままにレビューする。
流佳、マーベル俳優への近道を発見(テラスハウス第13話)
“マーベル俳優になりたいかもしれない”という夢を語っていたアルバイトの流佳。イラストレーターの香織から、「(夢に近付くために)バイト変えるの?」と聞かれると、下北沢にマーベルファンが集うバーを見つけたと報告し、「明日行ってみる(キリッ)」と得意げに話した。
引き気味の香織が、「将来やりたいかもしれないところと近いバイトだといいよね。自分の今後のためになりそうなことに就けるといいよね」とやんわり諭すが、流佳は「でもそこはアメコミのバーだから。普通のバーだったら俺、行かないもん。アベンジャーズの看板があるバーだから」と珍しく反論する。どうやら、本気で「マーベルファンの集うバーに出入りすることが、マーベル俳優への第一歩だ。そんなバーを見つけた俺、よくやった」と思っているようだった。
別に「夢がないこと」や「大きすぎる夢を見ること」がダメとは思わないけれど、流佳の場合は発想がハタチにしても幼なすぎて(尊敬する人は「仲直りさせたから」という理由で坂本龍馬、あこがれの人はヒカキン等)、心配になる。まずはバーでも何でもいいから、社会勉強をしてほしい。
ケニー、車がまさかのスクールバス(テラスハウス第13話)
フィットネストレーナーの莉咲子に告白したバンド「SPiCYSOL」のボーカル・ケニー。しかし、莉咲子からは「とっても好きだなとは思うけど、たくさんたくさん知らないと私は付き合うっていう確信に至らない。だからまだわからない」と保留にされてしまう(莉咲子からもめちゃくちゃ好き好きアピールをしていたのに!?)。
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後日、2人はドライブデートに出かけるが、その際にケニーが乗ってきたマイカーは、「SCHOOL BUS」という看板がついたレトロでバカでかいキャンピングカーだった。「かっこいいだろ、これに乗ってる俺!」が出すぎていて、恥ずかしい。助手席がない作りで、莉咲子は運転席と離れた後部座席に座らせられ、声を張ってケニーと会話していた。とても疲れそうである。
連れていかれた先も、台風が通過したかどうかというタイミングにもかかわらず海。車中でケニーはなぜか「海、入れます!」と断言していたものの、案の定、海は大荒れで眺めるだけだった。
ケニーは、荒れた海を前に、まもなくテラハを卒業する意思を莉咲子に告げ、さらに「莉咲子の人生にとって、俺が必要な男かどうか考えてみて」と再告白した。「今決めろって言われたら、そこまでの気持ちではない」と、また振られるが、まだあきらめない。
ケニーは、テラハメンバーを招待した「SPiCYSOL」のワンマンライブの最後に、「この人(莉咲子)にピッタリな曲になってました。その人にエールを、次の曲で送ってもいいかな」と話し、莉咲子を思って書いたという新曲「After Tonight」を披露してみせた。莉咲子は涙ぐんで、腕組みしながら聞きいっていたが……。
……いやいやいや、ライブに来てくれたほかのお客さんの気持ちを考えてみてくださいよ。ワンマンに来るくらい応援してくれているファンの前で、1人の女のため作った曲を自分に酔って歌うという茶番。これで曲が良ければまだ「彼女が創作意欲をかき立ててくれてるのね!」と少し許せるけれど、歌詞もメロディーも、特に印象に残らない薄っぺらさ。これでファンを辞めた人、何人いるだろうか。以前、「悩んだらファンのために頑張る」とドヤ顔で語っていたケニー。ファンのことを考えたら、一番やっちゃいけないことをやったのでは。
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ステージ上での動作や、その前に歌っていたケニー作詞曲「Sex On Fire」の歌詞も、恥ずかしくてまともに画面を見られなかった。いや、ベタベタなバラードで声張って「Sex On Fire」って……。
ケニー、キスがダサい(テラスハウス第13話)
ケニーの自己陶酔バラードでヒロインモードに入ってしまった莉咲子は、泣きながら「すごい好きだったよ、好きだよ、好きだった、わかんないわかんないわかんない、行かないでとか言っていいなら、すごい言ってる。行かないで」と迷ゼリフを披露。これで「行ける!」と思ったらしいケニー、またしても莉咲子を呼び出し、「俺がテラハを出るまでにもう一度考え直して」と告げる。まだ引っ張る気である。往生際の悪さもダサい。
さらにケニーはその後、莉咲子を待ち構えてキスを迫る。拒絶しているところを捕らえ、むりやりしようとするが逃げられて空振りし、頬のあたりにかろうじて唇を寄せていた。なんというダサさ! テラハ史上最もダサいキスに認定したい。